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STORY

2022.12.03

株式会社アクセス・オール・エリア代表、/フーディーの浜田岳文さん

++ Introduction ++

美食をめぐる旅、食を軸に人生歩んでいるフーディーの浜田岳文さん。
さまざまなメディアで食について発信されていますが
その中でも現在、Ofiicial YouTube channel「UMAMIHOLIC」では
食のプロたちが分析や解説、
食をより深く理解でき楽しむことに繋がる発信をされています。

料理人さんたちのオリジナリティ、そして受け継いできた伝統。
生産者さんたちのことや、食材についての理解。
レストランという事業を取り巻くさまざまな問題。
この3つを軸として届けていらっしゃいます。

『良いアイディアがあったり、素晴らしい技術を持っているんだけど
世間に知られていない料理人さん、レストランというのがまだまだたくさんあるんですね。
そういうところをピックアップして
より広くいろんな方に知っていただきたいと思っています。』

世界には様々な美味しいお店がある中で、
浜田さんが求める美味しいお店は
技術やクリエイティビティで期待値をはるかに超え感動を与えてくれるお店だと
お話してくださいました。

『市販されている最高級のキャビアを買ってきて
僕が適当に茹でたパスタに乗っけて食べたらまずくはならない。
でも、そこには期待値以上の感動っていうのは
あんまりないんだろうなと。
僕はなんの技術も付加価値もないわけですよね。
だからそういうものを美味しいとしてしまうと
美味しいものは簡単だよねってことになっちゃうわけなんです。
僕が興味あるのはそういうお店ではなくて
例えば、昔、「京味」というお店が東京にあってですね
季節のすごい食材を使ってやっていたんですけども
それは美味しいんですけども
僕が本当にすごいと思ったのは、例えばナスのヘタみたいな
捨てられてしまうかもしれない食材を
美味しく料理に仕立てるということをやっていたんですね。
そうすると元々の期待値はるかに上回る感動を得られると。
それこそ本当の意味で美味しいし、他の人が真似できない
美味しいお店なのかなというふうに思います。』

今、食のトレンドとなっているのがデンマークだと考える浜田さん。
世界のベストレストラン50で2021年、2022年に1位になったお店が
2つともデンマークのお店だったそう。
元々、デンマークという国は厳しい自然環境ということもあり
食としては発展途上だったそう。
ですがそれを一変させたのが2021年に1位に輝いたレストラン。
それにより一軒のレストランが注目を集めることで人の流れが出来、
レストラン・シーン全体が盛り上がり、作り手と食べる側のレベルが上がったことで
今年もデンマークのお店が1位になったのではないかと
浜田さんはお話してくださいました。



++ Until now ++

小さい頃はそれほど食に興味がなかったという浜田さん。
ですが、アメリカ・イェール大学在学中に住まれていた寮のご飯が
美味しくなくて衝撃を受けたことから
生き延びるための外食に切り替え、食べ歩きを始めたとのこと。
食べ歩きを始めた浜田さんは食への興味にハマっていき
食べ歩きの範囲を大学のある街から、次はニューヨークへ。
そして大学を一学期早く卒業し、フランスのパリへと広げていきました。
今では世界各国へ行き食べ歩きをされている浜田さんですが
その中でも一番リピートしている国はイタリアとスペイン。
他の国と比べ、この2つの国は食文化の多様性が素晴らしいとのこと。
特にイタリアは街単位で食文化が変わってくるので
車で30分走ると料理も変わってくるのだそう。

そんなイタリアで浜田さんが一番のお気に入りのお店は「Lido 84」

『値段でいうとコースで100ユーロしなかったり、
比較的安価でやっているんですね。
高級食材を使うというよりは、安い食材をだったりを
技術やアイディアで美味しくしていると。
リドの料理の素晴らしさって
一番難易度が高いことをやっているなと思うんですけども
「コロンブスの卵」みたいな感じなんですよね。
つまり、「なんで今までこの料理がなかったんだろう?」
奇を衒ったものじゃないんですよね。
「これとこれを組み合わせたら、こうなるよね」だけど今までなかった。
そういうのが一番楽しいし、作る側からしたら一番難しいと思うんですよ。
気を衒えば今までなかったものって出来ちゃうじゃないですか。
でもそうではなく、当たり前にある食材を組み合わせて
「え!何でこれがこうなるの?」。
かつ、「何で他の人が今までこれを思い付かなかっただろう」って思わせる。』

++ Right now ++

プライベートで興味あることはサウナ。
訪れること自体が目的となっているお店という意味を指す
デスティネーション・レストランに足を運ぶ機会が多い浜田さん。
このデスティネーション・レストランは
都会にもありますが、主に僻地や田舎にあることがほとんどで
山や湖の近くでロケーションが素晴らしいことが多いそう。
そしてオーベルジュで宿泊ができるところには
サウナがあるところが結構あるとのこと。
浜田さんはこういった場所のサウナが最高だとお話してくださいました。

『その場所でしかない景色を楽しむことができて
サウナを楽しんだ後には、その場所でしか食べることができない料理をいただくという、
この流れが最高に好きですね。』

食を求めて、様々な場所へ足を運んでいますが
目的以外の食べ物は食べないようにしているとのこと。

『空腹だから食べたいという欲求があまりないんですよ。
なので僕が食べるのは好奇心で食べているという感じですね。
耳で音楽を聴いたり、目でビジュアルアートを見たりする感覚で
口で食事というアートを楽しんでいると。』

そのため、例えば行きたいお店が行けなかった時には
食べないと決めているほど徹底されているそう。

『僕にとって食べないことは貯金なんですよ。
次、美味しく食べられる、
かつ体調を維持するための必要なことをやっているから
貯金している感覚になるんですよね。
美味しくないものを食べるのって
そういう意味で散財している、無駄遣いしている気分になるんです。



++ From now on ++

外食文化を守る、
そして発展させることができる活動ができたらと語る浜田さん。

『レストランって食べる人がいないと成立しないんですよね。
音楽とかビジュアルアートって稀に死後評価されることってあるじゃないですか。
けど食ってそれが存在しないんですよ。瞬間芸術なので。
だから尚更、いま評価されることが大事。
素晴らしい技術だったり、クリエイティビティ、
アイディアを持っている料理人さんがいらっしゃるとしたら
そういう方を応援したい。
実際に世界中を旅して思うのは、素晴らしい料理人さんいらっしゃるんですけども
その場所に料理人さんを評価できる人、応援できる人がいないがために
生活のために料理をしないといけなくなっているというのが
世界中に数多くあるんですよね。
なので、そういう方が才能を発揮できる場を作るという意味で
食べ手というのは大事だと思いますし、
食べ手が生産者さんだったり、レストランが抱える色んな問題について
一緒に考えることで、
より食文化を多様なものに豊かにできればいいなと思います。』

そんな浜田さんは、
『世界中にわざわざ訪れる価値のあるレストラン=デスティネーション・レストランができ、
そこでしか食べられない料理を味わえるような、多様性のある世界が夢です。』
とお話してくださいました。

ON AIR LIST

  • ALL OF ME / MICHAEL BUBLE
  • PARIS NIGHTS/NEW YORK MORNINGS / CORINNE BAILEY RAE
  • 灯台 / BIALYSTOCKS
  • COMING AROUND AGAIN / CARLY SIMON

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