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STORY

2018.09.08

株式会社「BEAMS」代表取締役、設楽洋さん

++ Introduction ++

1976年創業で今年、42年目を迎えた株式会社「BEAMS」の代表取締役、
設楽洋さん。曰く、ご本人は「ショートスリーパー」。
就寝するのは午前4時から5時で、起床は9時半ころ・・・
4〜5時間の平均睡眠で十分ということですが、一気に深い眠りに入るために
独自の呼吸法や瞑想を実践されているそうです。

起床したあと、午前10時頃に家を出て昼くらいまでは
見たいと思っているスポットや新店に足を運んだり、会いたい人に会って
出社後はアポイントが続き、就業後は食事などに行って、帰宅は午前1時前後。
そこからメールをチェックされているということ。

新しい情報の収集や次の流れを読むために実践されているポイントは3つあって、
1つ目は設楽さん曰く「ピンキリ・マーケティング」。
最新スポットと長く続く飲食店などディープなポイントの両極端に触れることで
その“間”が見えてくる。
そして、2つ目は会社のスタッフやお客様の中で情報に敏感な人を定点観測しながら
その言葉や行動に注目して情報を仕入れる、
さらに3つ目はトレンドに敏感な人やオタク文化に強い人のSNSでチェックして
自分の知らないジャンルから面白いものやことに関する情報を得ているそうです。

社員やスタッフを採用するにあたって設楽さんは・・・
『BEAMSは動物園のような会社と言われていますけど
新入社員の面接をする時に勿論、マネージメント型の面接官はどこの企業でも
採用されるような優秀な人材を選びますし、どちらかと言うとソフト型の人間は
他のことが全然ダメだけど、自転車には滅茶苦茶詳しいとか・・・
そういう一芸に秀でた人間を採りますね』。

日ごろ、設楽さんが社員に言っているのは“努力は見中に勝てない”ということ。
自分の大好きなことを仕事にできれば喜びですが、
“仕事の喜び”について極端に言えば二つだけで・・・
やりたいことではなくても破格のギャランティがもらえるか、
もしくは本当にやり甲斐ある仕事か、
ということで、
会社のトップとして社員に双方を与えられればベストだと思いつつも
現実的には難しい部分もあるため、趣味や好きなことに充てる時間を与えたり
それらに関わる社内プロジェクトに積極的に関わるチャンスを設けていること、
そして、BEAMSのスタッフはBEAMSが大好きという人間が多いので、
会社を辞める人が極端に少ないのでは、というお話でした。

設楽さんの企業カルチャー、理念はいつ頃生まれた?
『店をスタートした時には“セレクト”という言葉も無かったですけど
小さい店の時は一人のフィルターで通した物を集めて
“これが好きな人、集まれ〜”という感じですよね。
 
デパートが“百貨店”だとすれば、セレクトショップは“十貨店”でいいよと。
でも、それが好きな人が集まってきて徐々に大きくなって、
100人いれば100のBEAMSがあって、アウトドア好き、スポーツ好き、オタク、
音楽好きなど様々な好みのスタッフがいて、それぞれが自分の好きな物を集めて
“この指とまれ〜”とやっているのがBEAMS。そういう形で広がってきたんですね』。

BEAMSは出店する場所によって雰囲気が全く異なります。
原宿店はストリート風、渋谷店は学生向けな感じ、銀座店はコンサバで大人っぽい、
同じBEAMSでもそこいるスタッフが好きで、そこに合ったセレクトをしているので
今までのチャネルストアのように“金太郎飴的”ではないということです。



++ Until now ++

設楽さんは東京の新宿生まれで、小学生の時に初めて家にテレビが来て
アメリカのディズニーやホームドラマを観てアメリカに憧れ、
中学に入学されると洋楽や洋画に目覚めてアメリカ熱はさらに高まり
それが後のBEAMSにつながる初期ポイントだと振り返っています。

そして、大学に入った頃には学生運動の名残からバリケードで封鎖されていて
授業は休講だったので、雨の日は雀荘、晴れていれば湘南の海に行くという日々。
ひと夏、湘南で海の家をやっていた時に
横須賀の米軍キャンプの子供たちと親しくなり
それが縁でキャンプに連れて行ってもらったところ、
そこには夢で見ていたアメリカがその中にあったということです。

