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STORY

2023.06.10

雅楽師の東儀秀樹さん


++ Introduction ++

世界最古の音楽芸術「雅楽」
1400年前ほど前に仏教の音楽として日本に伝来。
その後、神社にも使われるようになり
日本の古典音楽として多くの人に親しまれてきました。
今回のゲスト、雅楽師の東儀秀樹さんは
雅楽と現代音楽を融合させた音楽で多くの反響を呼びました。

雅楽の楽器は天の光が音になった「笙(しょう)」や
地上や人の声と言われる
18センチの竹の筒でできた縦笛「篳篥(ひちりき)」。
この二つの楽器は西洋の楽器のルーツとも言われており
「笙」から研究を重ねパイプオルガンやアコーディオンに変化していき、
「篳篥」はオーボエやクラリネットに変化していったそうです。
中国大陸から1400年前に日本に伝わったとされている雅楽ですが
その後、どんどんと雅楽の文化がなくなっていき
今、形も変わらず残っているのは日本のみだとか。

『日本人が雅楽を継承しているっていうのは
日本の音楽文化を継承しているっていうだけじゃなくて
世界中の楽器のルーツを継承しているっていうことになると。
これ以上、無くしてはいけない、ものすごく価値のあるものを
日本が持っているっていうことになるんですよね。
音楽って耳でメロディを楽しんだり、
サビがいいねっていう言い方するじゃないですか。
でも古典の雅楽を聴いていると、
サビとかAメロとかっていう雰囲気がなくて
どの曲も似ているけれど、でも違いがあってという、
混沌としたものだけど。
それで僕が気がついたんだけど
これは頭でメロディを判断して味わうものではなくて
細胞が音の集合体に振動させられて体が勝手に聴いて
浄化されていく音楽を昔の人が作ることができていたんだ
と思うと昔の人ってすごいなと思いますね。』

今年3月には、 “雅楽”を東儀さん独自のアプローチで
表現したアルバム 『NEO TOGISM』をリリース。
それまで毎年1枚アルバムを制作されていましたが
コロナ禍で3年間ストップしていたそう。
しかしその3年間はテーマを考えず、思いついた時に
好きなものを好きなタイミングで制作されていたとか。
そういった中で70年代のプログレッシブロックと雅楽の融合した
今作が出来上がったとのこと。

『僕のアルバムってデビューから何かの融合がほとんどなんだけども
でもどこかで「篳篥」の音程が揺らいで変わっていくのって
70年代に流行ったプログレッシブロックのPINK FLOYDとか
そういうのにかなり影響されている部分は出てきていると思いますね。』



++ Until now ++

幼稚園の時にビートルズにハマったという東儀さん、
お父様のお仕事の都合でタイのバンコクに住まれていたそう。
インターナショナルな幼稚園にいたこともあり
友達もアメリカやイギリスの子が多く、
幼稚園の友達の間でビートルズの話になって盛り上がっていたとか。

お父様はクラシックのベートーヴェンが好きで
ご自宅ではレコードをかけていたいたり、
お母様は映画音楽やミュージカルなどが好きで
童謡も歌って聴かせてくれていたりと
いろんな音楽が周りに溢れている環境で育っていたとのこと。
小学校の時には東儀家が雅楽を背負ってきているというお話や
お祖父様が雅楽の演奏家だったこともあり
どういう楽器でどういった演奏なのかは知っていたそうですが
だからと言って将来的に雅楽師になれともご両親から言われてなかったそう。
どちらかというとスポーツも得意だったこともありスポーツ選手や
絵が好きだったから漫画家にもなりたいと思っていたとか。
そんな小学生時代を過ごしていた東儀さんですが
音楽の才能は当時から。
一回曲を聴いてメロディを把握したら、ピアノもしたことないなかで
譜面も見ずに伴奏をつけながら全部弾けていたそう。
しかし将来は音楽家になろうとも思っていなかったとか。

中学生の時にはロックにハマり
高校生の時には本格的にバンドをやり始めたそう。
将来はバンドを生業として生きていきたいと考え
ご両親に報告したところ、
せっかく東儀家は雅楽に精通しているのだから
音楽として雅楽も選択肢として目を向けてみてたら?
という提案を受けたそう。

