++ Introduction ++

最新刊
「慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話」
を上梓された能町みね子さん。
LGBTQの「Q」は「Queer（クィア）」
もしくは「Questioning（クエスチョニング）」を指しますが
この「Queer（クィア）」について研究されている森山至貴さんと、
クィアという言葉や考え方をめぐって対談する本です。

さらに今年は新連載がスタート！
タイトルは「買わりばえのしない私」。
能町さんいわく、ご自身の仕事史上一番ゆるい連載で
能町さんが最近買ったものについて書くというもの。
買ったものもハイブランドというわけでもなく、
愛猫が遊ぶのにハマっているヘアゴムを
大量に買ったという話など
最近買ったものについてゆるく書かれています。

昨年は短編集『鉄道小説』に寄稿。
能町さんが執筆されたのは
空想上の青森市になんとなく「上青」してくる
東京の女の子の話「青森トラム」という物語。

毎年、夏には青森に
プチ移住をしている能町さんが
青森のここに地下鉄が通っていたら便利だなという空想からスタートし
空想上の青森市が
もっと発展した都市だったらという世界を書かれています。

他にもさまざまな執筆をされている能町さんですが
エッセイを執筆する際に心がけていることとは・・・

『私は文章を書くときにスイスイ出てくるわけではないので
なんか頭の中でモヤモヤとなんとなくの感じだけあったりするんですよ。
それをどうやったらちょうどいい言葉になるかを
すごく考えたりしますね。
なんとなく簡単な表現にしてしまわないで
「嬉しかった」とか「怒った」とかを
もう少し正確な表現がないかなという風な書き方はしていますね。』　



++ Until now ++

幼少の頃から書くことが好きだったようで
幼稚園の頃にはペンギンが主人公の童話を作っていたそう。
大学では地理を専攻されましたが、
将来的に何になりたいとかは考えていなく
とりあえず就職されたとか。

そして、現在のお仕事をされているのも成り行きとのことで、
ブログ本ブームの時に、
自分もブログ書いたら本が出せるのかなと思い
ブログをスタート。
そしてのちにブログの書籍化オファーがあり
舞い上がって１社目でOKをしたところ、
その後、何社からさらに書籍化の話が。
せっかくのお話だったので本は決まってしまったが
他にも文章やイラストがあればという返信をしたところ
それが少しずつ仕事に繋がり、現在に至るとのこと。

そんな能町さんのターニングポイントとなったのは
料理研究家の福田里香さんとの出会い。
ブロガーとして顔出ししていなかった能町さんを
ある対談の企画に「この人は面白いはずだから」と
呼んでくださったのがきっかけで
活動の幅が広がったそうです。

現在、青森にプチ移住をされている能町さん、
以前から暑いのが嫌いで避暑にあこがれがあり
そして青森も好きだったそうですが、
2021年の猛暑のコロナ禍に
東京オリンピックがあるということで
夏に東京にいたくないという気持ちが高まり、
今だ！とご友人に不動産屋さんを聞き
マンションの一室を借りたそう。
実際に住んでみて感じた青森の魅力とは・・・

『まずローカル感がちゃんと強いのが好きで。
青森ってめっちゃ不便な田舎ではないんです。
スーパーとかもあるし、新幹線も通っているけど
ちゃんと方言が強くて、津軽弁がしっかりと残っている感じがしていて
それも良いし。夏は基本的に涼しいし、
人が結構卑屈なんですよ。そこが好きなの。(笑)
冷たくない、全然良い人たちなんですけど
「なんでこんなところ来るんだ、こんなところ何にもない」とか言うんですよ。
でも二言目には「あそこ行ったか？ここ行ったか？」とか言ってくる。
実は好きなんじゃん！って思っちゃう。』

++ Right now ++

好角家の能町さんが今一番注目している力士は
十両の高橋関。
そんな高橋関の好きなところとは・・・

『横綱にいた鶴竜にすごく似ていて
細い目をしていて、笑うと無くなっちゃう。
赤ちゃんみたいに体がムチムチなんですよね。
マニアックな話をすると足首が太いんですよ
「安定感ある〜、強くなりそう」って思いました。』

現在、ちょうど九州場所中ですが
今、おすすめの幕内力士は・・・

『個人的には若元春というお相撲さんをすごく推していまして
性格も良いし、顔は穏やか、でも技能派というか。
体がすごくしなやかで。
通はこの人がこうしたら勝てるみたいなのがわかってくるじゃないですか。
初心者の方でも若元春は相手の右脇に左手を刺す、
右手では相手の廻しを掴んだらまず勝つんですよ。
そういうのがわかってくると結構面白いですよね。』



++ From now on ++

2023年残すところあとわずかとなりましたが
今後、能町さんがやってみたいことは
最近買った自転車で東京を回ること。
実はこの番組の収録の時も自転車でお越しになられたそう。

『旅まで行かないにしても
東京のその辺の行けるところくらいは行こうかなと。
体力つけるためにも自転車の人になろうかなと思っています。』

最後にご自身の活動を通して
伝えていきたいメッセージを伺いました。

『そんな大層なものはないんですけど
こんな人もいるよとしか言いようがないがないですよね。
こんなところで相撲のマニアックな話をしても良いんだなとかね(笑)』