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STORY

2024.01.06

書家の紫舟さん


++ Introduction ++

「2024年新春作品」を
現在、ハイアット・セントリック銀座 東京で
展示されている書家の紫舟さん。

『新春なのでおめでたい作品をたくさんご用意しました。
火の鳥を見たという人の話を聞きまして作り上げた
「ガラウェイ(火の鳥)」。
他にも日本では龍が干支なんですが
龍は中国の思想で仏教では元々「ナカラー」という
頭が奇数で体が一つの神様がいて
それが中国から日本に入ってきた時に龍になったと。
その「ナカラー」という作品だったり、
そういった干支のものを飾ると、龍ですので天空に登っていくので
開運力アップだったりということで縁起の良い空間にしております。』

さらに願いが叶うようにと想いが込められた
「成就」という書が立体化された作品も展示されています。
紫舟さんはこれまでも書を
三次元で表現するということもされてきました。

元々、海外で作品を展示やライブパフォーマンスされていた紫舟さんは
日本文化として書は海外の方へ受け入れていただけるが
全く通用しないと感じたそう。
紙に文字が閉じ込められていて、そこに固定していることが
書に対しての理解が進まないと思い
そこで文字の歴史を遡り、甲骨文字からヒントを得たそう。

『当時は紙がなく、もちろんペンもないので
骨に彫っていた。
気持ちが乗ったところはもっと深く掘ったのかもしれない。
そういう意味では文字が彫られたところは空間で
文字が立体だったといえるのではないかなと思い
挫折から三次元の書が誕生しました。』

海外で展示やパフォーマンスをされている中で
紫舟さんは日本人とフランスの方の
美術の見方の違いに気づいたそう。

『私たちが美術館に行くと、たくさんの説明文をしっかりと読んで
ちょっとアートを見て、また文章を読んで・・・
ですがパリに行くとほぼ説明がない。展覧会をすると
タイトルも乗せてくれるなと。
なぜかというと、幼稚園の時からルーヴル美術館に行っている
フランスの方達っていうのはアートを見る目が
私たちとは比べ物にならなくて
一つのアートを見たときに奥深いところまで
鑑賞の旅をしてきている。
そして戻ってきて、その感想を作家に教えてくれるんですよね。
私も驚いたんですけど、ルーヴルで展示をしたときに
三次元の書は日本語だから読めないけども
なんて書いてあるか言い当ててくる
だからこそ、「芸術の都 パリ」と言われ
世界中の芸術家がパリに行きたいのは
彼らの目利きの力で育ててもらいたいが故に
やっぱりアーティストはパリに集まるのかなと。』



++ Until now ++

6歳の頃から高校生の頃までお祖母様のすすめで
書道教室に通われていた紫舟さん。

進学を機に書道から離れ
その後は、会社員として3年ほど働かれていましたが退職。
そこから100日間は次を決めず
自分のやりたいことを見つける考える時間にあてていたそう。
そしてちょうど100日後に書家になると、
ご自身の内から出てきたそう。
そして最初に書いた字は「紫舟」。

中学時代に書道の先生が「紫舟」という字を書いていたのを思いだし
当時、ご自宅の近くのコンビニで筆ペンと和紙を買い
「紫舟」という字を書かれたそう。
そこでこれから「書家 紫舟」として生きていくんだと
生まれ直した瞬間だったとのこと。

『今までは別の誰かの人生を生きていて
周りの期待に応えたいとか
「みんながこうするから、私もこうしよう。」と思いながら生きていて
その瞬間からほんとの自分になったような気がします。』


今回、実際にスタジオで書を書いていただきました。

「幸せでありますように。」

『もうすでに幸せで今後ともずっと幸せでありますように
という言葉です。
言葉には必ず力があるので
どの言葉を使うかっていうのはすごく大事だと思うんですよね。
言葉がその人を作ったり、言葉から想像力を広げて
自分で自分を傷つけるようなこともあるかもしれない。
なのでいい言葉を使ってほしいと思い
今日は「幸せでありますように」と書きました。』

書を書くうえで、言葉の力が文字に宿るように
そしてその書によって、伝える相手の人生や暮らしを導けるよう
心がけているそう。
最近では伝えたい思いを表現するため言葉を作ることが多いとのこと。

++ Right now ++

オフの時間は
少し前だとスケジュールを詰めて国内外へ旅行に行かれていたそうですが
今は1300年以上前からずっと存在する場所に興味があり
明日香や吉野あたりによく行かれるとのこと。

『突然生まれた日本の文化があの辺りにありまして
尚且つ、1300年毎日祈り続けられた土地。
最初は単なる興味で明日香に足を踏み入れたんですが
遠いんですよ。往復で12時間くらいかかる。
ですが移動だけで疲れるはずなのに
行ってふらりとして帰ってきて「疲れたな」と言おうと思ったら
全然疲れていない。
その土地の力で元気にしてもらえるとかあるんだなと。』

紫舟さんは飛鳥坐神社によく行かれ
お祓いを受けているそうです。



++ From now on ++

昨年2023年ローンチされた「NFTデジタルアートプロジェクト」
こちらは奈良県吉野山にある世界遺産の「金峯山寺」で行われた
全長15メートルの地獄絵を梵焼する
「地獄絵梵焼大護摩供」にて
自分の願い事などを書いたNFTのデジタル護摩木を一緒に焼き
世界中から祈りに参加してもらうといった取り組みとのこと。

『この世の生き地獄ってあると思うんですよ。
私たちの心の中にも地獄のような感情ってある。
許せない気持ちとか、怒りとか、妬むような気持ちとか・・・
そういったものを大きく育てるのは簡単なのに
手放すのって本当に難しい。でも放置しておくとストレスになり
1番嫌いな人を何度も思い出し、
自分を傷つけながら人生を生きていく
この大きい地獄絵を大きな炎で焼いていただく時に
一緒に自分の心の中の地獄も焼き尽くしてもらっているような
そういった想像力を持って祈りに参加してもらって
絵も焼けるけども、自分の心の中の地獄も焼き尽くすという。』

そして今年の春、
「NFTデジタルアートプロジェクト」の第二弾がローンチされるそう
そんな第二弾は「アートと食文化の融合」がテーマなんだとか。
お寿司を手づかみで食べるなど
海外から見たら少し敬遠される日本の食文化の慣習。
そういった文化を発信するのが今回のプロジェクト「OTETE」とのこと。
お楽しみに。

最後にご自身の活動を通して伝えていきたいメッセージを
伺いました。

『どうしても日本の経済が弱くなると
世界から日本って見てもらえなくなってしまう。
だけれどもフランスみたいに文化の力で憧れられる国になることはできる。
日本もこれからは文化の力で尊敬される国にしていきたいと思っています。』

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  • BUTTERFLIES / TYLA
  • MER DU JAPON / AIR
  • MOANIN' / ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS
  • LET'S WAIT AWHILE / JANET JACKSON

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