++ Introduction ++

学生の頃に初めての日本人宇宙飛行士が誕生して
その後、定期的に日本人宇宙飛行士の募集が
かけられるようになったのを見て
元々、宇宙開発を目指されていた内山崇さんは
いつしか宇宙飛行士の方へ憧れるように。

社会人になり、宇宙開発の仕事をされている内山さんに
10年ぶりに宇宙飛行士の募集があるという話を
聞いた時には即決で応募を決断されました。

応募にはいくつか条件があるそうで
内山さんが応募された時の条件としては
・理科系の大学を卒業、
・理科系のお仕事を3年以上勤められた方。
・身長体重などなど・・・

応募書類を出し、合否が決まるまで
およそ１０カ月間。
かなり厳しい試験が待ち受けていたとのこと。

最初は筆記の試験や簡単な身体検査で
人数をある程度絞り、
その中から宇宙飛行士の素質がある方を選ぶため
身体的に要件を満たしているのか
徹底的に調べる医学検査や面接など様々な試験を経て
５０人から１０人へと絞られるようです。
この１０人で受ける最終選抜試験では
さらに詳しい医学検査や
１０人を１週間、同じ閉鎖環境施設に閉じ込め
あえてストレスを与えるような課題を
朝から晩まで受け続け
その施設内でのパフォーマンスを見るなど
過酷な審査があるそう。

この試験を受け、内山さんが感じた
宇宙飛行士に求められる素質とは・・・
『覚悟』と『信頼』

『宇宙飛行士として選ばれたからには
その後、長く続く宇宙飛行士人生を
宇宙飛行士として生きる覚悟があるのか。
なれたからには自分の命を預けて
人の命を預かるような仕事をしないといけないので
それに足る信頼を自分は得られる人間であるか
というのが大きいかなと思いますね。』



++ Until now ++

内山さんが宇宙に興味を持ったのは
子供の頃に買ってもらった宇宙の図鑑がきっかけ。
そこには
「宇宙は今でも広がっている」「地球より大きい星がある」
「何万年も前からある星」など宇宙の不思議が書かれており
それを見て宇宙への空想を膨らませるのが好きだったとか。

そして、10歳のときにテレビで観た
スペースシャトル「チャレンジャー号」の事故の映像で
アメリカの宇宙開発がここまで来ているんだ！
自分が大人になる頃には
誰もが宇宙に行ける時代になっているに違いないと
宇宙に関するお仕事につきたいと思ったとのこと。

学生時代は宇宙開発のお仕事を目指すため
航空宇宙工学を専攻し、
宇宙開発のお仕事につくことになった内山さんは、
これまでに宇宙ステーションに物資を届ける
宇宙船「こうのとり」を
筑波からコントロールするチームを
取りまとめるフライトディレクターも務められました。
その同時期に、
宇宙飛行士選抜試験も受けられていたそうです。

++ Right now ++

プライベートではゴルフをやられたり
最近は、お子さんたちと一緒に虫取りすることに
ハマっているそう。

宇宙関連の映像作品を見るのも好きとのことで
特に「アポロ１３」、「ライトスタッフ」は
宇宙に実際に携わっている内山さんから見ても
リアルに作られており面白いとお話しされていました。

反対に、映画を見ていて「これはありえない」と
感じる作品も多々あり、
スタッフ同士でもよく話されているとか。


++ From now on ++

内山さんは、2代目「こうのとり」のプロジェクトに
携わっていて、現在は開発の最中。

この2代目「こうのとり」
宇宙ステーションに物資を輸送する役割のほかに
計画されている
月の周回軌道上に構築される
宇宙ステーション「月軌道ゲートウェイ」にも
物資の補給できるような宇宙船に
バージョンアップされる予定。

今年、ついに宇宙旅行が実際に運行されますが
今後はどんどんと増えていくことになり
地球を周回する軌道に乗るだけではなく
月面に基地を作り、
月を経由してさらに遠くまで行くことができる
計画が国際協力により進められているとか。

今後は旅行のみならず、
人工衛星を通して地球の地上を映し
南極などの氷の動き具合を把握し
船の運搬ルートを予測し、
燃料費を削減につながるといった、
ビジネス的にも宇宙が注目されてくるのではと
お話しされていました。

これからの目標として
誰もが宇宙に行ける時代にしたいと語る内山さん。

『修学旅行で宇宙へ行ける時代が来ると
子供たちが外から地球を見て
地球がかけがえのないものだと
本能的に理解できるような体験をして、
その子供たちが大人になって
社会貢献をしていくというきっかけに
宇宙旅行がなるんじゃないかなと思っていて
そういう時代を作っていきたいと思っています。』