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STORY

2022.04.16

俳優で映画監督/プロデューサーの杉野希妃さん

++ Introduction ++

俳優業、映画監督、プロデューサーと
多岐に渡って活躍されている杉野希妃さん。

現在もいくつものプロジェクトを抱えていらっしゃるそうですが
その中で今、進行中なのが9人の女子大学生の青春映画。
日本ならではの身体表現を活かした
ミュージカル映画にできないかと模索中なのだとか。
他にも赤ちゃんをテーマにしたプロジェクトや
ドストエフスキーの短編や韓国の小説の映画化等を進めているそう。

俳優として韓国でデビューされた杉野さんですが
すでにその時からいつか映画の制作を志していたとのこと。
そこに杉野さんが日本で初めて主演された作品のプロデューサーから
マレーシアの映画監督、ヤスミン・アフマド監督ご自身が
日本に訪れた時の体験をもとにした映画を撮りたいという
お話を伺ったそう。
そして杉野さんも東南アジアで初めて見たものが
ヤスミン・アフマド監督の作品で感銘を受けたとともに、
ヤスミンさんのお人柄にも惹かれていたとか。
そんな時に、映画のお話があり「ぜひ映画化を!」と
お話を受け入れヤスミンさんと直接やりとりしているうちに
プロデューサーの役割になっていったとのこと。

キャスティングなど済ませていましたが
撮影の2ヶ月前にヤスミンさんが亡くなられ、
その映画を完成させることはできなかったそうです。

『あの時にヤスミンから学んだことって
すごく今の自分の人生において土台になっているなと思います。
印象的だった言葉が
「どんなに親しい間柄でも100%理解できることはない。」
ということを言っていて
今、色んな問題があるじゃないですか。
他者に不寛容だったり、相互理解っていうのが
結構難しい世の中になってきているなという中で
理解できないということを大前提に物事を進めていったり
他者と交流していくってすごく大事なことだと思うんですよ。
それを心に留めた上で接するということを
彼女から教えてもらったような気がしています。』



++ Until now ++

演技に興味を持ち始めたのは中学2年生の頃。
元々は個性的な演劇部の部員たちと
仲良くしたいという理由から入部した杉野さん。
そんな演劇部の時に
天海祐希さんと麻乃佳世さんが出演する宝塚歌劇団の
ミュージカル「ミーアンドマイガール」をビデオで見て
感銘を受け宝塚のファンになり、
演じることにも興味を持ち始めたそう。

そして韓国での留学を経て
韓国で俳優デビューを果たした杉野さん。
ですが元々は韓国のカルチャーに興味がなかったそう。

『ダサいんじゃないかなと
勝手なイメージを抱いていたんですね。
それが「猟奇的な彼女」を見て印象がガラリと変わったんです。
ヒロインのキャラクターのぶっ飛び具合とか
脚本の面白さにすごく引き込まれて
こんなに韓国映画って面白いんだと思って
韓国のインディペンデント系の映画も見るようになって。
エンタメとはまた違った強烈な作家性に心奪われて
韓国映画にいつか出たいなと思って韓国留学に。』

演技だけではなく、就活の際に
少しでも有利に働くようにと語学を学ぶ目的もあったそうです。

「まぶしい一日」でデビューされた杉野さん、
撮影現場ではどんなに撮影が押していても
絶対に食堂へ行って温かい美味しい食事を摂るという
韓国特有の文化にびっくりしたそう。

『食事ってやっぱり韓国人にとって
最も大切なことなんだなと思いました。
「ご飯食べた?」というセリフがよく出てくると思うんですけど・・・
やっぱり韓国映画界のエネルギーにも
もしかしたらなってきているんじゃないかなと思ったり。(笑)』

++ Right now ++

2年前から始めたチェロにハマっている杉野さん。

気持ちが落ち込んでいた時に、
チェロをやっている弟さんからの勧められて
始めたとのこと。
ただチェロを勧められた時にピンときたそう。

『楽器の中で一番好きな音が
チェロの音だったというのもあるんですけど
チェロの音域が人間の声の音域と
近いと言われているじゃないですか。
で自分の感情が乗せやすいと聞いたことがあって
チェロって聞いた時にピンときて。
自分の声もすごく嫌いになっていた時期だったので
自分を救うために始めたという感じがします。』

今は無伴奏のチェロ組曲を練習されているそう。

チェロの演奏を発表する場があったそうですが
悔しさが残る演奏だったとのことで、
次こそはもっといい演奏をしたいとお話ししてくださいました。



++ From now on ++

今後、初夏に関西の方で
杉野さんがプロデュースと出演を果たした映画、
『愛のまなざしを』の再上映が予定されているそう。
逃した方は是非劇場に足を運んでみてください。

杉野さんが今後、俳優、さらに制作者として、
発信していきたいメッセージとは・・・

『容易に対立構造が生まれてしまっていることに危機感を覚えます。
国と国、人と人とを分断するような社会情勢ではありますが、
世界は何事も白黒、善悪つけにくいし、
二項対立では語れない事象がたくさんあるのではないかと思います。
勧善懲悪的な作品も観客として楽しく見ることもありますが、
作り手としてはグレーの揺らぎのある世界を描いていきたいです。』

ON AIR LIST

  • ME AND MY HUSBAND / MITSKI
  • TALK TO ME / KERI NOBLE
  • 無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV.1007 第5楽章 : メヌエットI&II / パブロ・カザルス
  • MEMORIES / MAROON 5

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