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STORY

2022.01.22

切り絵アーティストの柴田あゆみさん

++ Introduction ++

通常の切り絵と違い、
紙を何枚も重ねたインスタレーションで
「紙の彫刻」のような
立体的な切り絵の作品を生み出している
切り絵アーティスト柴田あゆみさん。

そして柴田さんの作品に欠かせないものは「光」。
切り絵に「光」が入って始めて作品として命が宿ると
柴田さんは語ります。

製作の際は設計図など書かず
想像するところからスタートするそうです。

『自分が行ってみたかったり、
理想的な「こんな世界があったら素敵だな」
っていうのを思い浮かべて、
自分でそれが見てみたかったり、その世界に入ってみたかったり、
どんどん細部まで想像していって・・・』

下書きはせず
柴田さんの頭の中の想像から始まり
そのイメージにどう近づけていくか
切ってみて調整する作業のようです。

柴田さんは、手のひらサイズの小さな作品から
人よりも大きな物も手掛けていますが
イタリアのマルペンサ空港に展示されていた
高さ4メートルもある作品は
毎日10時間作業され、
製作期間2〜3週間ほどかかるものだったそう。

現在は、「いのちの詩」という
インスタレーション作品を製作中とのこと。
泡、細胞をモチーフにした数百個の小さなパーツを切り出し
糸で繋ぎ合わせ光を灯し、影が壁に映るといった作品。

『細胞が糸で繋ぎ合わさることによって
人間とか命、一生っていうのが
物質世界や身体で見た捉え方と違う
細胞が連なっているという状態のインスタレーション。
また影が当たることによって
「陰と陽」、「昼と夜」っていう地球についてくる
時の流れというのを表現して今作っています。』



++ Until now ++

元々、日本で音楽活動を7年程されていたという柴田さん。
ですが、活動されているうちに
段々とご自身が伝えたかった音楽から
ズレが生じてきたそう。
その結果、いったん音楽活動を辞めて、
自分の中の芯を見つけるため、ニューヨークへ向かうことへ決意。
行き先をニューヨークにした理由は・・・

『いろんな人種がいて、いろんな文化があって
それぞれみんな考えが違って
そして欲望が渦巻いているんです。
そこに行って自分っていう芯が
ブレないようになったらクリアだと。
それで一本芯が立つまでは帰らないと思って
ニューヨークへ行きました。』

ですが、言語の壁により
心から話し合いたいことや、深い話も
うまく伝えられられず悩んだ時期があったそう。
そんな時に、よく教会に通われていた柴田さんは
そこでステンドグラス越しに差し込んできた光が
床へ映りこんだ瞬間を見て
学生の時に工作で取り組んだ
ステンドグラス風に切り絵を創作したことを思い出したとか。
教会からの帰り道、さっそく道具を購入、
ステンドグラス風に切り絵を作ってみたところ
時間も忘れるほど楽しくて、夢中になったのがきっかけに
今の切り絵アーティストの道へ進まれることになりました。

1年間は趣味として切り絵を作り続け、
その後、アートスクールへ通学。
授業を受けながら、引き続き切り絵の作品作りを行っていました。
当時の学長がそんな姿を見かけ
「何をしているの」と尋ねてきたそう。
そこで柴田さんは「この作品の中に入りたい」と伝えると
「大きくすればいいじゃないか」と言われたことが
大きな作品も作り始めたきっかけなんだとか。

++ Right now ++

プライベートでは全国各地、源泉掛け流しの温泉巡りに
ハマっているとのこと。
最近は、有馬温泉 金の湯というところへいかれたそう。
長い歴史がある温泉で、
これまでに歴史に名を残してきた人物たちも
入られたことがあるとか。

塩分が濃いめの塩泉で
実際に柴田さんは入ってみて、
身体のスッキリする感覚や、軽さを体感したそうです。

『血行が良くなるので
普段座りっぱなしで作業しているので
なるべく温めて、循環をよくして・・・』

今年は自由に作ることができる陶芸と、
ジャンベに合わせ全身を使って踊る
アフリカンダンスに挑戦してみたいとのことでした。



++ From now on ++

今後もその都度、
その時に合ったインスピレーションを感じて、
自分の心が動き、
湧き立つような作品を作っていきたいとお話し下さいました。
柴田さんの場合、どちらかというと外からではなく
時間を経て理解したり、経験したりと
内から湧き出るものが
インスピレーションになっているとか。

自然をテーマに表現された作品も多い柴田さん。

『森へ行って、その下に土があって
その土をスプーンすくうと、その一杯の中に
何十億という小さい微生物がいるんです。
そう考えると命の塊で。
自分もそうであり、地球もそうであり、
宇宙から見たら地球も小さな一個の菌だったりする。
その関係が全ての自然のあり方、
全部がつながっているというところに
一番インスピレーションを受けていろいろ作っています。』

柴田さんが手掛けた
「見えない子たちの家」という作品は
まさにそういった小さい世界に住む者たちも生きていて、
私たちの生活に欠かせない存在になっており
そう考えた時の地球から見た人間たちという小さな菌は
どうあるべきなのか、
良きものになれるのか、悪いものになるのか。
それはそれぞれの人の心次第だと柴田さんは考え
人間が持って生まれた心を
温かく輝いて、隣へと繋がっていくようにと
願いを込めて作品を切り出しているそう。


ON AIR LIST

  • BABY,YOU MAKE ME CRAZY / SAM SMITH
  • ORDINARY MIRACLE / SARAH MCLACHLAN
  • GET UP,STAND UP / BOB MARLEY AND THE WAILERS
  • OPEN / RHYE

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