++ Introduction ++

今年5月、２冊目となる著作
『なぜか聴きたくなる人の話し方』を出版された
ラジオDJ/ナレーターの秀島史香さん。

ラジオDJ歴25年の秀島さんが
これまでどうやって話してきたのか振り返りながら
ラジオで得た体験に基づいて
日常生活で雑談ができない、
初対面の方との会話でなかなか続かないなど
話すのが苦手な人たちに向けたヒントを書かれています。

今回の本を書かれるにあたり
録音していた過去の出演番組の音源を聞き直したそう。

『聞いてみたりしたら、まあ一人相撲でした。(笑)
一人で自分の好きなことを、好きなスピードで
好きな分量だけ喋っていて、つい早口になっていたり。
相手が理解できているのかなっていうのも確認せずに
一人弁論大会のような状態で。
これじゃあ伝わらなかったし、いっぱい怒られたのも当然だよね
っていう気づきもありました。
「会話はキャッチボール」ってよく言われますけど
本当にそうで、「相手にいったん託してみるということをしてみませんか？」
っていうのが裏テーマにもなっているんですよね。』

自分から一つ会話のトピックを出したら
相手に振ることを忘れないということ。
そして、最初のトピックから連想させた話題に
スライドさせることもテクニックの一つなんだとか。
『先ほど見てきた展覧会の話から
アートにそんな興味ないという方だったら
「夏は涼しい屋内がいいですよね〜、あなたはどうですか？
アウトドア派ですか？」って言ってみたり、
そこから連想を広げていくという感じでしょうか。』
秀島さんは日頃、一つ会話のテーマがあったら
どう別の話題にスライドできるか考えているそうです。



++ Until now ++

実は子供の頃は話すのが苦手で人見知りだった秀島さん、
授業など人前で話すときには
いつもドキドキして緊張されていたそう。
そんな秀島さん、音楽が好きだったことがあり
大好きな音楽の話をしたり、
初対面の人と会うことなく
マイクに向かって話すのであればできると思い
ラジオDJを志したとか。
ご自身で架空の番組を作り、それをカセットに録音して
ラジオ局に送り、オーディションを受けたりなど
ラジオDJとしての就職活動をされたそうです。

ラジオDJとなった秀島さん、
小さい頃からの人と話すのが苦手という弱点を
克服できたターニングポイントとなった番組は
J-WAVEの番組「GROOVE LINE」。
共にナビゲーターを務めていたピストン西沢さんから
教わることが多かったそう。

『「型に嵌まるな秀島！ラジオは楽しく、今を言葉にするんだ！」みたいな。
なんとなくこうあるべきみたいなイメージが
ずっと私の中であって、カッコよくオシャレに綺麗にみたいな。
でも楽しく賑やかに、かつ形には囚われずにフリースタイルで
というような、こういう世界があったんだ思いました。』

放送終了後にはその日の放送を聞き直して
自分自身にツッコミを入れるように反省点をメモしていたそう。
そこから「次の放送ではこういう風にやってみよう」など
試行錯誤して放送に臨んでいたとか。

『次のクールでどうなるかって分からないので
どうにかして一日でも長く
好きだと飛び込んだラジオの世界に身を置けるように
自分を変えていかないとって必死だったんでしょうね。その時は。』

++ Right now ++

海が好きだという秀島さん、
海の近くで過ごす休日は
リセットできるひとときだとお話ししてくださいました。

『理想で言うと
自分は何もしなくてもいいみたいな旅館へ行き
昼から温泉にたっぷり浸かって、
お風呂上がりには浴衣を羽織って
夏時期には冷えたものを飲みながら
海を見ながら、
ずっと読みたかったけど時間がなくて読めなかった本を
たくさん持ってきて、読んだり読まなかったり。
座布団で昼寝をしてみたり。』



++ From now on ++

今後の活動は
引き続きラジオやテレビのナレーションなどを行うほか
７月からは機内放送でもお話をされているとのこと。

そして9月10日(土) 朝日カルチャーセンターで
今回の本『なぜか聴きたくなる人の話し方』を軸とした
特別講座が開催を予定されています。
こちらオンラインでも受講可能なので
気になる方はぜひ！

最後に今後の活動を通して伝えていきたい
メッセージを教えていただきました。

『こんなに好きな仕事を続けられてきたのは
なんでなんだろうと思ったら、
ある意味、自分で意識して楽観的になっていく大切さって
すごくあると思うんですね。
悩もうと思ったら人っていくらでも悩み続けてしまうんですが
でもそこで一回自分でストップして
「物事の良い方を見ませんか？」
っていうことをラジオを通して、直接ではないですが
感じていただけるような放送をしていきたいなと思っていますね。』