創業から42年を経た今、これまで振り返って設楽さんが感じるのは・・・

『BEAMSがスタートした1976年頃、
若者は物と情報が無いことに飢えていしまいた。
それが42年経って今の若者は物と情報が溢れているために飢えているんですよ。
何が楽しいかわからないと。
ですから、当時のセレクトは“これを見たことないでしょう”という物を
買ってきて見せてあげることが我々の役目でした。
が、今はたくさんある中から“カッコいいのはこれじゃないの〜”と絞ってあげること、
まさに“セレクトする““キュレーションしてあげる”が我々の仕事だと思います』。

設楽さんのアダ名は「タラちゃん」。
社内でも外部の人であっても自分自身が“社長”ということで相手が緊張してしまい
きっちり話をするべきところがコミュニケーションや情報量が限られると感じ、
どれだけ親しく話せるかという思いから、「タラちゃん」と呼んでもらうことで
気心知れた友達と話すような雰囲気を意識されているそうです。
設楽さんのポリシーは“決して威張らないしヘコヘコもしない”。
どのような人に対しても同様に「タラちゃん」と呼ばれて、
フラットに情報交換できることが大事だと思うということです。

++ Right now ++

30年ほど気功と瞑想をしているという
設楽さんはリラックスできる音楽を流しながら、
南の島のゴールデン・サンセットを頭に思い浮かべて呼吸法を実践されることで
イライラしていたりストレスを全て忘れて、“まぁいいか〜”という感覚になり
深い眠りに入れるということです。

プライベートで長期の休みが取れたらとることができたら…
一番行きたいのは南の島。島でなければ大好きなロサンゼルス、バリ、沖縄など
海とゴールデン・サンセットがあり、ゆっくりとした時間が流れる場所に
行きたいそうです。

仕事の場合は国と都市によって見るべき物の違いがあり、
先日もgoogle、Apple、Facebookの本社に行かれたということで、
アメリカであれば最新の未来学を学び、古くからの変わらない良いものの変化に
関してはヨーロッパ。
そして、行ったことが無い場所で興味があるのは南米というお話でした。


++ From now on ++

今、気になるファッションのトレンドは「ノームコア」「アスレジャー」。
この流れは一つのキーワードになっていて、言葉は変わったとしても
大きな意味で若者だけでなくソフト化、カジュアル化が進む傾向は
今後も続くと考えているそうです。


今の若い人たちについて設楽さんが
昔はファッションが本当に好きなマニアの人たちに憧れて、一般の人たちも
“モテたい”“カッコ良く思われたい”ということで付いてきましたが、
今はそれよりも自分の好きな物にお金を使うようになっているので
ファッションがそのような形でその人たちに夢を与えられるかということを
やらないといけない
そうするとエンターテイメントの要素であるとか、
スポーツの時のファッションであったり、単に着飾るということだけではない、
それを使ったらどんな楽しいことがあるかということも
提案していかなければいけない時代になったと思います。

BEAMSでは
フェス、アウトドア・イベント、キャンプなどに積極的に協力する中で
どのような道具を使ってテントを張ってどのようなファッショをするのが楽しいか
それを提案していますね

その一方で高齢化が進む中で設楽さんは・・・

『自分も正直に言ったら老人の世界なんですね、67歳ですから。
昔と今の老人は違っていて、高校や大学の時にBEAMSを通過していった人たちが
今、老人の世代に入っているわけで、そうなると見る目があるはず。
そこにビジネス・チャンスやムーブメントみたいなものができると思います』。

“ハッピー”を追求している集団BEAMSはアウトドアやスポーツなどのフィールドで
道具や場含めてファッションと捉えているそうで、
時代の変遷とともに新しい“ハッピーの材料”はメインストリームになり、
その一方ではオタク文化として発展すると考えて双方を提案してきたいとのこと。

この10月にオープンする六本木ヒルズの新店舗はファッションと並行して
これまでとは違ったカルチャーやアートを提案する
次の時代のBEAMSになるそうです。

夢、目標について設楽さんは・・・
『BEAMSのことを24時間やっている感じだし、24時間遊んでいるような形でもあり、
でも、それが自分のアンテナや感度である一方、若い人に任せていくことも含めて
もっともっと楽しい世の中にできることを大所高所からやって行きたい。
できれば、宇宙のファッションも手がけるところまで。次の世代では』。

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  • MOONLIGHT / DISCLOSURE
  • HAPPY MUSIC / BLACKBYRDS
  • SAMBA PATI / SANTANA
  • BLAZED / ARIANA GRANDE FEAT. PHARRELL WILLIAMS

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