++ Introduction ++

今年4月に、民放テレビ局を退社し
eスポーツキャスターへ転身された篠原光さん。
子供の頃から好きだったゲームが仕事にできるんだとここ数年で感じ、
2022年4月に見たeスポーツの大会
（VALORANT Champions Tournament Masters Ray）をきっかけに
eスポーツキャスターの道へ進もうと思ったそう。

現在、配信サイトをメインに数多くの方が
eスポーツを視聴されているとのことですが
そういった中で実況する時に心がけていることとは・・・

『ゲームに関わっている人たち、
それぞれがどんな思いでいるかですかね。
自分の主観だけではなくて、
ファンがどんな気持ちでこのチームを応援しているのかと
ゲームを作った人がどういう気持ちでゲームを遊んでもらいたいのかとか。
あとは選手たち本人が、人生をかけてeスポーツのプレイヤーをやっているので
本人たちが今シーズンで終わりかもしれないし
うまい結果を残せるかわからないっていう中で
どんな緊張感でやっているかを想像しながら・・・。
でも考えているのは序盤だけ、やって盛り上がってくると忘れてくるから
結果的にはファン色が一番強くなるんですよね。』

テレビは不特定多数へ向けた実況。
eスポーツは好きな人たちが集まることや、そしてネット配信という環境から
多少、愛を暴走させても視聴者さんと足並みが揃うといった
違いがあるとのこと。

そんなeスポーツの魅力は、
プロスポーツ要素とイベントビジネス要素。

『アイドルを応援するような形で
選手とかにファンがつく形もあるので
選手が頑張っている姿が面白いっていう人もいます。
逆にプロスポーツ的な一面もあるので
チーム同士の手の読み合い、
頭脳戦が面白いっていうところもあったりしますね。
それをわかりやすく感じるなら、まず実況を聞いてほしいなと思います。
その人たちが戦略的なことも言っているし
選手たちの背景も言ってくれるんですよ。
なのでその話を聞きながら見ると、より楽しいです。』



++ Until now ++

ゲームはもちろん、
アニメ、漫画といったジャンルに触れ育ってきた篠原さん。
小学校の時にはゲームの話題で友達と盛り上がり、
中高生の時はアニメのキャラクターに恋をしていたとか。
そういったところからアニメラジオに触れ声優さんのお仕事に興味を持ったそう。
なので声優さんの道へ進もうとも思った時もありましたが
アニメラジオを聴けば聴くほどすごい世界で、
自分が一緒にできるわけがないと思い
やっぱり企業に就職しようとお母様に話したところ
「両立できるんじゃない？」と言われ、
大学時代には報道機関のアルバイトの経験から
「報道×声の仕事」で見つかったのがアナウンサーの道だったそう。

アナウンサー時代はお昼の番組「ヒルナンデス」を担当。
そんなヒルナンデスで共演した南原清隆さんの言葉が
篠原さんにとっての人生のターニングポイントとなったそうです。

『「心のお庭のお手入れをちゃんとするんだよ」って言われたことがあって
シンプルにいうと視野を広く仕事も人にも接しなさいっていう比喩なんですけども。
好きなものにめちゃくちゃお日様が当たっていて
そこのものがすごく好きで、お手入れもするんですけど
お庭には日影もあって、自分が接しているはずなんだけど
いつの間にか見えなくなっている部分に
意識的に目を向けることもすごく大事だし、
僕の仕事の仕方が目の前の仕事に猪突猛進みたいな仕方だったんですよ。
だから一つ一つのロケも、友人関係も、
横に並んでいるチームのみんなとか、後輩、先輩たち
周りにいる人たちに目を向けなさいっていうのが
心の庭っていう表現に詰まっていて。』

++ Right now ++

オフの日はもちろんゲームもされるそうですが
別のジャンルのことでいうと、
高校時代もバンドを組んでいたこともあり
ライブハウスに通っているとか。
まだ世に出てきていないようなインディーズバンドを
ネットで見つけて、ライブ調べて観に行くそうです。

『聴きに行きたいのに北陸地方のライブハウスとかだと
ちょっと遠いな〜とかの繰り返しで
好きなバンドを追うのが好きです。
あと、大きくなっていった時の寂しさ・・・(笑)』



++ From now on ++

この週末は「東京ゲームショウ」が開催中。
篠原光さんはこちらのメインステージ企画
「ストリーマーが遊びたおすステージ」のMCを担当されます。
今回の「東京ゲームショウ」は人数制限なしでの開催。
どんな人たちが、どのくらいの人数来場するのか注目ポイントだと
篠原さんはお話ししてくださいました。

『eスポーツ業界って内側の人たちが頑張って盛り上げている
っていう表現になると思うので
よりeスポーツと絡めてブランドの宣伝をしたいとか
お仕事でeスポーツを使いたいっていう方も
こういう人たちがゲーム好きなんだって知れると
そこに対しての手段としてeスポーツを使いやすくなるのかな
っていうお仕事のイメージを広げる場としても大きいかなと思います。』

eスポーツ全体として今後、篠原さんが注目していることは
日本の代表が世界一を取る瞬間、
そしてeスポーツがどんな風にしてより社会に受け入れていくのかというところ。

『特にぼんやりとわかっていないと思われるのが
小学生とか中学生とか、実際にゲームで遊んでいる世代の
お父さんお母さんが多いのではないかなと思っていて。
めっちゃ不安だと思うんですよ。
うちの子、ゲームめちゃくちゃやっているけど
これは良いことなのか、悪いことなのかって。
わからないから不安になっている部分を上手く具体化する作業があると
みんなゲームへの見方、理解が変わってくるんではないかなと思っていて
大人のゲームへの向き合い方を伝えていければと
僕自身の活動として思っていますね。』