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CHOYA NATURAL BEAUTY

チョーヤ梅酒

Aug. 02 2019

竹を中心とした職人手作りの自然素材の暮らしの竹かごを販売する市川商店をご紹介。

東京都荒川区に店舗を構えネット販売もしている、竹かご専門店・市川商店、5代目店主の市川伴武さんにお話を伺います。
こちらのお店では、主に日本の山々でとれる素材、竹やあけびづる、ぶどうづるなどを使ったカゴ細工を販売しています。
こちらのお店は、創業明治40年(1907年)という92年続く老舗です。昔はどの家庭に竹かごってあったそうですが、今はプラスチックや段ボールなどの代替品が増えて、竹かごを作る職人さんも少なくなっているそうです。市川さんは、4代目のお父様が亡くなったことをきっかけにお店を継ぐことにしたといいます。

「なにか思うこところがあって、今までの仕事もよかったんですが、ふと継ごうと思いました。この店にあるものに力や光るものがあって、こういうつながりがあるなら、もう1回つながりを温めてカゴ細工を作りたいとか、竹細工を作る方がいるなら本気でご紹介してやっていこうと思ったんです。妻にも相談して、妻と、母と3人で。だからこれといった理由がなく、本当にふとおりてきたと。関係ないですが、私の名前の“伴武”ですが音読みすると「バンブー」ってなるんです。音読みでバン、武士のブで「バンブー」英語で竹っていう意味。まさか自分がその名前の仕事をすると思わなかったんですけど、巡りめぐってそうなるっていうね。」

日本全国だけではなく、海外からにも足を運んで竹細工を仕入れにいく市川さん。選ぶ基準はどんなことなんでしょうか?

「選ぶポイントはそれぞれなんですが、例えば初めて行く産地の場合はできるだけ自分で選ばない様にしています。自分の好みや売れるんじゃないかといった考え方ではとらないようにしていて、その産地を紹介するということで、そこで作られているいろんなカゴ細工を幅広くとるようにしています。そうすることで産地がどういう産業に対してカゴを作っていたか、技術を落とし込んでいたか、というのが見えてきます。うちはカゴ屋なので、幅広く産地はこういうものを作っているますよというのを伝えたくてとるようにしています。行けるところはできるだけ行く。毎回買い付けをするわけではないですが、一度関係ができれば同じようなものを送っていただいています。今はお客さんも作り手さんの顔を見たいというのがあるんですが、作り手が見えるということはいいことであると思うんですが、現実的に一人のお客様が全部をまわるということは難しいので、せめて私たちはお客様との間にたって、職人さんの雰囲気や職人さんの工房の雰囲気を含めて、必要があればご説明するようにしています。」

バンブーさんがホレボレする竹ざるをご紹介しましょう。愛知県のザル職人の方のものです。

「このザルの作り手さんは、ご家庭用の直系30センチくらいのサイズのザルは作っていない方で、業務用の豆屋さんが豆をあらったり、和菓子屋さんがもち米を洗って水をきる直径60センチくらいの深いザルを作っていらっしゃいます。こういう大きな業務用のものを作る方に小さなザルを作ってもらったら、丈夫なことはないと。ですので丈夫さでいうと、この方のザルは負けませんし、それでいて風合いもいいんです。普通は産地によって材料の作り方違うんですが、安く作ろうと思うと途中で機械を入れたりするんですが、この方は、刃物、ナタにグラインダーで1本1本ひくんです。自分の手で確認しながら作るので間違いがありません。竹のザルは皮はツルツなので外側はツルツルですが、内側はささくれが怖いんですけど、この方のザルは怖くないんです。ささくれが全然指に当たらないっていうのは、1本1本自分でひいているから間違いがないということですね。」

最後に、こんなお話も伺いました。

「なんでしょうね、竹の魅力。狭い国土の中にあまたあると思っています。地域によっては、60年や120年のサイクルで竹が枯れたりもあるんですが、狭い国土の日本にもまだ生えていて、切っても1年で生えてくるので使い続けてもいい。環境負荷とかいろんなことが言われていますが、日本人は身近にある竹を使い続けて何も環境を壊してなかったんですよね。その潔さ、使っていて、悪いものではないですし、お客さんも見ててホッとする、触って安らぐ。それって数字ではかれないと思うんですけど、そういうものって大事なんじゃないかなぁ…って思いますね。」

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