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STORY

2023.09.02

ジャズ・ピアニスト/作曲家の桑原あいさん


++ Introduction ++

ジャズ・ピアニスト/作曲家の桑原あいさんが
作曲を手がけたソングサイクル・ミュージカル
『雨が止まない世界なら』。

こちらは構成・作詞を担当した俳優の西川大貴さんが、
コロナ禍により演劇界が止まってしまった時に「何かしない」と考え
世界中の人が同じ状況になっているこのコロナ禍を
“雨が降り続いてる世界” に置き換え、
それぞれの立場で感じてることを歌う
ソングサイクルにしたら面白いんじゃないかと考え作った作品なんだそう。

『作品を作るから作曲をやってくれないかと
西川さんから電話が来まして
音楽界もコロナで止まっていてダウナーな時期だったので
それで書きたいわって言って。
歌詞が送られてきて、それを見ながらいろんな主人公になりきって
曲を描いていくうちに、ちょっとずつ私も元気が出てきて
西川さんが作ろうって言ってくれた作品に
私も元気付けられながら作曲していったみたいな感じ。
この作品自体いろんな育て方があるよねっていう話をしていて
だから今後、西川さんがどういう方向に持っていくのかは
私にもわからないことがいっぱいあります。』

この作品を、多くの方により身近に感じていただきたいと思い、
インストゥルメンタル版と、ピアノ・ボーカル譜が発売されました。
実は桑原さん自身、初めて自分が書いた楽譜が世に出るので
ドキドキしているとお話ししてくださいました。

そんな桑原さんですが
昨年、デビュー10周年を迎えられました。
この10年での心境の変化について伺いました。

『デビューしたての頃は、どうやったら売れるかとか
自分の音楽がなんなのかわからな過ぎて、
あと元々はエレクトーン出身っていうこともあって
ピアノを鳴らすということに対して自信がなく
そんな状況を意地とか見栄とかでカバーしようとして
ピアノに対して「鳴れよ!」みたいな
戦いに出ていくみたいな感じでピアノを演奏していた部分があって。
そうしないといろんな物事に負けそうで。
なので常に力を入れて、力んだ状態で音楽をしてきたり・・・
でもいろんな一流の方に会って。
そういう人たちに会うたびに
心を溶かして、ほぐして頂いて、
今はいかにナチュラルでいられるかっていうのがあって。
結局、音楽とか、音っていうのは人であったり人間性だったりするので。
なので、今はどうやって生きようかなとか、
自分を認めるっていうことなんだと思いますね。
ダメな部分を認めるのももちろんそうですが
今はそれが生きやすいし、すごく楽ですね、呼吸ができる。』



++ Until now ++

4歳ごろからエレクトーンを始めた桑原さん。
なので物心つく前から気づいたら弾いていたそう。
その後、ピアノ1本に絞ったのは中学2年生頃だったそう。

きっかけはエレクトーンのコンクールで
どの曲を演奏するか決める際に
先生にジャズやフュージョンを薦められ
小学4年生の時にLee Ritenourの”Captain Fingers”を演奏。
そして翌年にOscar Petersonが弾く”West side story”を聞いたことから
感銘を受けピアノに進みたいと考えるようになったそう。
それから月日は流れ中学2年生の時に
ずっとやりたかったピアノに、半ば反抗期のような形で移り、
そのころに出会ったピアノの先生は、桑原さんにとっての恩師になったとのこと。
ピアノを始め、まずはクラシックピアノを練習、
先生の勧めもあり
ジャズ・ピアニストとして活躍されていた蟻正行義さんに教わりたいということで
高校は洗足学園高等学校音楽科ジャズピアノ専攻。
ジャズピアノも勉強しつつ、クラシックピアノも練習するという
ひたすら練習を続ける毎日だったそう。

幼い頃から学生時代、そして今へと
音楽を続けられてきた桑原さんの
人生のターニングポイントになった出来事は
2015年にモントルー・ジャズ・フェスティバルのコンペディションに出場した時。
その当時、売れることやがむしゃらにピアノを演奏していた
デビューしたての頃だったこともあり、二枚目のアルバムを作り終えた瞬間から
曲が書けなくなってしまい、自分が作り出す音楽が嫌いになってしまったそう。
そんな時にモントルー・ジャズ・フェスティバルに出場。
モントルー・ジャズ・フェスティバルは、Quincy Jonesが統括。
桑原さんはかねてより、Quincy Jonesの大ファンで、
そんなQuincy Jonesが桑原さんの演奏を聴きに来られたそう。
その時に実際にお会いして、たくさんの愛に溢れた言葉をかけてくれたとのこと。

