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STORY

2021.12.04

ミュージシャンで文筆家の猫沢エミさん

++ Introduction ++

先日、増補改訂版『猫と生きる。』を出版された
ミュージシャンで文筆家の猫沢エミさん。

一度8年前に同じタイトルで出版された『猫と生きる。』
初代愛猫「ピキ」を引き取ってから、一緒にパリに渡り、
その後、日本に帰国。
ピキちゃんの猫生(猫の生涯)と、
一緒に過ごした猫沢さんの激動の人生を合わせ
書かれたのが前作でした。

そして昨年、
この『猫と生きる。』の増補改訂版の出版の話があり
リライトをスタート。
ですが今回は、その同時期に
ガンで亡くなってしまった4代目愛猫の「イオ」との
出会いから別れまでを
新しく書いていただきたいと依頼があったそう。

亡くなってすぐのことだったため
かなり精神的にキツイ部分もあったそうですが
これまでSNSでイオちゃんとのことを発信し続けたことで
亡くなった後も、フォロワーの方々が
ご自身の飼っているペットや家族との
別れの時の心情や、心の立ち直り方など
たくさんのメッセージが寄せられたこともあったことから
書くことを決意。

さらに今回のこの本には、
8年前に『猫と生きる。』のデザインを手掛けた
猫沢さんの親友でもあった
真舘嘉浩さんがイオちゃんと同じ時期に、
亡くなられたということから
1人と1匹の追悼を意識され書き上げられたとのこと。


『私自身は50歳という年齢を超えてきたときに
死は決して遠いものではない。
それはネガティブな印象として死を捉えるのではなく
残された人生って、それまでの経験値を生かせたりとか
心構え一つで強く生きられる一番素敵な年代だと思うんですね。
まだちょっと若いときに考えていたことが
残された人生でどうやって輝かせるかということに
繋がってくると思うんですね。
なので動物を近々で亡くされた方、ご家族を亡くされた方に
読んでいただいて心を癒して欲しいというのもあるんですけど
ご自分自身のこれからの人生にどう死生観を持つかというところで
ぜひ読んでいただけたらなと思います。』



++ Until now ++

猫沢さんは、ミュージシャンとして活動されたのち、
2002年にフランスへ。
32歳の頃に出会ったパリに住むご友人に
「留学をしたいけど、物件を見つけるのが難しい」と伝えていたところ
部屋に空きがでたと連絡があったため
2ヶ月で準備しフランスへ渡りました。

『外から日本を見てみたいとか、
自分のアイデンティティを見てみたいという気持ちは
若い時からあったので。
意外とチャンスって自分の都合の良いようには来なくて
「ちょっと頑張らないといけないな」とか、「え、今来るのか!」
みたいな時って多いと思うんですね。
今から見たらすごく若かったので
結構、即決に近いような感じで、
「今しかない、こんなチャンスは」という感じで行きましたね。』

パリでは、当時のパートナーと会社を立ち上げ
勉強しながらお仕事をされていたり、
執筆活動や、ミュージシャンとしても活動をされていました。

今でも行き来しているパリですが
猫沢さんが惚れ込んだパリの魅力とは・・・

『つまらない肩書とか社会での立ち位置とか
そういうものはパリに入った瞬間に
全部奪われるんですよ。
自分を防御するためにつけている
余計な肩書が真っ裸になるんです。
行ったばっかりの頃は、私はただの東洋人で
誰も知らない、フランス語も喋れない、
存在価値としてゼロなんですよ。
そこから自分の存在意義をこの街に作っていく、
30歳超えてから一つもわからないフランス語を使って。
初めて「自分の体の輪郭ってこうになっているんだ。」
逆に「自分っていう存在は自分の体の輪郭線分しかない」とか
そういった鮮烈な感覚があって。
今ではパリが「お前よくがんばったな、ちょっとは認めてやる」
っていう感じで、割と対等に付き合えているのかな。
でもただパリに行くとただの人になるんですよ。
その感覚って一生大切にしたいなと思っていて
そこが好きですね。』

++ Right now ++

猫沢さんは、
『ねこしき 哀しくてもおなかは空くし、明日はちゃんとやってくる』という
レシピも掲載したエッセイ本の出版もされています。

ホリデーシーズンにぴったりなレシピを教えていただきました。

「フランスの家庭式 ホントのポトフ」
日本ではスープとして親しまれているポトフですが
フランスではポトフは煮込み料理の一種。
猫沢さんの本の中では
スタンダードに丸鶏と根菜、ハーブなどをお鍋に入れ
ひたすら煮るといったシンプルなポトフ。
4〜5Lのお鍋に具材をギュウギュウに詰め
お水をひたひたに入れますが、
調味料としてはお塩は大さじ1杯のみ。
煮込む時間としては
圧力鍋を使わない場合は8時間。

『素材からスープに旨味が出て
それを最終的に、素材に戻すだけなんですけど
多分やられるとビックリするくらい美味しいと思います。』



++ From now on ++

12月25日にEmiNECOZAWA&Sphinx、
3年ぶりとなるライブを開催。
場所はご実家のある福島県白河市にある
文化交流館コミネスの大ホールで行われます。
実はこのライブのチケットが500円という破格の値段!

『今、東京でも徐々に復活してきましたが
まだまだコロナということもあったりして
なかなか前のように自由にライブができないというところで
地方ならではの感じで、
チケットが500円ということもあるので
この機会に白河にお越しいただけたらなと思います。』

猫沢さん、来年にはパリへ戻られる予定とのこと。

コロナ禍の2年間でしたが
これまで様々な渡航の条件をクリアしパリへ行かれていました。
パリと日本を行き来している中で
より日本の閉塞感を感じられたそう。
コロナ禍が明けたら、
新しく世界を見る目やインターナショナルな感覚
パリから日本へ向け発信していきたいと語る猫沢さん。

『ぜひ日本だけじゃなくて、もう一度地球全体で
いろんなことを考えたりとか感じたりっていうのを
私がフランスを拠点に色々動くことによって
お見せできたりとか、
皆さんになかったアイディアを考えたりとかという風に
なったら良いなと思っています。』

ON AIR LIST

  • BILLY GOODBYE / FRANZ FERDINAND
  • A PLACE IN THE SUN / STEVIE WONDER
  • FOR IO / 坂本美雨
  • BEST OF ME / ALICIA KEYS

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