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STORY

2023.08.26

お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さん


++ Introduction ++

お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんが
お化け屋敷を作られる際には
まずはお化け屋敷のストーリーやテーマを設定。
そしてお化け屋敷を進みながら
並行して行うミッションも考えられるとのこと。
それらを基に具体的な演出を経路とともに図面に落とし込み、
各方面(美術・施工・仕掛け・造形・衣装・ヘアメイク・音響・照明など)の
専門スタッフと打ち合わせの上デザイン化し、製作〜工事へ。
工事では現場での調整、全体をチェック。
工事完了後、スタッフやキャストにレクチャーや演技指導を行い、
晴れてオープンということで
五味さんはお化け屋敷の1〜10まで作り上げられています。

お化け屋敷のスタート段階のストーリーやテーマを設定は
その場所の歴史や風習、言い伝えなどからヒントを経て
一つの物語を作ることが多いそうです。

『特に地方の場合は地方ならではのお化け屋敷を作りたいと
僕は思っているので。
どうしても文化って東京から地方へ流れていくところがあるので。
そうではなくて、その場所に行かないと楽しめない
エンターテイメントもあってもいいんじゃないかなと思って
なるべく、その場所ならではのものを作りたいと思ってます。』

東京では今、東京ドームシティ アトラクションズの
常設お化け屋敷「怨霊座敷」の
特別演出『呪いの硝子窓』が開催中。

メディアアーティストの志茂浩和氏による、
曇りガラスの向こう側にあたかもそこに人がいるかのように感じられる
映像作品「志茂式ファンタスマゴリー」を使って考え、
テクノロジーと掛け合わせた新しいタイプのお化け屋敷。

『自分の体が怖い空間の中に晒されるっていう部分が本質なんですよね。
この本質的な部分に対してテクノロジーを使うと
さらに幅が広がる、新しい演出ができるということで
「志茂式ファンタスマゴリー」みたいなものを取り入れたり
あるいはチームラボさんと一緒にお化け屋敷をやらせていただいたりとか・・・』

テクノロジーを使い新たなお化け屋敷文化を作り上げた五味さん、
他にも従来は「入り口から出口への一方通行」だったものから
トランシーバーの指示に従い、宿舎内を行き来し、
最終的に何かを見つけないと脱出できないものだったり
謎解きと合体したものなど
現在、さまざまな形態に変化してきているそうです。

『もちろん悲鳴をあげて出てきてもらうのは嬉しいんですけど
やっぱり悲鳴をあげて笑いながら出てきてくれると一番嬉しいです。』



++ Until now ++

子供の頃から怖いものが好きだったという五味さん。
お姉さまが読んでいた少女漫画雑誌の中に
怖い漫画が入っていたそうで、
お姉さまはそのページをテープなどで止めたりして見ないように
工夫されていたそうですが
五味さんは怖い漫画に興味があったため
テープで止まっている場所を目掛けて読んでいたそう。
そして小学校の図書館で、
エドガー・アラン・ポーの『黒猫』『モルグ街の殺人』などを読み、
その面白さに惹かれ、以降、怪奇小説を読むのが好きに。

そういった中で小学5年生の頃には
ご自身で脚本を書き、妖怪やお化けをテーマとした
「おばけやしき」というお芝居をクラスで上演。
小学生の頃から「怖さ×エンターテインメント」をされていた五味さん、
大学卒業後は劇団でお芝居をされていましたが
並行してイベントの運営スタッフなど様々なアルバイトをされていました。
その後、運営スタッフだけではなく、企画、制作の分野へと参加。
ある時に、『ルナパーク』の企画・制作チームに誘われ、
いくつもの企画を提案する中の1つが“大人のためのお化け屋敷”だったそう。
これが五味さんのお化け屋敷の人生のスタートでした。

お化け屋敷の含まれる「怖さ」と「楽しい」という
一見すると正反対に思われる感情を
掛け合わせて「怖いけど楽しい」と思える理由は
どんなところにあるんでしょう・・・

『一つは緊張と緩和という話だと思うんです。
緊張状態が緩和されることによって楽しさが生まれると思うんですよ。
お化け屋敷に入っていくと、どんどんと暗いところを歩いて
角を曲がるとお化けがいるんじゃないかと思う。
でも実際に曲がってみるといない。
ドアの向こう側にいると思って開けてもいない。
しばらくいくとどこかのタイミングでお化けが出るじゃないですか
出たら悲鳴をあげますけど
今まで「出るんじゃないか?」と思っていた対象が出た瞬間ですから
安心できる瞬間。
緊張が高まっていた瞬間にお化けが出て最高潮に達するんだけど
お化けがいなくなった瞬間に安心感に繋がる。これが緊張と緩和。
それが何度も繰り返していくと結局緩和された時の喜びみたいなのが
また味わいたいと思う。
っていうことは緊張が高まっていくことは
期待が高まっていくことにもなっていくんです。
これを繰り返すことで
恐怖の向こう側に喜びがあるということが
楽しさに繋がっていくのが一つだと思っています。』

来ていただくお客様の
怖いだけではないドキドキや好奇心など期待に応えたい。
お化け屋敷という中がどうなっているかわからない
未知な場所だからできる、
ホラーの向こう側楽しさを作り上げていきたいと
五味さんは制作する上で心がけているそう。

++ Right now ++

プライベートではホラー作品を特別見るようにしているとかはないそうで
むしろ別ジャンルのところからインスピレーションを経て
お化け屋敷に繋がっていることが多いそう。

『怖いだけを作りたいわけではないので
世の中にはさまざまな表現があって
もっともっと面白い部分がいっぱいあるから
そういったものの方に興味は強いですね。
自分の表現としてはお化け屋敷ですが。』



++ From now on ++

夏も終盤に差し掛かっていますが
まだまだ五味さんのお化け屋敷は楽しめます。
東京ドームシティ アトラクションズ『呪いの硝子窓』は10月31日まで開催。
法多山尊永寺でトランシーバーで指示を受けながら進む
『呪われた僧侶宿舎』10月9日まで開催。
土日祝日のみの場合もあるようなので
情報はホームページからご確認ください。

そして五味さんが今後取り組みたいテーマは
四谷怪談などの日本の恐怖の源泉となったもの。

『当時の家屋や調度品、明かりとか・・・
そういった中でお岩さんはどういう風に見えたのかっていうところを
きっちり見せたりすると非常に面白いんじゃないかな
と思ったりはします。
歴史的な部分を体感できる部分でも
面白いものになるんじゃないかなと思いますから
実現できたら面白いですよね!』

五味さんがお化け屋敷を通して伝えていきたいこととは・・・

『未知なものって危険が伴うわけですよね。
だから恐怖とか不安を感じるわけですけど
でも未知なもののドアを開けないと
そこの先にあるものって手に入れられない。
その先にワクワクするような面白いものが眠っているかもしれない。
そういう好奇心みたいなものがあるから
人類は進化してきている。
そういったものをお化け屋敷を通して感じ取ってもらえれば
あるいはそういう感覚を取り戻してもらえれば
嬉しいかなと思っています。』

ON AIR LIST

  • I LIKE YOU(A HAPPIER SONG) / POST MALONE/DOJA CAT
  • DARK NECESSITIES / RED HOT CHILI PEPPERS
  • THE WEIGHT / BAND
  • BACK TO YOU / SELENA GOMEZ

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