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STORY

2023.07.08

天文学者の渡部潤一さん


++ Introduction ++

最近は30度を超える暑い日が続き、まさに夏。
昨日は七夕を迎えましたが、
この夏の時期の星座は晴れて月明かりがなければ、
夏の天の川が見え、それをまたぐように夏の大三角の
こと座のベガ(織姫星)、
わし座のアルタイル(彦星)、
はくちょう座のデネブの三つが輝くと
今回のゲスト、天文学者の渡部潤一さんはお話ししてくださいました。

見るべき方向や高さを知っていれば
夏の大三角も東京でも見ることができるとのこと。

そんな天文学の世界ですが、時代によってトレンドもあるそうで
今のトレンドは第2の地球探し。

『太陽系の惑星の中でも地面があって大気があって
温度が適切で、水が液体になれるっていうのは
地球だけなんですよ。表面では。
だけど今、惑星が7000個以上見つかっていて
その星の周りの2割〜3割くらいは地球型で
地面を持っていて大気があるところまでわかっています。
あとは星からの距離が適切かどうかと、
水がありそうな星で、生命が発生しているかというのを
探しているんですね。』

今、その中でも第2の地球として
50〜100個ほど候補が見つかっているそう。
天文学者の中では、この地球上で起こっていることは条件さえ揃えば
どこの星でも起こりうると考えているそうで
そういった中で地球以外にも生命は存在している可能性は高いと
お話ししてくださいました。



++ Until now ++

小さい頃から理科が好きだったという渡部さんは
虫取りや、石集め、工作などされていたそう、
そしてその頃はアポロ11号が月に着陸したということもあり
世の中的にも宇宙への関心が向いていたとか。
渡部さんも宇宙へ興味があり
1972年にジャコビニ流星群が見られるというニュースを知り
渡部さんを含む理科少年たちで学校の先生にお願いし、
友達みんなで校庭で見ることに。
ですが、実際は一つも見れなかったそう。

『この空振りが逆に、
わかっていないことがあるっていうことを体験としてわかった。
つまり知のフロンティアっていうのがあるのだということを実感したんです。
それで流れ星の数なんてものは
実は小学生でも外に出て、30分数えていれば
多いか少ないかがわかるんですよ、
だから自分でもフロンティアに立てるんだと思ったんですよ。
それから毎晩、流れ星を数えるようになって
天文学面白いなと思い、夢中になりました。』

天文学者でもわからないことがあると実感した渡部さん。
時代が流れ、天文学の研究も進みますが、
実はまだ予想できないこともあるそうで、
1994年シューメーカーレビー彗星の木星衝突現象の時には
人類が見た最初の大規模天体衝突だったこともあり
天文学者も含め誰も衝突したら
どういった観測になるのか予想をできた人がいなったそう、
さらに2013年に間違いなく人の目でも観測できると
世界中の彗星の研究者が予想したアイソン彗星も
地球に接近する前に消滅し、
地球で観測できなかったということもありました。
ですが、このような予想外なことがあるのが天文学の面白さだと
渡部さんはお話ししてくださいました。

++ Right now ++

プライベートで熱中していることは温泉巡り。
温泉地はもともと街から少し離れたところにあることが多いため
空も綺麗に見えるので星が見えやすいとのこと。

中でも印象的だった温泉は標高1000メートル以上の山にある
信州の高峰温泉。

『もちろんいい温泉だったんですけど
そこはお客さまに星空の観察会をしてくれるんですよ。
そういうところ行って望遠鏡で見せてもらって
本当に綺麗でしたね。』

温泉好きという渡部さん、
行かれる際は温泉の泉質も注目しているそう。
中でもお気に入りの温泉は福島県の玉子湯。
こちらは玉子の匂いがするような酸性の強い温泉なんだとか。



++ From now on ++

今年、10月29日(日)明け方4時頃に部分月食がありますが
欠け方は13%程度。
全国的に見られるとのことですので日曜日の明け方にぜひ。
また、今年の後半は大きな天体ショーはあまりないそうですが
来年10月頃に肉眼で尾を弾いた姿の明るい彗星
「紫金山・アトラス彗星」が見られるとのこと。
ぜひ来年の10月をお楽しみに。

今年は「親子で楽しむ星空の教科書」という著書も出版。
星空をみなさんに見てもらいたいという渡部さんの思いから
どんな星がいつ見られるのかはもちろん、
いろんな星空の現象や、なぜ都会では星空が見えないのか
見るためにはどうするのかなどが書かれています。
中でも一番のポイントとしては
天体写真家 kagayaさんが撮影した星空の写真たち。
綺麗な星たちがこの本で見られるとのことですので
ぜひ親子でチェックしてみてください。
この本をきっかけに実際の天体観測をして見てください。

『やっぱり見るというのは五感を総動員させて見ていますので
その時の雰囲気とか風の匂いとか
総合的に記憶するはずなんですよ。』

最近は天の川を見たことがない子供たちがほどんどで
地方都市も文明の進化により
夜でも明るくなってきているので見えにくくなってきているとのこと。
ですが、ぜひ本物の星座を体験させてあげたいとお話ししてくださいました。

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