STORY
小説家の千早茜さん
++ Introduction ++
40歳を手前に離婚をした主人公の婚活を描きながらも
離婚、そして結婚など幸せとは何かを考えさせられる物語
『マリエ』を上梓された小説家の千早茜さん。
千早さん自身、離婚を経験し、結婚について考えている時期に
担当編集者さんも同じく40代ということもあり
結婚や離婚いついて問いかけるものになればということで
書き始めたとのこと。
『私は結構ポジティブな感じで離婚していて
ちゃんと話し合って2人が幸せになる道を選んだっていう
幸せになるための選択肢だったので。
結婚って2人で幸せになるためにするから
みんなに「おめでとう」と言われるわけで
別に離れた方が幸せなら、
それはそれでとても良いことだと思うので。
むしろ「おめでとう」と言ってもらいたいのに
離婚したと言うと「頑張れ・・・」というような感じで
目を逸らすような感じがあって、
大人が自分で自分の人生を選択しているんだから
そんなに悪いものじゃないんじゃないかなというのがあって書きました。』
実際に取材のため結婚相談所に行ったり、
婚活をされている方にお話を伺ったりして
リアルな婚活の今が描かれています。
今作を執筆し千早さんが感じた「本当の幸せ」とは・・・
『男性、女性関係なく選択肢があることが「幸せ」だと思うんですよね。
一つでも多くの選択肢をとれる方が幸せに近いと思うし
実感も得られると思うし、
最終的には「お金」かなみたいになってしまいましたね(笑)
お金とかキャリアとか、一定のそういうものは幸せに必要なんだなと思いました。』
++ Until now ++
お父様のお仕事の関係で
小学校低学年の時にはアフリカのザンビアで過ごされていたそう。
その当時は日本語の学校がなかったため
アメリカンスクールに通学。
現地では日本から送ってもらう日本語で書かれた
本を大事に読まれていたそうです。
千早さんのお母様は国語の先生だったため
千早さんは2歳ごろから日記をつけていたとのこと。
2〜5まではお母様が千早さんの代わりに日記をつけていたそうですが
5歳から千早さんご自身で書くようになったとか。
日記以外にも作文もお母様からの課題で書いたりしていたため
将来は小説を書くんじゃないかなと想像していた一方で、
小説家を目指すようになったのは意外な理由から・・・
『日本から届く本が少なすぎて
日本は本が枯渇しているんだと思ったんですよね。
ちょうど「はだしのゲン」とかを読んでいたから
配給制なのかなと思って
じゃあ書かないとダメだなと思っていました。
まあ5〜6歳ですしね。(笑)』
しかし日本に帰国後、本がたくさんあることを知った千早さん、
本もいっぱいあるし、さらに名高い文豪たちの本を読んで凄すぎて
やはり小説家にならなくてもいいかなと思ったそうですが、、
大学に入学し、ご友人が映画を撮っていた作品が
内容的に趣味全開で千早さんは恥ずかしいと感じ、
そこでこういう映画を撮っていて恥ずかしくないのかと
率直に聞いてみたところ
「恥ずかしくないよ。だって作り物じゃん」という答えが。
その時、「そうか」と納得し、自分も作ってみたいと思い
物語を書き始めたのがきっかけで小説の道へ。
++ Right now ++
千早さんが最近ハマっている食べ物はブランド豚の「氷室豚」。
『すごく豚が美味しくて、今まで肉が食べたいという時は
牛肉を買って食べていたんですけど
年齢的に国産牛の脂が重くなってきて辛いねというときに
この氷室豚に出会ったんです。
これ熟成豚なんですよね、めちゃくちゃ美味しいです。
最初に豚肉の縁の脂でジューっと焼いて
そうすると油が出るので、その油で肉を焼くんですよ。
カリカリになるし、美味しかった・・・。』
SNSでは「お茶の時間」についてもアップされていますが、
普段の生活の中で何回もお茶を淹れるそうで
そういった中でせっかくなので紹介しようということで
発信し始めたとのこと。
味や香りももちろんですが、お茶を淹れる行為も好きなんだとか。
『特に中国茶は専用の茶器があって
集め出すと止まらなくなるので。
茶器によって同じお茶を淹れていても、ちょっと違ったりしてくるので
お茶を買ったら「こっちので淹れてみよう」とか・・・
香りとか出方とかが違ってきて
雑味を吸う茶器とかもあったりするんです。
でも逆に繊細すぎて雑味を吸う茶器で淹れてしまうと
味がなくなるみたいなこともあるので
一番相性の良い茶器は何かみたいな探すのも楽しい。』
++ From now on ++
千早さんの著書「さんかく」が今月に文庫化。
こちら全章、タイトルが食べ物が名前になっており
京都を舞台にした食と人との物語になっております。
そして来年4月には集英社から
「傷」をテーマとした物語の短編集が出るそうです。
『傷が好きなんです。死体は傷にならないんです。
傷っていうことは体が治したっていうことなので
なんというか、その強さとかが好きなんです。
人の体が人を治そうと頑張ることが好きなので
それがテーマになっている短編が出ます。』
傷が好きで、医学書や傷の写真集を見ているうちに
アイディアが浮かんでくるとお話ししてくださいました。
今、好きなものや考えてみたいことから
作品が生まれるとのこと。
今後、書いてみたいこととしては・・・
『時代小説も時間があったら
今度は商人の話とか書いてみたいし
ビジネスという概念を自分の中で考えてみたい。
私は考えてみたいことがあると
それを小説にするので、
今回の「マリエ」は離婚とか幸せってなんだろうとか・・・
だから考えることってずっとあるので。』
ON AIR LIST
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SOFTLY / CLAIRO
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YOU BELONG TO ME / CARLY SIMON
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BREAK OUT / 土岐麻子
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BUMPED MY HEAD / JOEY PECORARO
ナビゲーターのトークコラム的コーナー「イチカワカオスモス」では
リスナーの皆さんから届いたメールをご紹介!