STORY
ドレスコーズ 志磨遼平さん

++ Introduction ++
今年10月に最新アルバム「戀愛大全」をリリースされた
ドレスコーズ志磨遼平さん。
今回「恋愛」をテーマに、全10曲が収録されております。
それぞれ曲は短編映画の架空のサントラをイメージ。
10本分の短編映画のオムニバス作品という形を考えていたため
アルバム名もアジア映画のタイトルに寄せて
漢字4文字にし、さらに「恋」を旧漢字の画数が多い方にしたそう。
MVもこれまでだと歌っているところをメインにしていたところを
今回は短編映画のように俳優さんの演技を軸に
歌詞や曲のイメージから映像作家さんがストーリーを作り
楽曲はBGMといった形で作られたとのこと。
今回、テーマを「恋愛」にした理由とは・・・・
『なんとなくぼんやりラブソングが作りたいなと。
明るい元気なものを。
でもなんでそんなものを作りたいのかなと
あんまりよく分かってなかったんですけど。
最近、コロナ禍が続いていますし、
やっぱり考えることってたくさんあるじゃないですか。
そうやって僕ら真面目にここ2〜3年生きているなと。
で、不真面目なことが歌いたいんだろうなと思って、
不真面目なことならなんでも良かったんですよ。
その中で不真面目というか、そんなになくても死にはしないものとか、
どうしても夢中になってしまうこと、
そういうもの象徴として「恋愛」というのがあるんじゃないかと思って。
あとからこじつけたんですけどね(笑)』
++ Until now ++
音楽の原体験は親御さんの影響から
子供の頃にカーステレオで聴いていたビートルズと浅川マキさん。
特に浅川マキさんの曲は興味深く聴いていたそう。
『なんか世の中で流れている音楽に比べて、
声にしても、曲調にしてもずいぶん暗い。
なんかじめっとしたスピリチャルな感じというか。
それが僕はなんだか好きというか、
このレコードを聴くというのが、
誰にも言ってはいけないことをしているような。』
当時、聴いていた浅川マキさんのデビューアルバム
「浅川マキの世界」は演劇などの脚本を手掛ける寺山修司さんも
制作に参加されていました。
小さい頃から寺山さんの影響を受けてきた志磨さん、
バンド名も寺山さんの代表作「毛皮のマリー」からつけたほど。
そんな寺山修司さん原作の音楽劇『海王星』の音楽監督を
志磨さんが昨年、務められました。
寺山さんが生前、手がけた作品ですが、
結局一度も上演されなかったという音楽劇。
『2〜3年前にお話をいただいて
まさかそんな寺山修司作詞、作曲志磨って
そんなことがあっていいのだろうかと思ったものの
他の人にやられるくらいなら自分が。だって毛皮のマリーズですよ?(笑)』
普段、楽曲制作の際はメロディーから先に作る志磨さん、
今回は寺山さんの作詞があり、そこに音楽をつけるという作業でしたが
意外と歌詞が先にあるのはやりやすいと、新たな発見にも繋がったそう。
あとは、大ファンである寺山さんが手がけたということを思うと
プレッシャーになると考えた志磨さんは
ファーストインプレッションを大切にし、作曲していったそうです。
++ Right now ++
普段から音楽を聴くことも好きなため
プライベートとお仕事を
明確に切り離しているわけではないそうですが
作業が終わらせて、眠りにつこうと思っても
頭が休まるには時間がかかるため
次の日、朝早い時には
強制的にシャットダウンするためにお酒を飲んで
寝るようにしているそう。
お酒は特にこだわりはないそうですが
ウイスキーと焼酎があまり合わないので、
それ以外のお酒を飲むとか。
お酒を飲みながら本を読んだり、映画を観たりして
リラックスタイムを過ごされている様子。
++ From now on ++
まもなく開催される
『L’ULTIMO BACIO Anno 22 「12月21日のドレスコーズ」』
毎年の恒例企画が今年も開催。
『今年、自分の活動で色々あったので、
なんとなくそれを総括するようなステージになればいいかなと思っています。』
これからの活動としては
まだ挑戦したことがないことがあれば、チャレンジしてみたいと話す志磨さん。
その活動の中で志磨さんが伝えたいこととは・・・
『今回のアルバムとかも思ったんですけど
みんなが大変だと言っている時に恋愛のことを歌うとか、
「今、そんなことをやっている場合じゃないでしょ」
っていうことに気を取られる。
みんなが一斉にこっちを向いている時に、なぜかそっちを向けない。
なんか僕はそういうものがずっと好きだし、自分がやることにしても
そういうことがやりたいんだなとは思うので
みんなができることができない人っていますので
自分は「いいんじゃないの、それでも。」
というところはあるかもしれません。ずっと。』