++ Introduction ++

現在、音楽朗読劇を手掛けていらっしゃる
劇作家・舞台演出家の藤沢文翁さん。

音楽はバンドを使った生演奏、
さらに炎、爆破、水などを使った特殊効果をつけた朗読劇。
“頭の中で作り出される劇場”をテーマに行なっているのが
藤沢さんの音楽朗読劇。

この“頭の中で作り出される劇場”というのが
音楽朗読劇に対するこだわりだそう。

『頭の中で作り上げられるものって
その人だけの世界なんですよ。
例えば絶世の美女と言われた時に
その方の絶世の美女を想像してくれれば良いわけで。
他にも美しい宮殿であったりとか
ありとあらゆるものが自分好みのものを
想像できるところが一番良いところなんじゃないですかね。』

１０月に上演されるプレミアム音楽朗読劇
「VOICARION XIII『女王がいた客室』」は
世界中で数々の革命が起き
王族が次々と滅びる時代。
ロシア革命でパリに亡命してきた
ロシア貴族だけで運営するホテルに
本物の元ロシア皇太后が訪れ、
ホテルマンとして過ごしてきた元ロシア貴族たちが
最後に、一晩だけ、貴族に戻るという物語。

キャストも豪華な声優陣が多数参加。
東京公演の一般前売りチケットは8月8日に発売スタート
ぜひチェックしてみてください。



++ Until now ++

藤沢さんのお爺様の趣味が
オペラや歌舞伎、クラッシックコンサートへ行くことだったとか。
そんなある日、ソビエトから
ボリス・ゴドゥノフというオペラの来日が決定。
このボリス・ゴドゥノフはお爺様の一番好きなオペラだったこともあり
孫である藤沢文翁さんと一緒に行こうとなりました。
そこでお爺様がどういうオペラなのか、
当時小学生だった藤沢さんに熱弁しますが、
歴史的なオペラなため難しい説明だったとか。

ですがその年の12月にお爺様は他界。
1人でボリス・ゴドゥノフを観に行くことに。
難しい説明だったため、
自分の中では聞いていないつもりでしたが
オペラを観た瞬間、お話ししていたことを思い出したそう。
お葬式でも泣かなかった藤沢さん、
涙を流してオペラを観たそうです。
そこから藤沢さんの中では劇場に通うのは
一種のお墓参りに近い感覚だとお話ししてくださいました。

その後、演劇を学びにロンドン大学へ留学され、
最初の方はプロデューサーを目指されていたそうですが
だんだんと自分で演劇に手を加えたくなってきたこともあり
最初は演出をされていましたが
そのうち脚本にも手を加えたくなり
それを見ていた大学の教授が
「それは劇作家の仕事」と言われたことから
ご自身で脚本を書き始め
自分で書いたものは自分で演出をしたいと思い
原作・脚本・演出をされるようになったそう。

++ Right now ++

ストレスを感じたことがないという藤沢さん。
健康診断での血液検査では
ストレスの数値がほぼなかったとか。

そのためこれまでストレス発散ということを
したことがないと話す。

趣味をお仕事にされていることもあり
プライベートの時間のことを聞かれると
いつも困ってしまうとのこと。
なので生涯できるスポーツを始めたいと考えているそう。

最近、ご覧になられた中で面白いなと感じたものは
YouTubeで見た、中村勘三郎さんの「高坏」と舞踊。
タップダンスと歌舞伎の融合のようなもので、
亡くなられた勘三郎さんのお爺様が
当時、チャップリンのタップダンスを見て
面白いと思い、歌舞伎に取り入れたのが始めなんだとか。



++ From now on ++

今後やってみたいこととして人形劇をあげる藤沢さん。
人間ではできないような
アクロバティックなことなどを人形を使い演出し
声優さんに声を当ててもらいたいとお話しされていました。

コロナ渦でエンタメ界にも大きな影響が出ている中、
オンラインで演出し、声優の方々に家で収録など
顔を合わせることなく朗読劇を作り配信されたそう。

『エンターテインメントってどこまで行っても
社会が落ち込んでいる時だからこそ
みんなを楽しませてあげないとっていう気持ちが
すごく強いんですよね。
“蛇は水を呑んで毒を作り、牛は水を呑んでミルクを作る”
という僕の好きな言葉で
同じ経験をしてもそれを
良い方に好転していける人たちを作るのが
エンターテインメントだし、
エンターテイメントを作る僕たちもそうあらないといけないし。
これがこれからの課題かなと思いますね。』