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CHOYA NATURAL BEAUTY

Jan. 24 2020

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おいしいものを作る時の味方になる野田琺瑯。上手な活用法も伺います。

今日は、真っ白な保存容器などで知っている人も多いはず、ALL MIDE IN JAPAN!野田琺瑯株式会社の琺瑯アイテムをご紹介します。
こちらの会社は、創業は1934年、今年で86年を迎える会社です。日本では、ピーク時には国内に90社以上あったホウロウメーカーも、現在は家庭用品を製造している会社だけでも数社のみ。鋼板ホウロウ製造で全ての工程を一貫しておこなっているのが、この野田琺瑯だけなんだそうです。
今日は、こだわりの琺瑯について広報担当の野田裕子さんにお話を伺います。
まずは、琺瑯ってどんなものなのかを聞きました。

「琺瑯というのは、金属を成形してかたちをつくり、そこにガラス質の釉薬を施し焼きつけたものです。歴史といたしましては、古代エジプト時代のツタンカーメン王の黄金のマスクが、金属にガラスを加工する技術を用いた最初期のものといわれております。弊社のホウロウは鋼板ホウロウと申しまして、鉄の板を成形し溶接してかたちをつくり、そこに、ガラス質の釉薬を施し、850度という高温の窯で焼成しております。かたちによっては、数十工程に及ぶものもあり、製造工程をお話しすると驚かれてしまう事もあるのですが、そのひとつひとつは全て職人の手仕事によるものです。出来上がったものをご覧いただきますと、カラフルでツルっとした質感。でもどこか温かみを感じると言っていただく事が多いのは手仕事品ならではの風合いなのかなとおもいます。弊社の工場は栃木県栃木市にあり、製品は使用している部品も含め、全て日本製になります。」

この琺瑯、すべて職人さんが手作りで作っているんですけど、どうやって作るのでしょうか?

「琺瑯って鉄の素地の部分があって、大きく言うと鉄板の上にガラス質を焼き付けている素材で鉄とガラスだけで出来ている。もともとは鉄の板なので、形にするわけです。一番難しいのは、ガラスの釉薬を均一に施すことなんです。それは職人の技量で、それを均一に施すようになるまでには最低でも10年以上かかりますね。製品の後ろには青色の野田琺瑯という印をおしているんですが、あれもハンコを押すようにすべて職人が手仕事で押しています。あれってすごく難しくて、押したときにはハンコみたいに明らかに見えない。焼きあがって初めて浮き出てくるので少し曲がっていても焼きあがって初めて分かるんです。なので、一応、私どもで作らせて頂いた証として押してはいるんですが、多少曲がったりしているものでも通常の製品としてお出ししていますね。」

製品は、お鍋やケトル・コーヒーポット類、バットやボール、保存容器、また、昔から保健室や病院などで使っていただいている洗面器や、理容室で使われていた消毒器、最近ではお皿やスプーン等のカトラリー類など、色やサイズ違いを含めますと約190種類ほどを定番品として作られています。
でも、やはり時代によって好まれるものも違ってくるんだって。!

「昔からシンプルなものほど好評です。時代と共に売れる色というか手に取って頂きやすい色があるようで、以前はカラフルなパッとした色が好まれていたんですが、最近はベージュやグレーなどの中間色、インテリアになじむ傾向がありますね。琺瑯を使われる年代の方って高齢の方もいらして、鍋が重く感じるようになってきたという方や、ご家族が独立された、反対に1人暮らしをされるとか、そういう方も多くて、扱いやすいというのもポイント。新しい製品で、『ココナベ』というのも出して、これは、個人個人の個々という意味を含めているんですが、こぶりの浅型の鍋でひとつでそれを使って野菜を洗って、そのまま料理に使えて、残ったら冷蔵庫にそのまま入れて頂きやすいサイズで、1つあれば、1つで完結してしまうという琺瑯ならではの特徴が活かせる鍋としてまだ出したばかりなんですが、ご好評いただいています。」

最後に、野田さん、こんな話もしてくれました!

「実際に使う機会も多くて、今となっては琺瑯がなくては生活が成り立たないくらい私自身は助かっています。保存容器なんですが、そのまま食卓に出しても保存容器感がないので、フタを開けて、直火にかけて温め直して、食卓に出して、またフタ閉めて冷蔵庫に戻すみたいな。なくては生きていけない。売れればいいという考えは本当になくて、欲しいものを作りたい、自分たちが欲しいモノじゃないと作りたくないというのは本当にありますね。」

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