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チョーヤ梅酒

Oct. 05 2018

ケアリングフード『エピキュール』の秋メニューをご紹介。

今日は、東京・元麻布でケアリングフードを提供しているレストラン『エピキュール』のシェフ・藤春幸治さんにお話を伺います。

『エピキュール』は以前このコーナーでご紹介しました。このケアリングフードというのは、ヴィーガンの人もベジタリアンの人も、糖質制限の人もアレルギーの人もと、多様化する食の好みに合わせた料理のことです。藤春さんは、どんな食の好みや食事規制があっても、1つの食卓でみんなが同じような食事ができる食文化を目指しています。
藤春さんは、どうして、こういう思いを持つようになったのでしょうか?

「昔の僕の食事の1つを例で挙げると、母親はよく夕方頃から夕食を作っていてました。トントンとまな板の音がしていて、匂いで「今日これだな?」とメニューを思ったり。父親が帰ってきてからは、みんなでじゃあ食べるぞーっと言って、というイメージでした。しかし僕は元々アトピー持ちなので、食べれないものも色々とありましたが、大人になってから治りました。今思えば、子供の時そこで自分だけ違うとか家族で過ごす食事とか、学校で行事があるときに自分だけ違う食事をとらないといけないということがやはり仲間外れのような気分になりました。自分だけ違うんだっていうことは、日本ではネガティブに考える方が多いじゃないですか。僕は料理しか作れないから、料理の観点から食のバリアフリーを実現したいなと思い、ネガティではなくポジティブに考えられるような食文化を作っていきたいと思ってます。s」

今、多いのが、乳製品アレルギーがお店に来て、パンを食べる時にバターを出せないという事も多いそうなんです。これまでは、バターの代わりにオリーブオイルやバルサミコ酢を出していたそうなんですが、最近では、こんなものを作って出すようになったそうです。

「みんなでシェアして食べる中で、乳製品アレルギーの子がオリーブオイルでパンをつけて食べてる様子は、何か違和感が僕なりに感じてしまっていました。そこには見た目は間違いなく同じですし、なおかつ味もバターっていうものをオリジナル作って出したいと思っていました。もちろん乳製品を一切入れずにです。今回ボクが作ってるバターは、日本初の大豆ベースのバターです。確実に見た目から味まで全てがバターで、そこにバターの特徴でもある脂質は、基本的にプロテイン、タンパク質です。だけどタンパク質だけどいうよりも、少しワガママになりたいと思ったのでそこにオカラのパウダーを入れて食物繊維とプロテインがとれるバターを作ったんですよ。それがウチでしか食べられない日本初のバターになりますね。」

植物性のバターもスゴイいんですが、さらに食物繊維たっぷりの麺も作りました。

「ダイエッターにしてみても小麦アレルギーにしてみてもやはり罪悪感があるイメージ、ネガティブなイメージの麺なんですけど、これもヴィーガン、動物性不使用でグルテンが入ってない麺をなおかつ常温で保存できるように、冷蔵や冷凍にしないで常温で持ち運びもできて保管にストレスがないようにして、常温保管ができる麺としても作ってます。もう完成しています。炭水化物が少なく、基本的な米粉なんですがおからパウダーを使っています。おからは100グラム中糖質が0.1グラムしかありません。食物繊維に関しては55グラムあります。これの配合がすごく大事でこの配合が、要は糖質が結果としてあったとしても血糖値が上がらなければ低糖質というか糖質制限する意味があるんです。糖質0グラム麺などもいいのですが、もっと美味しく食べたいとかもっと本物の麺に近づいたものを食べたいというストレスをもっていらっしゃる方には、そういった糖質はあるけど血糖は上がらないと言われてる低GIという数値を目標に食べていく。それが尚更一般の人も美味しく食べることができ、もちろんヴィーガンの方も食べることができて、小麦アレルギーの方も乳製品アレルギーの方も一般の方も美味しく食べられれば、これほど最高のものはないじゃないですか。それを作りました。」

植物性のバターや食物繊維がたっぷりの麺を生み出す藤春シェフ。これからどんなことをしたいのかを聞きました。

「お店に来ていただければ僕が直接作ってお出しして満足させることができるんですけど、やはり地方や海外からいらっしゃる方が、毎回僕のお店に来ることは交通費もかかるし時間もかかるし手間もお金もかかります。それが一般の手の届くところで買えるっていうか手に入れられることができれば、もう少し健康意識が高まっていくと思いますし、健康が何かと言えば継続しないと健康は成り立たないわけです。レストランに毎回通って健康なんて矛盾があると僕は思っているので、僕のレストランに逆にこなくてもいいので、その健康なものを手に取って健康意識を高めて継続しやすくすること、継続できれば健康に一歩二歩近づくと思います。僕の目的は僕が作る料理がもっと家庭的になって、コンビニエンスストアさんとかスーパーマーケットさんで簡単に手に入ること。それがヴィーガンでありアレルギーであり低糖質で食事制限してることをネガティブではなく、ポジティブに考えてもらえる食文化を根付かせることが僕の使命感という形で、今やっているんです。そんな食文化が日本に根付いたときには、引退してほのぼのと田舎暮らししようかなと思ってます。」

エピキュール  公式ホームページ >>

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