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STORY

2020.01.11

食の雑誌『dancyu』の編集長、植野広生さん

++ Introduction ++

食の雑誌『dancyu』の編集長、植野広生さん。
“良いお店”の定義は“空気感”で、入店した瞬間に
“何か良い店だな〜”と感じる直感を大切にしているとのこと。

『僕的には良いお店は3つの表情を見れば分かると思っていて、
それはお店、料理人やスタッフ、お客さんの表情です。
初めての店だと入る前に外観、看板、暖簾などを見ると
そこが良い表情をしているかどうかが分かりますし、
店内に入ると料理人やサービスはどういう表情で仕事しているか。
そして、本当に良い店は常に誰かがお客さんを見ているんですよ。
あとはお店から出てくるお客さんの顔を見れば、
その店が良いかどうかが分かると思うんですよ。
名店と言われていても店を出た瞬間に溜息をつくことがあるじゃないですか。
緊張感や対応であったり、最後に値段を見て驚いたということも含めて、
店を出た瞬間に素に戻るので、お客さんの表情を見れば分かりますよ』。

もう一つ大切なのが“距離感”という植野さん・・・

『パリの良いビストロは適度なざわめきと安らぎと緊張感があって
隣の人のテーブルと離れすぎず近すぎず間隔が本当に絶妙だと思っていて、
日本はそういう距離感のお店は少ないんですよ。
それは人の距離感もあって料理人と近すぎる常連がたくさんいると
入りにくかったりするじゃないですか』。

地方を訪れた時には市場に足を運んでおり、
そこで出会った人に地元で食べているものを教えてもらったり、
時にはその方のお宅で地元の料理を振る舞ってもらうこともあるとか。

『小樽に行った時にウニ漁師のお母さんがおにぎりを作ってくれましたが、
ウニに直接塩を振るのではなく紙塩して一晩置いたウニのおにぎりが
恐ろしく美味しくて… 余計な水分が抜けて軽く塩も入っているので
本当にウニよりウニという感じで、それをお母さんがにぎってくれて。
あのウニおにぎりは人生で食べた中でかなり思い出に残っていますね。
美味しいってそういうことだと思います。
それ作っている人たち、育てている人たち、流通している人たち…
いろいろな人たちの思いやストーリーがあって、
その結果が集約されているというか』。


++ Until now ++

幼少期は食いしん坊だという自覚は無かったそうですが、
今振り返るとお父様がメリハリをつけて食べさせてくれ、
日ごろは粗食だけれども、鰻や焼き肉を食べに行くこともあり、
子供心に混乱するような食生活だったとか。

大学時代は銀座にあった今は無き巨大キャバレー「モンテカルロ」で
黒服を始めとして鰻屋、アイスクリーム店、コーヒーショップなど
食関係のアルバイトが多かったものの、
未だかつて食の仕事に就きたいと思ったことは一度も無いそうで
伝える仕事がしたいと思っていたそう。

父親と同じ新聞記者を経て出版社に入って「日経マネー」という
財テク誌を担当しながら、その傍らで食の雑誌にも携わることに。

『雑誌「dancyu」が創刊したのは1990年12月ですけど、
その一年後に当時の編集長に会って・・・
“今、食の男の書き手が少ないので書いてみないか”と言われて
食のことを書かせていただくようになり、
2001年に“今、人手不足なのでうちに来ないか”と言われたので
転職という形でプレジデント社に入り、
それ以来、「dancyu」をやっているという感じですね』。

編集長という立場から食の雑誌として大切にしたいことについて・・・

『紙とデジタルということで言うと今はデジタルの情報が多すぎて
不便になっている部分もあると思っています。
例えば、“銀座・寿司”で検索すると200万軒くらい出てきて
その中からどれを探せばいいのかという状況で、
雑誌であれば例えば「dancyu」で寿司特集に10軒とか載っていたら
僕たちが読者の代わりにそのお店に実際に行って体験した上で
ワンステップ経たものを紹介しているので、それを見てもらえれば
200万軒から探すよりも角度が高いと思います』。

「dancyu」は基本的にトレンドや古い・新しい、A級・B級などは関係無く
今、本当に美味しいものや楽しいものを紹介しているということで、
植野さん個人としても“普遍的な普通の美味しさ”を求めていて
それが必要だと考えている中、あえて2020年の食の流れを予想するなら
原点回帰の動きがさらに進むのではということです。

++ Right now ++

「ダジャレ料理」が得意という植野さんはプライベートな食事イベントで
献立を考えて仕入れから料理まで全てを手がけることもあるそうで・・・

『例えば、「槇原敬之」というメニューは大きなお皿に
焼いた豚肉を端と端に置くんですよ。
“♪ポ〜ク ポ〜ク 離れていても… とか、”
「沢田研二」というメニューは“カッペリーニしやがれ〜”という
申し訳ないですけど全部そんな感じです。
基本的に我々の業界でいう「ダジャ先」なのでダジャレのメニューに
食材などを当てていきます』。



++ From now on ++

「dancyu」が主宰している「食いしん坊倶楽部」は
サイト上で登録すれば無料で入れる読者組織で
毎月、いろいろなイベントを開催していて
現在進行しているのは“新しい缶詰を作ろう”というプロジェクト。
高知県の「黒潮町缶詰製作所」と連携して駅弁に替わるオリジナル缶詰、
「駅缶」を開発中です。

2020年に個人的に行きたい所については・・・

『日本全国47都道府県は全て行っていますが高知にハマって…
食材も豊富で人も素晴らしくてお酒を愉しむのが好きで、
宴会のことを「おきゃく」と言いますが「おきゃく文化」は
皆んなが楽しめるような素晴らしさがあります。
僕は高知に通っていたら去年、「おきゃく大使」の第一号になりました』。

3月7日〜15日には高知市中心商店街で「おきゃく2020」という
年に一度の一大イベントが開催され、「おきゃく大使」の植野さんも
オープニングとエンディングに参加されるということです。

ON AIR LIST

  • WHAT IS THIS THING CALLED LOVE / WILLIE NELSON WITH NORAH JONES
  • WAITING GAME / SWING OUT SISTER
  • INHERIT THE WIND / THE CRUSADERS
  • PAPERBACKS / ARLO PARKS

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