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STORY

2022.07.16

ダイバーの久保彰良さん

++ Introduction ++

「DIR-TECH Divers' Institute」を主宰、
ダイビング指導、海洋調査、潜水に関する講演、ダイビングの執筆など
様々な活動を行っているダイバーの久保彰良さん。
最近は海洋調査を中心に行っており
ダイバーの安全管理、海の中の生き物の音を収録するために
潜っているとか。
鯨やイルカの鳴き声はこれまでにも研究が進む中
魚の鳴き声については前例がなく、文献も少ないそう。
そのため、久保さんは魚の鳴き声を録る
収録機材を自作されているとのこと。

久保さんによると今まさに鳴き声が盛んな時期で
春〜夏の上旬にかけ求愛、採餌、
卵を育てるためのテリトリーを守るための威嚇など
魚たちが様々な音を出しているそう。

『非常に面白い音の一つはスズメダイの仲間で
「ポン、ポン、ポン」という音が出るのですが
時々、それが音階が変わるんです、
本当に歌っているんじゃないかと思うくらいに。』

これがなぜ音階が変わるのかは
まだ研究段階で、わからないとのこと。
ただ今後、サンプルを積み重ね
解明、そしてこの結果からどういった利用ができるのか
研究を進めているそうです。

海洋調査のほかにも久保さんは
ORIENT STARの「DIVER 1964 2nd edition」のモデルとなった、
岩手県岩泉町の「龍泉洞」の調査についても
2009年から行っており調査隊隊長をつとめています。
総延長約5km超えと大きな鍾乳洞、
その中にはいくつもの地底湖があり
現在、第三地底湖まで観光が可能。
40年ほど前から龍泉洞の地底湖の調査はされていたものの
事故により水中調査は一時中止に。
その後、潜水装備も進化や調査方法の発展から
再開に至りました。

『世界観が変わるような、本当に水が綺麗である。
泡がなければ水の中ではないような透明感なんですね。
ただ自然光がない世界ですから、ライトを使うんですが、
通常ですと壁があると反射するんですけど
吸い込まれていくわけです。
なのでとても大きな水で満たされたスペースがある
巨大な場所だということに感動します。』



++ Until now ++

三重県の南の方の
紀伊半島で生まれ育った久保さん、
その地域では半分以上の方が
漁業に関連する職をされている海と密接に結びついた町。
そんなこともあり久保さんは小さい頃から
海の近くで遊ぶことが多かったそう。
そんな久保さん、
大学生の頃、お兄様の影響からダイビングを始められました。

『全然苦しくない、本当にいつまででも潜っていられそう。
今思えば2〜3メートルくらいの深さでしかなかったと思うのですが
夏の海の水面に自分の吐いた泡がキラキラと登っていくのが
見られるのですが、それが全然飽きなくて。
これは本当に面白いと思いました。』

大学卒業後、一度は会社員として就職されるも
その後、お父様が倒れたこともあり
ご実家の会社を手伝うことに。
その時に、調査潜水会社を営む地元の先輩から
並行してお手伝いをしないかと誘われたことで
潜水のお仕事も始められます。
そこでご実家の会社の手伝いが一区切りついたら
潜水のお仕事をしようと決め
30歳の頃にはダイビングインストラクターとなり
36歳にはインストラクターを育てる会社に勤められます。
そのお仕事の関係で海外の方との交流が増え、
改めてダイビングを学び直したいということで46歳の頃には
アメリカで学生生活をされていたこともあったとか。

長きにわたりダイビング関わり続けてきた久保さんが思う
ダイビングの魅力とは・・・

『今、なぜ続けられているかというと
いろんな遊びがありますけど、ダイバー自身が使う道具は
最先端のテクノロジーを使っているっていうのが一つ。
もう一つは新しい理論。知識・情報も最新のものを使う。
そういったものを使いこなすというのが面白さ。
一方で何も考えずに水中で中性浮力でフワフワ浮いて
魚と同じような目線で景色を眺めて
ぼんやりと漂うのも素晴らしいところでして。
仕事ではあるんですけど
休みの日にも潜りに行ってしまうというのは
そういうところにあるのかもしれません。』

++ Right now ++

屋外での活動が主となっているダイバーの久保さん、
休みの日にも潜りに行く以外に
逆にずっと自宅で過ごすこともあるそう。

いつもの習慣で、朝早くに目が覚めて
ハードロックの音楽をかけながら
コーヒーを淹れて本を読むかネットで映画。
読み疲れたり観飽きたら、
好きな60年代のジャズを聴きながら午睡されるそう。

今後プライベートでやってみたいことは
富士山へ登ること。
西伊豆の大瀬崎でダイビングをよくされる久保さん
そこから富士山がよく見え、
海外の方にも人気のスポットなんだとか。
なので、元気なうちにそのいつも見ている
富士山を登頂したいとお話ししてくださいました。



++ From now on ++

今後の久保さんの活動の予定は
石垣島の海洋調査のほかに
早稲田大学先進理工学部生命科学科の
研究室にも携わっており、
水中の生物から成分を採取する際に
研究者の方が潜るのをお手伝いされているそうです。

そのほかにも7月に西伊豆で行われる
テクニカルダイビングインストラクターコースのサポート、
9月は紀伊半島海域の観光開発目的のための海洋調査
11月にはメキシコでケイブダイビングトレーニングのサポートなどを
予定されています。

最後にご自身の活動を通して、
どのようなメッセージを伝えていきたいか伺いました。

『長い人生、自分も随分と潜ってきましたし
決して良いことばかりあったわけではないですね。
どなたでもそういう経験が起こると思いますが
特に今は世間では争い事があったり
理不尽なこともいっぱい起こります。
でも僕は人間を信じたいという楽観的な人間でして
やっぱり人間の知恵とか科学だとか
進歩という言葉を使っていいのかどうかわかりませんが
明日は今日よりももっと良い日が来る
ということを信じて潜水活動を通じながら
人間ってやっぱり素晴らしいんだよということを
皆さんに伝えられたらいいなと思っています。』

ON AIR LIST

  • TO THE SEA / JACK JOHNSON
  • GREEN GARDEN(DAVE INVISIBLE REMIX) / LAURA MVULA
  • ON GREEN DOLPHIN STREET / GRANT GREEN WITH SONY CLARK
  • WATER ME DOWN / VAGABON

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