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STORY

2023.02.25

トランスジェンダー活動家の杉山文野さん

++ Introduction ++

LGBTQやセクシュアル・マイノリティであるということは、
普段生活していると、なかなか目につきにくい。
そのため「いない人たち」だと認識されやすいとのこと。
トランスジェンダー活動家の杉山文野さんは
そんなLGBTQやセクシュアル・マイノリティの存在を
より世の中の人に認知、
さらにそういったセクシュアル・マイノリティの方々も
共に暮らしやすい社会を作るべく
イベント企画から、研修や講演会を行い
様々な課題に向き合っています。

『いろんなことをやっていますねと言われるんですが
飲食店をやっていても、ゴミ拾いの活動をしていても
LGBTQのイベントをやっていても
全部同じテンションで、一律で場所作り屋さんという感覚なんですね。
なぜ場所を作りたいかというと
いろんな人たちが出会うことによって生まれるエネルギーとか
それによってエンパワーメントされるというか
そういったことって大事だし、
何よりも僕自身がいろんな人たちとの出会いで
今があるなと思っているので、今度はそういった場所を
自分が作る側になれたらいいなという思いでやっているという感じですね。』

さまざまな人たちが普段出会うきっかけがない
多様な性別や個性の方たちと交流できるような場を作りたいという思いから
日々、活動を行う杉山さん。
LGBTQをはじめとする
セクシュアル・マイノリティの存在を社会に広めるイベント
「東京レインボープライド」のプライドパレードの運営もされています。

当事者としてトランスジェンダーの様々な課題に向き合っている杉山さん
セクシュアル・マイノリティの方々も過ごしやすい日本にするべく
法整備にも取り組んでいます。
中でも婚姻の平等の実現、
差別禁止法を作る、性同一性障害特例法の緩和。
この3つを変えていきたいと思いで日々活動をされています。

『なんで我々が同性婚にこだわるかというと
すべての国民は皆平等にと言いながら
結婚できる人と、できない人がいるわけですよね。
これは裏を返してみると
「すべての国民にLGBTQの人は含んでいないんですよ。」
という裏メッセージになってしまうと。
だから、もしなんか嫌なことがあっても
例えばイジメや自殺率が高いとなっても我慢しなさい
というイメージなってしまう。
それが根強い差別と偏見に繋がっているというところがあるので
婚姻の話をしているというよりも、人の尊厳として
クリアしないといけない課題かなというふうに思います。』



++ Until now ++

スポーツなどをされていて活発なボーイッシュな女の子と
周りから思われていたそうですが
生まれた時からトランスジェンダーだったという杉山さん
幼稚園の時には、スカートを履くのを嫌がって逃げていたそう。
小さい頃から体に対する違和感はあったものの
幼心に人には言ってはいけないことだと思い
誰にも言えずに幼少期を過ごしていたとか。

スポーツも最初は水泳をされていましたが
成長し、体にも変化が現れてきて
女性用の水着を着るのがどうしても嫌でやめてしまったそう。
実際にLGBTQの当事者が学生時代に
嫌な思いをしたトップ3は全てスポーツにまつわるものだったそうで
データとしてもスポーツで悩む方は多いとのこと。
その後も服装から様々なスポーツを諦めていた杉山さんでしたが
唯一、服装で男女でユニフォームに差がなく
そして一対一の駆け引きの楽しさに魅了されフェンシングを始めます。
しかしフェンシングを始めてからも悩みは続きました。

『僕自身も、フェンシングの選手時代はカミングアウトもできなかったし
僕と思っているのに女子の部で出ているという違和感もあったし
体の変化も出てきて、自分の居場所はここにはないなと・・・
男性らしくありたいと思うと競技を続けるっていう選択肢もなく
競技を続けたいと思うと、自分らしくあれなかった。
なので自分らしく競技するっていう、両立がないと思っていたので
最終的には誰にも言えずに逃げるようにフェンシング界を
引退してしまった。』

心理的安全性という言葉があり
不安を感じることなく言動ができる状態は
パフォーマンスを発揮しやすい・生産性が上がる
といったデータが出ているそうです。
杉山さん自身、当時を振り返ってみると
カミングアウトできずに不安を抱えながら競技をしていた時は
100%の実力を発揮できていなかったとお話ししてくださいました。
杉山さんによると
現在、人口の5〜8%くらいのLGBTQの方がいると言われており
その中でもカミングアウト率は1割くらいなんだとか。
それだけ不安を抱え過ごしている人がおり
十分の能力が発揮できていない人もいるそう。
そのため様々な人たちが安心感のある社会することで、
力を発揮しやすい世の中になるのではないかと杉山さんは
考えているそう。

そういった社会にするために
まずは周りの人たちがカミングアウトされることに
ウェルカムだという姿勢になっていくのが大切。
あえて声に出しLGBTQに対して関心がある発言することで
当事者の方々に安心感を与えるきっかけになるのではと
お話ししてくださいました。

++ Right now ++

プライベートではパートナーとの間に2人のお子さんをもうけ、
遺伝子上の父親である友人とともに子育てを行う、
新しいスタイルのファミリースタイルを築いている杉山さん。
子供たちと遊んでいる時が一番のリラックスタイムなんだとか。

東京で生まれ育った杉山さん、
現在、拠点を長野県に移し生活をされています。

『石と棒と葉っぱがあるだけで
これだけ子供たちは遊べるんだって感じで。
最近は雪も降ったりしているので雪遊びで
雪投げあうでも、そり遊びするでも、
それだけでも時間が過ぎていって楽しいですね。』



++ From now on ++

2023年4月22日(土)4月23日(日)
2日間にわたり代々木公園で開催予定されている
東京レインボープライド2023。
今年のテーマは「変わるまで、続ける」
昨年で10周年を迎えた東京レインボープライド、
これまでを振り返り大きく変わってきたこともありますが
まだ解決できていない課題も多い。
その問題が変わるまで続けるという
強い意志からつけられたテーマなんだとか。
2日間にわたり様々なゲストの方をお迎えして、
パフォーマンスやイベントを企画されているそう
23日にはプライドパレードも実施予定なので
ぜひチェックしてみてください。

日本フェンシング協会、日本オリンピック委員会の
理事を務めている杉山さん。
今後の目標としては
スポーツ界における多様性の推進、心理的安全性の向上、
ハラスメントなど様々な問題を解決していき
誰もが安心してスポーツに関われる社会にしていきたいとのこと。
子育てをする親としても
子供たちが元気に楽しく過ごせる社会づくりも
大人の責任としてやっていきたいとお話ししてくださいました。

最後に多様な人たちが生活しやすい社会にするために
我々に何ができるのか伺いました。

『何か常にワンアクションにつなげてほしいなと。
こういう話を聞いた時に
「いい話聞いたね」だけじゃなくて
「じゃあ何ができるかな」っていうのを
一つでも、小さくても良いからしていただくのが大きな一歩。
小さいことに見えても大きなアクションに繋がると思うので。』

リツートや、友達に会った時に話してみるなど
そして東京レインボープライド2023も
勉強という気持ちではなく、楽しんで参加してみて
知っていくというのも小さなアクションに繋がると
お話ししてくださいました。

ON AIR LIST

  • TRUSTFALL / PINK
  • GOOD AS HELL / LIZZO FEAT.ARIANA GRANDE
  • CHOSEN FAMILY / RINA SAWAYAMA
  • MY CHERIE AMOUR / STEVIE WONDER

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