『めちゃくちゃあたたかい空気で、抱きしめてくれて。
それで「気持ちはどう?」って言われたから
「緊張しているし、実は今スランプで。
弾きたくない気持ちもあるけど、頑張る」みたいなことを言ったんです。
そしたら「アワードとか気にせず、
あなたが一番いいと思える音を出してきなさい。」と言われたんですよ。
それでコンクールなのでオリジナル曲と既成曲を弾かないといけないですけど
今私は何を弾くべきかと考えた時に即興をしようと思って
「モントルー」という曲を弾きますって嘘を言って即興演奏をしたんですよ。
それを聴いてくださったQuincyが
「今の即興だったよね、でもいい音だったし、
あなたに今必要なのはテクニックやリズムとかグルーヴではなくて、
ただ生きていくことだよ」って言われて。
それで、内にあった黒いものが全部パッとなくなったような気がして
Quincyが帰っていくときに、後ろ姿を見ながら
この光景は絶対に忘れないと思ったんですけど
この気持ちを表すにはどうしたらいいのかと思ったときに
ミュージシャンなので曲を書かねば!と思ったんです。
それでスイスから日本に帰る時にメロディーを書いて、曲ができて
それがThe Backって曲なんです。それでスランプを抜けたんです。』

++ Right now ++

プライベートでは愛犬こむぎちゃんに癒され過ごしているそう。
こむぎちゃんは、散歩が大好きで、楽しみにしているそうですが
新しい場所が好きで
ずっと同じような場所を散歩していると飽きてきてしまい
途中で動かなくなってしまうとのこと。
なのでオフの日は遠出して、
アウトレットや海などに連れていっているそうです。

桑原さん自身、島に行くのが好きなんだとか、
今年は沖ノ島に行ったそうです。
桑原さんが思う島の魅力とは・・・

『静かなところですね。自然の音しかしない。
夜は虫の音とか・・・
職業病なのか音が流れると聴いてしまうんですよね。
それがすごく嫌で、
基本的には音楽をやっていない時には
音を聴きたくない人間なので。
なるべく静かにしていたくて。
寝る時も音楽が流れると寝れなくなるので
落語を聴きながら寝たり、逆に違うものを聴いて寝たり・・・
だから芝とか行くとシーンとしてて
頭の中も空っぽになれるんですよね。だから島はすごい好きです。』



++ From now on ++

桑原あいさんの今後のご予定は・・・

桑原あい ピアノソロライヴ@大阪2デイズ
・9月24日(日)豊中市Cafe Corocci 2回公演(13:30/16:30)
・9月25日(月)心斎橋Bar Arde・Un 1回公演(18:30)

そして11月8日(水)ブルーノート東京にて
AI KUWABARA THE PROJECT Making Us Alive Again Tour
が開催されます。
桑原さんの10周年の記念アルバムとしてリリースされた
Liveアルバム「Making Us Alive」からももちろん
桑原あい ザ・プロジェクトの自由度の高い演奏に注目です。

ライブの詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

そして今後の桑原さんの目標は・・・ROUTE66制覇。

『やりたいんです!ずっと夢なんです!
抜けた時のラスベガスを見たい!
国境でこむぎちゃんの写真を撮りたいです(笑)
とにかくROUTE66を走ったという証が人生の中でほしい!』

最後にご自身の活動についての夢を伺いました。

『いっぱいありますが、結局音楽を続けること。
その年にしか出せないことを出したくて
そうなると60歳〜70歳の時にどういうソロピアノを弾けるか、
自分の中で一番いいピアノを弾きたい。
今がピークだと思って生きると息切れしちゃってやめたくなってしまうので
そのくらい長い目で見ながら、だけど今できるベストを考えてやるみたいな。』

ON AIR LIST

  • ON MY WAY / PJ MORTON FEAT.EL DEBARGE
  • LORO / 桑原あい
  • HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING? / FRANK SINATRA
  • ETERNAL LIGHT / FREE NATIONALS

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