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STORY

2023.08.12

ダンサーのアオイヤマダさん


++ Introduction ++

第76回カンヌ国際映画祭に
ヴィム・ヴェンダース監督作品『PERFECT DAYS』の出演者として、
レッドカーペットや上映会に参加されたアオイヤマダさん。
この作品は東京・渋谷の
公共トイレの清掃員である男性の日々を描いた長編映画となっています。
アオイヤマダさんはこの作品について
「日本のつま先を照らしてくれた作品」とお話ししてくださいました。

『つま先って体の中で重要な役割をしていると思っていて
指の一本一本って1センチあるかないかで、だけど、それが体重を支えている。
だから日本を支えている細やかな部分っていうのに
光が当たっている作品なのかなと思います。
撮影中も車のシーンで待ち時間に、
私はシートベルトに顎を乗せるのが癖なんですね。
それをヴィムさんは見ていて「そのままでいこう」って言ってくれて。
だから一人一人の小さな癖だったり、
その人の良さを瞬時にキャッチするのが得意な人で、
だからこそ、こういった作品ができたのかなと思いました。』

昨年末〜今年にかけてドラマ『First Love 初恋』も話題になりました。
ヤマダさんにとって、ダンスとは違う“演じる”ことの面白さとは・・・

『最初に脚本を見たときに、言葉とかセリフが文字として目に入ってくる。
でも、それを覚えて実際に撮影に入ると、
全然思ってもよらない他の俳優さんからのセリフの言われ方とか
「そういうテンションで言うんだ!」とか
「じゃあ私はこう答えよう」とか
色のない言葉っていうのに演者さんの色が加わって飛んでくる。
だから私も打ち返すっていうのが面白いなって思いましたね。』

俳優・ダンサー・モデルなど、
様々なフィールドで活躍されていらっしゃいますが
ご自身が“表現”する上で、大切にしていることは“日常”。

『この質問に対して考えながらズッキーニを焼いていたんですよ。
その後、「そろそろぬかを混ぜないといけないな」と思って混ぜたんですけど
やっぱりそういうことなのかなって。
食べるものとかは結構気にしていて、考える時間っていうのは
やはり料理している時間にとても考えているなって。
だから日常が私にとっては大事かなって思います。』



++ Until now ++

「そんなつもりで伝えたんじゃないけど、なぜかそう伝わってしまった」
という幼少期のトラウマから人見知りになったというヤマダさん。
そんな時にダンスの教室に誘われて、行った際
「なんて優しいものなんだ」と感じたそう。
そこからダンスの道へのめり込むようにして進まれたそう。

『ダンスって自分が感じたものを真っ直ぐにやれば
真っ直ぐに現れるんですよ。
私にとっては一番あっているなって思いって始めました。』

ダンスをずっと続け、高校進学と同時に上京、
17歳の頃に今のマネージャーさんと出会われたとのこと。
それまではスタジオで練習するダンスをされていましたが
マネージャーさんにダムタイプ、山口小夜子さん、寺山修司さんなどから
“表現”というものを教えていただいたとのこと。

『その時に、めちゃくちゃ悔しかったですね。
あと「こんなものがあったのか!でも私はこっちの方があっている気がする。」
と思って“表現”の世界に考えてシフトチェンジしていきました。
その時にダンスの上手い、下手っていうのでコンプレックスを抱いていたものが
そうではなくて、何を表現するかとか、どういうものを伝えていくか
っていう風にシフトチェンジした時に恥ずかしさとか悩みっていうものが
一回なくなりました。』

小学生の時から、ファッションが好きで
お母様にお願いしてファッション誌「VOGUE」を買ってもらっていたとか
そういうところからダンス×ファッションを取り入れた
表現が一番、ヤマダさんの中でフィットしていったそうです。

ダンサーとして東京2020オリンピックの閉会式で、追悼の舞を披露されました。
この「追悼」というテーマを表現する際に
「亡くなられた方よりも、今生きている人の方が追悼を必要としているのではないか」
「追悼という意識は生きているからこそ、生まれるもの」とか
最初は考えすぎてしまっていたそう。

『私は言葉を超越するために踊っているからここで悩む必要はない。
ただ今生きている魂だったり、これから芽生えていく新芽、
生きている力というものを、そこで見せる必要があるのではないか。
それを伝えるために踊ったんですけど
それが正解かはわからないですよね。
いろんなお言葉をいただきましたけど、
私はすごく良い経験させていただいたなと思っています。
いろんな人が見ているし、追悼って幅広いワードなので
自分の表現の仕方というのが、そこで少し変わったというか
よく見られたいとか、誰に向けたいというものだけではなく
心からそれを表現したいという
感情から生まれるのが大事だなという風に思いました。』

++ Right now ++

先日のオフの日はデイヴィッド・ホックニー展に行き、
その後、南インドカレーを食べ、銭湯に入る、
充実した時間を過ごされたとのこと。
銭湯や、美術館、映画、読書などして休日を過ごすのが好きとのこと
他にも手紙を書いたりして過ごすこともあるそう。

『文通友達がいて、80歳くらいの飲食店を経営している
おじいちゃんおばあちゃんなんですけども、
直接お会いして、ただ携帯電話を持っていなかったので
お礼として手紙を書いて送ったところから
ずっと何十通続いていますね。
最初は達筆すぎてなんて書いてあるかわからなかったんですよ。
これが段々と読めてきて、その時にグッとくるというか。
あと手紙って書くのに時間がかかるんですよ。
読んでいるうちに私にこのことを伝えるために時間を使ってくれたんだと
時間がそこに込められているというのが好きなところです。』

文通をされるヤマダさんは普段からオフの日に行った
美術館や宿や場所に、お礼のお手紙を書かれているそう。



++ From now on ++

今年はヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』も控えていますが
10月には、出演映画『唄う六人の女』が公開されます。
この『唄う六人の女』では竹野内豊さんと山田孝之さんとご共演。

『竹野内豊さんは私が現場の待ち時間に流していた音楽などに興味を持ってくれて、
そこからダムタイプの話になったり、 おすすめの映画を教えてもらったり、
舞台も見にきてくださったりして、情報を交換させていただいて。
山田孝之さんは演技が圧巻で山田さんなり考えが強くあって
それを目の前でされているので、動揺というか、すごい!ってなる。
公開を楽しみにしていてください。』

これまでも様々なフィールドで活躍されていますが、
今後、チャレンジしてみたいこととは・・・

『いろんな監督さんの作品に関わらせていただいてから
この現場を間近で見られる環境ってすごくありがたいなって。
でもその先に自分も今度は監督として
何かを作れたら楽しいし、もっと広がるのかなと思って
監督をやってみたいなという思いは漠然とありまして。』

料理も普段からされるヤマダさんは
野菜作りにも興味があるそうで、栽培もやってみたいなとか
ダンサーとしては海外でパフォーマンスをしてみたいなど
たくさんの夢を考えているそうです。

ON AIR LIST

  • OVERDRIVE / POST MALONE
  • DOUHA(MALI MALI) / DISCLOSURE/FATOUMATA DIAWARA
  • PERFECT DAY / LOU REED
  • CHEAP THRILLS / SIA FEAT.SEAN PAUL

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