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STORY

2023.02.18

株式会社アールティの代表取締役、中川友紀子さん

++ Introduction ++

「ロボットのいるくらし」の実現を目指しプロジェクトを手がけている
株式会社アールティの代表取締役 中川友紀子さん。

プロジェクトとしては大きく二つの事業を展開されており
1つは未来のロボットエンジニアの育成。
そして2つ目は工場やオフィスなどの現場で
人と一緒に働くロボットを作る事業。

『私たちがロボットというと
AIが体を持った時に動くものっていうイメージなので
例えば建物全体がロボットだったりとか
車も今、ロボット化されてきていますよね。
なのでロボットの形をしていなくてもAIと一緒になって動くような感じで
人間が便利に使えるとか
人間と一緒に上手く協力しながら作るみたいなところが
できればいいなと思っています。』

人と一緒に働くロボットとして
アールティが開発・提供したのが「Foodly」。
食品工場でのお弁当の盛り付け工程を手伝うロボットとなっており
この「Foodly」は別名「唐揚げロボット」とも呼ばれているそう。

『開発した当時、人工知能で唐揚げみたいな
二つとして同じ形のものがないものを
「唐揚げ」として見分ける技術がなかったんですね。
どういう風にコンピューターから見えていたかというと
唐揚げが山盛りになっているところは
全部一つの山の茶色の物体みたいに見えていたんですよ。
その中から、唐揚げの境目はどこかというのを
見分ける技術を作って、境目が分かれば
そこに手を合わせて持っていくと掴めるよねというところまで。
そこを作るのが結構大変でした。』

中川さんは携帯電話の予測変換の研究に力を入れていたそうで
そのころは携帯電話もそれほど発達されておらず
さらにパソコンでも漢字カナ変換も難しい技術とされていたとか。

『あの当時の人はすごいAIだと思うんですけども
今の人が見たら普通じゃんと思いますよね。
なので本当に優れたAIはスルリと隣にいるので
それがAIだと気付かせないのが、
一番良いAIだと言われているんですね。』



++ Until now ++

小さい頃からSF小説やSF漫画などが大好きで
時に好きだったのがサイボーグ009。
テクノロジーの道に進むきっかけとなったのも、
サイボーグ009の登場人物「ギルモア博士」の影響が強かったとのこと。

その後、大学1年生の頃にサークル活動で
迷路を解くロボット競技「マイクロマウス」に出会ったことをきっかけに
よりAIやロボットに関心を持つようになったそうです。

『当時はスイッチを押しただけで
迷路をチャチャチャチャと解いていくロボットとか見たことなくて
めちゃくちゃすごいと思いましたね。
マイクロマウスって世界で一番歴史のあるロボットの競技会なんですね。
それがどういうきっかけで始まったかというと
AIとマイコンの実世界応用ということで
リアルな世界にロボットが来たら、
そういう風にAIは振る舞うんだろうか?みたいなところが始まりなんですよ。
なのでマイコンが小さくなり、AIがどんどん毎年進化しみたいなところなので
制御の技術もそうだし、モーターも材料が良くなって小さくなって
電池も小さくなって、みんなちょっとずつ進歩しているので
毎年毎年、進化している面白い競技会ですね。』

その当時、サークルでは競技会に参加するレベルの
マイクロマウスは作れなかったものの
その後も趣味として続け、
今ではマイクロマウスの大会の理事を務めていらっしゃいます。

進化を重ねるAI技術ですが
まだ今の技術力ではアニメや映画のように
すごく動くロボットを作るのは難しいようです。
一般の方が想像するロボットと今の技術でできる動きに
ギャップが生まれているため、どうすごいのか説明するのが大変だと
中川さんはお話ししてくださいました。

『みなさん何気なく歩いているじゃないですか。
でもロボットで作ろうとすると
「足を肩幅に開いてください」とか
「腰をちょっと落として体重を右に傾けます」とか
説明を一つ一つしていくと、すごい大変なんだと思ってくれるので。
Foodlyというロボットも、現場でみなさんがお弁当を詰めているのを見て
一つ一つ動きを分解して
「この動きはできるな」「これは難しそうだな」とか
見ながらプログラムしていたりしますね。
なのでロボットを作っていると
人間ってすごいなとか、動物ってすごいなと思う瞬間がたくさんあります。』

++ Right now ++

現在、中川さんがプライベートでハマっていることはミニチュア集め。
カプセルトイから本格的な模型などまで集めているそう。

『日常生活っぽいものが割と好きで
季節の料理のミニチュアとか。
ロボットのミニチュアとかもいっぱいあって
社内にメカのチームがいるので、彼らがモデリングして
3Dプリンターでミニチュアの小さいのを作ってくれたりするので
そういうのでジオラマを作ったりしますね。(笑)』

先日、GUNDAM FACTORY YOKOHAMAに行かれて
ガンダムのミニチュアを購入したそう。

GUNDAM FACTORY YOKOHAMAに置かれている
「動くガンダム」ですが
中川さんはこのガンダムについて
現代技術できる最高峰のものだとお話ししてくださいました。
別のお仕事で巨大メカはどこなら歩くことができるのか
計算をしたことがあったそう。
その結果、ガンダムクラスの巨大メカが一般道路を歩くと
足が地面にめり込んでしまい、うまく歩くことができないとか。
今ある建造物の中で歩くことができるのは空港くらいで
さらに道路交通法では二足歩行というジャンルがないため
まだまだこれからの技術なんだなと改めて感じたそう。



++ From now on ++

2月18日〜2月19日に
全日本マイクロマウス大会が開催されます。
こちらどなたでも見学ができるとのことですので
ぜひチェックしてみてください。

そして6月は日本食品機械工業会 FOOMAで
食品向けの協働ロボットの展示会が行われます。
動くFoodlyが展示される予定とのことで、
実際に動いているところが見られるそうです。
入場方法などホームページをご確認ください。

さらに11月には国際ロボット展が開催。
世界最大級のロボットの展示会なので
産業ロボットからコミュニケーションロボットなど
さまざまなロボットが見ること出来るそうです。

中川さん自身が、今後挑戦したいことは
人間の発想の助ける、
ジェネラティブAIの研究・開発をやってみたいとのこと。
現在、このジェネラティブAIは
文章で質問すると回答してくれるものだったり
キーワードを入力すると、それに合わせた絵を自動的に作ってくれたり
小説を書くことも可能なんだとか。

ジェネラティブAIのほか、将来的な中川さんの野望として
RoboCupというサッカーをするロボットの大会があり
現在、2050年に人間のFIFAのチャンピオンチームと
対戦できるロボットができることを目指している大会なんだとか。
その2050年の人間VSロボットの試合を
見に行きたいと考えていて、
さらに自社のロボットが出場して欲しいと野望をお話ししてくださいました。

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