『海外に住んでいたからか、自分が日本人であるっていうことが
海外にいると浮き彫りになるじゃないですか。
近くの人が日本のことを誤解していると正したくなっていったし、
そういうのがあったから日本人が日本の文化を背負えるっていうのは
すごい価値のあることじゃないかなと思って。
だけど雅楽をやるからといって好きなロックをやめる必要もないし
だったらできる範囲で全部やっちゃえばいいと思って
向いているかどうかわからない雅楽を否定するのもおかしいから
やってみてダメで、やっぱり俺はロックだぜっていったらロックなんだろうし
とにかく全部やってみようってなったら
普通に従順に雅楽をやってましたね。
それが高校卒業してからだからめちゃくちゃ遅いんですよ。』

++ Right now ++

オンエア日である、6月10日は時の記念日。
時計愛好家としても知られる東儀さん、
100本ほど時計をお持ちなんだとか。
時計を好きになったきっかけは中学生の時に
入学のお祝いとしてお父様から
機械式の時計をプレゼントしてもらったことから。
「腕につけて動いていればゼンマイを巻いてくれる時計」
という風に説明を受けて、すごい機械があるんだと感動したそう。

『電池は寿命があって気がついたら止まっているというのはあるけど
機械式はちゃんと向き合っていれば
絶え間なく一生時間を教えてくれる。
人が何か施した見返りに時間を教えてくれるっていう関係が永遠じゃないですか。
それにハマったのが中学生の時でね。』

社会人になった頃には
時計雑誌や人の話などで時計の情報を入れながら
改めて機械式時計の魅力を感じ
やっとの思いでムーンフェイズ付きの機械式時計を購入されたそう。
そんな時計との思い出がある東儀さんが思う
時計の魅力とは・・・

『世の中には1秒という決まったテンポがあって
それが60個集まると1分になって
それがまた60個集まると1時間になって・・・
結局、太陽があって、地球があって、地球の自転とか
宇宙の法則を数で割っていって、
この1秒が生まれたんだなというのを考えると
この腕の中についている小さな箱に
人の手でいろんな種類の歯車を考案して
宇宙を腕の中に収めて歩いていると思ったら
めちゃくちゃロマンを感じて。』



++ From now on ++

来月もコンサートが決定しています
『TOKYO SUPER WIND ORCHESTRA begins to the entire World. 〜始動〜』
7?13?:東京・?京シビックホール ?ホールにて
東京スーパーウインドオーケストラの
オープニングコンサートに東儀さんがゲスト出演。
アニメの曲を中心に演奏。
吹奏楽の中で雅楽の「笙」と「篳篥」が鳴り響くレアなコンサートに。

そして、名曲シネマ音楽を中心に人気ソリストが演奏する
『宝くじ文化公演 スクリーンミュージックコンサート』 が
7月29日:新潟・新発田市民文化会館 大ホール
7月30日:新潟・上越文化会館 大ホール にて行われます。

こちらもぜひチェックしてみてください。

最後に東儀さんが今後の活動の中で大事にしていきたいことを
話してくださいました。

『音楽を奏でることが中心になるかもしれないけれども
結局音楽だけではなくて
生きるというオーバーなことを言うと
時間って巻き戻すことができないから本当に瞬間を大事に
いつでも人と喋る時も嘘のないように心を込めるというのを
誰もがやれるようになったらすごく簡単に
世の中よくなるのにな、と思いますね。
後悔しないで、通り過ぎてしまったことは本当にしょうがないんだから
その時点で最短距離・最短時間で
良いところはどっちに向かったら楽しいだろうと目を向けようとすること。
ぜひ前向きにみんな行ったらいいなと思います。』

ON AIR LIST

  • NEW GURU / VULFPECK
  • MEMORIES OF FUTURE / 東儀秀樹
  • LOVE FROM RADIO / 東儀典親
  • TIME AFTER TIME / EVERYTHING BUT THE GIRL

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