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STORY

2022.04.09

歌人で実業家の小佐野 彈さん

++ Introduction ++

昨年11月に自伝的青春小説
「僕は失くした恋しか歌えない」を出版された小佐野彈さん。

自伝的小説となっていますが、
実際のところ小佐野さん自身をモデルとした主人公で、
小説でもあり、エッセイ、短歌も含まれているため詩歌なのか、
あえてジャンル分けせず、
今回は編集者さんからお話を頂いた「小佐野さんの伊勢物語」
というのをテーマに描かれたとのこと。

今回の作品について
苦しさ6割、楽しさ4割と言った執筆になったそう。

『自分の青春時代とかの真実は描いたつもりではいるんですよね。
その真実を描く上で、過去を振り返らないといけない。
その真実を描くために事実をもう一度思い出さないといけない。
その中で僕の思春期っていうのはセクシャリティのこともあったし
家のバックグラウンドのこともあったし
いろいろな要素が絡み合って、
結構自分的には辛い時期というのがあって
一方で甘酸っぱい恋とか、ときめいた思い出もあって
それぞれ思い出しながら描いていく。』

セクシャリティのことや
ご実家のことなどマイノリティーを
学生時代から感じていた小佐野さん。
今では少しづつそういったマイノリティーもなくなりつつあり
暮らしやすい社会になってきているそうですが
まだまだ「違い」の方に目が行きがちだと感じるそう。

『「あの人たちは違うから」とか「あの家は僕たちとは違うから」とか。
もちろん違う大事なんだけども
今回、作品の中で言いたいのは
特殊なんだけども結局は普遍的にみんな同じような
苦しみや悲しみがあるんだよ。
あるいは色んな違いがある人たちが一つの社会に生きていて
みんな同じように殴られれば痛いし、
褒められれば嬉しいし、
みんな同じような苦しみ、痛みを共有していると思うんですよ。
そういう風に考えれるようになると
もっとあらゆる人が暮らしやすい社会には
なっていくのかなとという風に思います。』



++ Until now ++

13歳の時に、ご自身が同性の方を恋愛対象だとわかった小佐野さん。
そのころは「周りと違う」ということに恐怖を感じていたそう、
そのうち同性愛者だということが同級生たちに知られるようになり
学校が嫌だなと感じることもあれば、
その中でも好きな先輩ができ会いたいというアンビバレントな気持ちも。
そんな自分を認めたいけど認められないといった葛藤があったとか。

そんな時に出会ったのが歌人の俵万智さんの作品
「チョコレート革命」。
不倫という恋をテーマに描かれた歌集で
その中に、「知られてはならぬ恋愛なれどまた少し知られてみたい恋愛」
という歌を目にして小佐野さんは自分の今の状況と重なると感じたとか。

『みんな恋の話をしている。
でも僕は相手が同性だから恋の話ができない。
しかも知られてはならない恋愛。
だけど恋だから話したいし、みんなの恋バナに入りたい、
知られたい恋愛。
俵さんは不倫という恋を歌った歌集だけど
でも普遍性はあって
僕みたいな同性に恋をする中学生にも響いて。
しかも短歌ってこんなに自由なんだと思って
夢中になって、
その日の夜から真似事で
五・七・五・七・七を読み始めたんですよね。』

さらに日記でも詩に記すことではなく
短歌を選んだ理由について
俵さんの『真実(こころ)の本当のための嘘はとことんつく。
なぜなら短歌は事実(できごと)を記す日記ではないのだから。』
という言葉に惹かれたとのことでした。

++ Right now ++

今、温泉にハマっている小佐野さん。
元々は火山や地質のことが興味があったそうで
そのため自然と温泉という存在に目が向いたとか。

現在、台湾に拠点を置かれている小佐野さんは
コロナ禍で海外旅行が行けないため
車で台湾国内を温泉巡りをされていたそう。

そして現在、一時帰国で日本にいますが、
コロナ禍で台湾に戻る予定が伸びてしまったので
今は関東近郊の色んな温泉地を車で回っているとのこと。

そんな温泉好きが高じて
泉質や入浴法など勉強し温泉ソムリエ
という資格まで取得されたようです。

そして温泉に最も気持ちよく入る方法を模索しているうちに
体が冷えて疲労状態で温泉に入るということに行きつき
今は温泉から派生してスキーにもハマっているとのこと。



++ From now on ++

今後の活動について
小佐野さんが生まれ育った家「小佐野家」の群像劇を
すでに小説としては描き上がっているそうですが
修正の作業がまだなので
今年はこの本を出版したいと考えているそう。

そしてさらに今年は
作詞にも挑戦したいとのこと。

『作詞ってある意味、決まった曲の枠の中に
言葉を当てはめていくというスタイルだと思うので、
それが自分にはしっくりくるなと思って、
今年は作詞っていう新しいジャンルに
チャレンジしていきたいなという風に思っていますね。』

そして今後の活動を通して伝えていきたいメッセージとは・・・

『今後、エンターテインメントの長編とか、
より読者の方に楽しんでいただけるようなものを描いていきたいなと。
僕は基本的には人との違うというのより
普遍性の部分気づいてもらえるような作品を
これからも描いていきたいなと思っていますね。』

ON AIR LIST

  • LITTLE STORY / KEHLANI
  • ORDINARY PEOPLE(JOHNNY DOUGLAS RADIO EDIT) / JOHN LEGEND
  • 初恋 / AIKO
  • I’M NOT THE ONLY ONE / SAM SMITH

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