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STORY

2024.01.27

天文学者の小久保英一郎さん


++ Introduction ++

「惑星がどうやって形作られていくのか」ということを専門に
天文学の研究をされている小久保英一郎さん。

地球や太陽系はどうやって生まれたか
惑星の成り立ちを
スーパーコンピューターを使い、計算しシミュレーションされています。

『物理の法則をコンピューターにプログラムして。
46億年前に何が起きて
小さい塵がまとまって地球になるんですけど
それはどうやって大きくなったのかを
コンピューターで計算しているんですよ。
物理の法則はある初期状態があって
そこから何が起きるかを教えてくれるんですけど
ただその初期状態がどうなっているのかっていうのが
最初のデータですが、その初期状態がわからないので
今の太陽系や地球を見て、
昔はこうになっていたかなというのを想像したり
今、生まれつつある星を見て、どんな風になっているかな?
塵がどんな風になっているかなというのを見て
それを参考にして太陽系の46億年前はきっとこうだっただろう
みたいなことを想像して作って、そこから何が起きるかだとか・・・』

まだまだわからないこともあるそうで
例えば、太陽系の8個の惑星が、それぞれなぜそこにあるのか
これについても正確に説明できるものが、まだないそうです。
現在、それぞれの惑星がどのように生まれたのか
シミュレーションを重ねながら成り立ちを研究されています。

地球の成り立ちについても研究されていますが
成り立ちを調べることで
第二の地球が他の場所でもどのくらいできやすいのか
どのくらいできるのかの解明に繋がるとのこと。
現在、望遠鏡を使っての惑星探しが進められており
第二の地球候補が十数個ほど見つかっているとのこと。
これからはその候補から海があるのか?
生き物から出てきた物質があるのか?が調べられるようになり
第二の地球探しが今始まりつつあるそう。

先日、月面着陸のニュースもありましたが
月についても研究が進んでおり
人も着陸したり、石も持ち帰ってきていたりと
研究材料が揃ってきている中、
実はそういった色々条件が揃ってきているからこそ
月の成り立ちを解明するのが逆に難しくなっているそう。

実際に月ができるのか、
地球と火星くらいの大きさの惑星が衝突し
衝突によりできた破片たちが集まって月になるという
「巨大衝突説」といったシミュレーションを行ったところ、
本当に月ができたとのこと。
破片が辺りに散らばり、それが集まり、月になるまで
1ヶ月〜1年ほどでできたそう。



++ Until now ++

小久保さんが天文学や天体に興味を持つようになったのは
小学生くらいの頃から。
ご出身は仙台市の田舎の方で夜空に浮かぶ星たちが
綺麗に見える環境だったそう。
そういった星たちを見ながら育ち興味を持ち始めたとのこと。
星以外に考古学も好きで
近所には遺跡があり、鏃や土器をよく発掘をしていたとか。

子供の頃に星を望遠鏡で
見ていた原体験が今にも繋がっているとお話ししてくださいました。

『今でも土星を望遠鏡で見て、土星の輪とかを見ると
初めて見た頃の感動を思い出して。
かつ、研究意欲がすごく湧くんですよ。
今でも土星を不思議だと思って
なぜあのようになっているのかを知りたいって
小さい頃から思ったなっていうのを思い出して
土星の輪を見ると「よし!もっと頑張ろう!」みたいな(笑)』

高校卒業後は上京し、予備校に通われていました。
そこで物理学が好きになったとのこと。

『そこですごく物理の本質を教えてくれた先生がいたんです。
その先生の授業で物理の美しさというか面白さに目覚めて
物理にすごく興味を持って
その物理を使って何かやれたらいいなというのが
大学に入ることに出てきて・・・』

大学の卒業検定で研究室を決めるとき
天文学の研究室に入ったことがきっかけで
天文学の道へ進もうと決意したとのこと。

ダイビングが趣味という小久保さん。
いろんなところへ潜りに行ったり、
日食を見に行ったり
古代遺跡を見に行ったりする小久保さんの姿を見た
ダイビングの師匠が、
「探検は知的情熱の肉体的表現である」
という言葉を教えてくださったそう。

『これはスコット探検隊のチェリー・ガラードという生物学者が
著書の中で記している言葉なんですけど。
その言葉を聞いたときに自分が好きだった探検が
なんだったのか、ということが腑に落ちたというか。
その背景には「知りたい」「不思議」だと思っている気持ちがあって
それに動かされて体が動いてやっているんだっていう。
この言葉を聞いてから、
自分の好きな生き方を端的に教えてくれていて
大事にしている言葉ですね。』

++ Right now ++

オフタイムは海に潜ったり、山に登ったり、旅をしたりと
アクティブに過ごされている小久保さん。
自然豊かな場所の中で生まれ育ったことで
そういった自然の中での遊びは今も変わらず好きだそう。
あと普段、天文学を研究されているからこそ
そういった自然に囲まれた場所へ足を運びたくなるとのこと。

『天文とか宇宙はある意味、無機的な感じがある世界で
やはり生き物とか、そういう生の感じのものに飢えるというか(笑)
海とか行くと魚がたくさんいたりとか、山に行けば木がいっぱいとか
そういうのでバランスを取るというか。』

スキューバダイビングは、インストラクターの資格も持つほど・・・
そんな小久保さんのお気に入りダイビングスポットは
西伊豆の大瀬崎。
小久保さんが1番潜っている場所なんだとか。

『一年を通して潜れて季節ごとに不思議な生き物がいて
こんなに潜っているのにまだ初めて会う生き物がいるんですよ。
だから本当によく通っていて。
深海魚が出てきたりとかいうこともあるし
これからもずっと通い続けるんじゃないかと思う海ですね。』

さまざまな海の生物に出会っているとのことですが
中でも今、一番小久保さんが探している魚はチョウチョウウオ。
世界でおよそ120種類くらい存在しているそうですが
そんなチョウチョウウオ全種と一緒に泳ぐのが
小久保さんのダイバーとしてのライフワークとお話しくださいました。



++ From now on ++

今年4月には北米の方で皆既日蝕が見られるとのこと。
日本では直近だと今年1月は惑星が見やすくなっているそうで
夕方の空に木星と土星が見え
明け方の空には金星と、頑張れば水星が見られるとか。
水星が見られることはなかなかできないそうで
今年は東の空がひらけている暗い場所なら
見つけられるかもとのこと。

小久保さん自身の今年やりたいことも伺いました。

『コロナ禍も明けて段々と日常が戻ってきている中で
やっぱり前のように新しいことを始めたり
どこか知らない、行ったことのない場所に行ったり、
行ったことない国に行ったりとか。
潜ったことがない海に潜るとか
冒険的な生き方をもっとやりたいなというのは思っていますね。』

今、気になっている国はスペイン。
バルセロナに行ってみたいと思っているそうです。

最後に活動を通して伝えていきたいメッセージを伺いました。

『自分が宇宙の研究とかして思っていることは
やっぱり自分は宇宙と繋がっていて
大きな宇宙の流れの中に自分がいるということですかね。
そうやって宇宙と繋がっている自分は
生きていくことは楽しい、人生は生きるに値するというか
そういう風に感じるんですよね。
そんな風に思えるんだったら
幸せに生きられるんじゃないかなと思いますね。』

ON AIR LIST

  • SPACE COWBOY / JAMIROQUAI
  • DON'T STOP BELIEVIN' / JOURNEY
  • FORBIDDEN COLOURS / DAVID SYLVIAN/坂本龍一
  • ONLY TIME / ENYA

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