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STORY

2022.08.13

「学習学協会」代表理事の本間正人さん

++ Introduction ++

「学習学」を提唱する「学習学協会」代表理事の本間正人さん。
全ての人が学校以外で生まれてから
最後の一瞬までどこでも学ぶ存在が「学習学」。
社会活動の急速な変化の中で一つ一つ学び続けることは
人生を豊かにしていくために必要なことだと本間さんは語る。

『今スマホ一台あったら
いろんなことを学べる社会になったわけですよ。
だから特別なことをしなくても、
YouTubeでもテレビの教養番組でもすごく面白いものがあるし、
新しい知識を学び取ることができる。
あるいは家事、育児、人間関係というものも
人間にとってすごい大切な学びだと思うんですね。
そういうものも自己ベストを更新し続ける、
他者との比較ではなく、
人として成長していくという手応えがあったら
それは最新学習歴を更新していることになると思うんですよ。
今までできなかったこともできるようになるとか
やり方を改善・向上していることは喜びだと。』

「学ぶ」というものを辛い・苦しいことから
新しい世界を発見、自分の可能性を見つける
素敵なことだということを学習学で提唱されています。

失敗に対する恐れが学習を妨げる要因だと考える本間さん、
そこを失敗と呼ばずに「未成功」だと考えるのが大切。
チャレンジを続け、その中でやり方を変えてみたり、工夫をして
質の高い未成功を重ねることが成功への道だと
お話ししてくださいました。

忙しい毎日を送っている方に
その中で学びを取り入れるための「時間の使い方」について
教えていただくと、
『僕のオススメは1週間を168時間で考えようということ。
例えば会社に勤めていてフルタイムの仕事って言うじゃないですか。
でもそれは40時間のことですね。
睡眠時間はショートスリーパー、ロングスリーパーいますが
一日8時間機能しないんですと言う人は
8時間(睡眠時間)×7日間(1週間日数) =56時間。
56時間寝て、40時間仕事すると72時間の可処分時間というのが残るんです。
時間がないという人は、この40時間(労働時間)を重く見ていて
気がついていないんじゃないかなと。ほかにも時間があるということを。』



++ Until now ++

大学時代は国際機関で仕事をしたいと考えていたので
英語を学ぶため、英会話学校へ通われていたそう。
そこで出会った先生が熱心な方だったそうで
先生に追いつくのを目標に日々勉強されていたとか。
その経験は今でも役に立っているとお話ししてくださいました。

そんな本間さんが「学習学」という言葉を思いついたのは1992年のこと。
当時、松下政経塾の研究部門の責任者をされていた本間さん。
本間さんの一年先輩である
当時、杉並区長をされていた山田宏氏から
少子高齢化による学校の空き教室を
高齢者のための施設に充てたいという相談を受けました。
通常、学校の責任者は校長先生であり、
学校で高齢者のための施設を作ることで何かあった時の責任は
校長が負うことになるため、行うのは難しかったそうですが、
そこを校長から「建物管理の責任」を外し、
「教育活動の責任者」に専念させるべきという提言を本間さんはされたそう。
その時の経験から
「学校は先生にとってのホームグラウンドであり、
生徒にとってはアウェイな空間」
教育政策には「学ぶ人の代表」は
一人も関与していないことに気づいたとのこと。

『日本の社会の中で問題があると
小・中・高・大学の教育課程をどうするんだという議論になる。
でもね、問題があるのは大体、大人側ですよ。
大人は「学ばないといけない」という議論にはほとんどならないんですね。
ここがすごく大きな問題で、
社会のほとんどの問題は大人の問題で
大人が学習することによって解決しなければならないものが
圧倒的に多いと思っています。』

現在、夏休みということで遊んでばかりで
自宅で勉強がなかなか進まないというお子さんも多いはず…
そういった親からの相談も本間さんのもとに寄せられているそう。
その時にいつも提案しているのは
一度、子供の土俵に乗るということ。

『「何やっているの?」とか、
まず相手の土俵に乗るっていうことがすごく大事で、
そしたら色々説明してくれると思うので
そこでコミュニケーションのチャンネルが確保されたら
「今度何する?」とか親が設定したいトピックに乗ってきてくれる。
最初に交渉のテーブルにつくための努力が足りないと思うんですね。
結局ゲームやネットにハマるっていうのは、なぜかというと
それ以上面白いものを人生の中で体験したことないから。
それに尽きるわけです。
だからいろんな体験をさせてあげるというのはすごく大事で、
それは特別なところに行かないというわけではなく
その子によって、関心持つのがカブトムシかもしれないし
自動販売機かもしれないし、身の回りに色々あり得ると。
もう一度、幼い時に関心を持っていたことを呼び覚ましてみると
今、ゲームやネットにハマっている子が
「これ好きだったんだ!」ということになったりする。
過去を使ったりするのは親のテクニックとして大事だなと思いますね。』

++ Right now ++

3月に仕事も含め、屋久島に行かれたという本間さん。
これまで行く機会がなく、
ずっと行ってみたかった場所だったとか。

『一番驚いたのは
1970年くらいまで天然の杉の伐採が行われていたっていうのが
すごいショックで。
縄文杉とか残っているのはなぜかというと
根元のところに大きな空洞とかがあって材木として使えない
だから残ったんだということを聞いて
「うわ!ごく最近までそんな状況がこの日本であったんだ!
っていうのが一番ショックでしたね。』

これまで大学の教員をやりながら、
いろんな場所で
地方自治体や企業の管理職研修を行なってきましたが
その土地でしか味わえない食や、景色などがあり
そういったものこそ、デジタル化が進む現代にすごく大切だと
考える本間さん。

『つまり、AIは「これを見つけて」と言えば
ビックデータの中から検索してくるけれども
何も条件を与えなければ作動しないわけです。
でも人間は何も初期条件を設定しなくても
「可愛い」「美味しい」「綺麗」って感動して発見できる。
発見っていうのは何か意味付けることができる
これは人間ならではの力なんですね。
そういうのは様々な体験をする、
本物と触れるということがすごく重要で。
AIやロボットが発展すればするほど、それの大切さっていうのが
どんどん際立っていくなという風に思いますね。』



++ From now on ++

ずっと書けずにいた、学習学の本を
今年の秋の出版に向け、現在、執筆中とのこと。

これまで身体から学ぶことが少なったと話す本間さん。
なので、「上達論」という本を書かれている方条遼雨さんと
NHKで古武術を教えられている林久仁則さんから
現在、古武術の手ほどきを受けているとのこと。

『身体ってこうなっているのねっていう気付きが色々あって
「脱力」の練習とかやったことなかったですから
力を抜くっていうのはこういうことなのかという
気付き・発見・学びがあって楽しいですよね。
自分の身体から学ぶことってすごくあるなと思い、
毎日付き合ってきた割には
自分の身体のことを知らなかったなと思いました。』

今後の本間さんの目標としては
2050年という未来を豊かにすることを目標に
人類が自然から学び、歴史から学び、
文化の多様性から学び合うということを
ビジョンとして世界中に提案していきたいと
お話ししてくださいました。

『最近生まれた子は22世紀まで生きるわけですよ。
だから彼らにどんな地球社会を残していけるのかというのを
僕たち大人の責任だと思っているので、
21世紀の中間というのが2050年でもあるから
その折り返し地点でかなり良い状態にしていく。
地球環境問題は緊急の問題だと思っているので。』

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