J-WAVE 81.3 FM
SATURDAY 21:00 - 21:54

STORY

2022.07.09

音楽家の冨田恵一さん

++ Introduction ++

冨田ラボとして今年活動20周年を迎え
Newアルバム「7+」をリリースされた音楽家 冨田恵一さん。

今回のアルバムのスタートとなったのは
「MAP for LOVE」という曲。
こちらは、コロナ禍により中止になった
冨田さんをオーガナイザーに迎え開催されるはずだったイベント
J-WAVE TOKYO M.A.P.S。
元々、冨田ラボのステージに
9名のシンガー達を呼びライブを行う予定だったところ
中止になったことで9名の方々と一緒に1曲を作るという方向へ。
医療従事者の支援のための、チャリティーソングとして制作されました。

『今振り返ると、(アルバム制作の)一曲目がその「MAP for LOVE」だったこと、
コロナ禍がきっかけで始まったこと。
結局制作期間が全てコロナ禍ではあったので、
その辺がアルバム全体の方向性を
決めたんじゃないかなという風に今は思います。』

今回20組もの豪華アーティスト達が参加!
これまでは共演したことなくてもご自身や、周りの方が
いま気になっているアーティストを発掘して
コラボされることが多かったそうですが、
今回はプロデュース業として冨田さんが共演し、
意気投合した方を中心にコラボしたされたとか。

細野晴臣さんが歌唱、作詞を堀込高樹さんが手掛けられた
コラボ曲「煙たがられて」、
こちらは細野さんが冨田さんの前作「M-P-C」を気に入っている
という情報を聞きつけ、細野さんへ向け
手紙を出したところからスタートされました。
作詞に関しては堀込さん一択だったそう。

『高樹くんは引っかかる言葉を何パターンも持っている。
タイトルも秀逸じゃない?そういうところもすごいし。
あと音符の上下に対して、
日本語のアクセントの上下が逆らったりとか無視していると
不自然になるんですよ。
基本的にはその上下の幅なりなんなりが合っていれば合っているほど
美しくてスッと入ってくる。
その中に例えば毒のある言葉とか引っ掛かりを。
あとは曲の構成でも、ストーリーとして情景が浮かんで
その中で曲が言いたいことを最大限に伝える。
僕、何曲も高樹くんにお願いしているけど全て毎回完璧。』



++ Until now ++

物心つく頃にはすでにピアノを弾いていて
お母様が音楽教師だったこともあり、教わっていたそうです。
お母様は街の音楽教室でも音楽を教えていたこともあり
一緒について行くことも。
その影響からエレクトーンに興味が湧き
エレクトーンを始めました。
そこからクラシック以外にもレパートリーが
ポップス、ジャズ、ボサノバなど幅広くなったとか。

『クラシックの時には弾いていてもなんの感情もなかった。
早く弾けるようになったという喜びはあっても
その曲が良いとか悪いとかほとんど覚えていないんですね。
自分で初めて曲が綺麗とか感動するとか思ったのは
ヘンリー・マンシーニとかバート・バカラックかな。』

冨田ラボ初期の頃は70〜80年代のサウンドを
かなり意識されていたそうで
その時代になかった音色は使わないくらい徹底しこだわっていたとか。
その後、リリースされたアルバム「SUPERFINE」以降は
現代の音場、音質を興味を持ったことから
現代音楽も取り入れるようになり
プロデュースの際にも
「SUPERFINE」以前の音楽、「SUPERFINE」以降の音楽で
アレンジの方向性を決めていたとのこと。

今回のアルバム「7+」では
“今っぽさ”と、冨田さんの音楽のルーツをバランスを見ながら
織り交ぜるということを意識されたそう。

『70年代のサウンドを模したもので始めようが
2015年ごろのR&Bぽいもので始めようが
どちらもそれそのものにはならないってわかって。
結局、僕がやった感じになっちゃうなっていうのを思ったんですね。
だから現行のものをやってもルーツの部分っていうのは
無意識でも出てしまうし。
でもだからそれがオリジナルな感じに響いているんだろうなっていう風に
自分で考える時があって。
なので、今回に関しては今までよりも
自分のルーツ的なことと、リアルタイムで起きていることと
渾然一体となった感じにはなったかなと。』

++ Right now ++

基本的にはインドアな性格だと話す冨田さん。
休みがあったら家でゆっくりしていることが多いそうですが
コロナ禍により旅行に行けない期間が長かったことから
そろそろ旅行へ行きたいと考えているとか。

『どこでもいいから遠出したいというのがあって
近場だと運転するのが好きなので
車で息子と妻と3人で、箱根とか温泉。
あとはハワイとかリゾート地に・・・』

これまで何度か旅行でハワイには行かれているそうですが
ビーチには一度も行かず、レコード屋さんへ行っていたとか。

『90年代終わり頃だと思うんだけど
ハワイのレコード屋がやばいっていう話がすごく出ていて。
でもハワイでレコード買うやつ
いないだろうとやっぱり思うじゃない?
でも行ったらもう宝の山で。
今はビーチへ行った方がいいかなと思いますが。(笑)』



++ From now on ++

冨田恵一さんの今後のご予定は・・・
8月12日にザ・プリンス パークタワー東京で開催される、
大人の音楽フェス「Tokyo Music Cruise 2022」。
ミックステープをよりエクステンドした演奏など
スペシャルなライブをお届けする
冨田ラボ MIXTAPE Exclusive Setで出演!

そしてその他にも
オフィシャルファンサイト『冨田ラボスタジオ』では
これまで発表された楽曲をパートごとに聴けたり、
さらにデモ音源も公開、
冨田さんが今イチオシの音楽を紹介されているなど
盛り沢山のコンテンツになっています。

最後に冨田さんがこれから
音楽を通して伝えていきたいことを伺いました。

『普段、聞き手がそれぞれに捉えてくれたらいいというような考えで
僕は音楽を作っているんですが
やはり昨今の社会情勢の色々なことを見たり、
また自分で感じることを考えると
先行きが不安であるとか、何がどうなるんだろうっていったところで
少し諦めを前提としながら日常を送っている感じが
すごくしているんですね。
それが世界規模で同じようなバイアスがかかっている状態が
良くないと思っていて
どんな状況であれ小さくても希望を持って進めれば
絶対に打開策はあるし、絶対に何か変わるし。
とにかく希望を持って生活してほしい、生きてほしい
ということを伝えたいなと思いました。』

ON AIR LIST

  • GREEN GREY / MICHELLE WILLIS
  • 煙たがられて / 冨田ラボ FEAT.細野晴臣
  • VELAS ICADAS / IVAN LINS
  • NEW FRONTIER / DONALD FAGEN

ARCHIVE

MESSAGE TO STUDIO

メッセージを希望する方は、
下のボタンから専用フォームにて送信ください。

メッセージを送る
  • ORIENT STAR

INSTAGRAM

HOME