スガシカオ「俺は終わったわ」何ヶ月も曲が書けず…抜け出すきっかけは電車で

2019年04月24日

J-WAVEで放送中の番組『SEIKO SOUND STORAGE』。当番組は、ミュージシャンやスポーツ選手など、各界で活躍するゲストがマンスリーで自らの音楽遍歴を語ります。4月はスガシカオさんが登場。4月19日(金)のオンエアでは、最新アルバム『労働なんかしないで 光合成だけで生きたい』の誕生秘話を語りました。


■最高傑作のあと、曲が書けない状態に

スガさんは、「いい作品やアルバムを作り『やった、できた!』と言った瞬間から次のアルバムとの戦い」と言います。特に自分が納得できる作品であればあるほど、次にかかる重圧は大きいそうです。

スガ:前作の『THE LAST』を出したときは、事務所もレコードメーカーも辞めてひとりになって。「自分の音楽人生において、これ以上できない最高傑作を作るためにひとりになります」と言って辞めたんです。6年間かけた『THE LAST』は、本当に自分の最高傑作だと思ってます。自伝的な歌詞の内容、超革新的な音楽が全部詰まっている最強のアルバムを作り上げたわけです。それが出たあとに20周年のイベントもあり、アジアツアーにも行って自分の音楽を試してみたり。それが終わった次の年には、アコギと歌だけで全国を周って、インフルエンザと戦いながら体力が失われていくのが自分でもわかりつつ、心身ともにヘトヘトになったところで「次のアルバムいってみよう!」と。去年の今ごろ、4月の中旬に新しいアルバムの制作が始まったんです。

しかし、「どうしたら前作を越えられるのか?」と悩み、全く曲が書けなくなりました。1曲もできない日が続くスランプを抜け出すきっかけは意外なことからでした。

スガ:「おまえ、何ヶ月曲作ってないんだよ」という感じになったんです。毎日仕事場に行ってパソコンの前で悩んで、昼の12時から夜の12時まで何も出ない。8月の終わりごろに「だめだ。何もでない。俺は終わったわ」というときに電車に乗っていたんです。俺の座っている目の前に30歳くらいのサラリーマンと女子高生が座って、ふたりとも耳にイヤホンを入れていたんです。僕が正面に座って「あのイヤホンの中に鳴っているとしたら、俺は一体どんな曲を作るんだろう」と思ったんです。それで曲を作りはじめたんです。「あのイヤホンの中で鳴っていると思って曲を作ろう」と曲を作り始めたら、けっこういいのができたんです。

これまでとは違う視点を持ったときに、次々と曲ができるようになったと振り返ります。

スガ:今までスガシカオというアーティストは、自分の内面に向き合ってめちゃめちゃ掘り下げて傷つけてそこから何かを引き出していて。「自分に対して納得がいく曲ができました。みんながその曲を聴きました」ということに、すごく喜びを感じるんですけど、作っているときに「誰が聴くか」とか、「どんな人が聴くか」など一回も考えたことがなかったんです。初めて聴いている人の顔を思い浮かべて曲を書いたらすごくいいのができたんです。「この調子でもう1曲作ってみようかな」と作ったら、どんどん曲ができました。

そうして、次々と歌詞を書いて曲ができ、12月の末くらいには、ほぼアルバムが完成。

スガ:今回のアルバムは、今までとは方向が違うというか、作り方とか見てる景色も違うのかなと思います。聴いていただくと、僕が歌って弾いているので似ているんですけど、方向が全部違うようなアルバムになっていると思います。

そんな最新アルバムでは、初の日本語タイトルにして、インパクトも大。「タイトルが変だと突っ込まれでもいいから、1曲でも聴いてもらえたら落とす自信がある」と話しました。


■1日しかないレコーディングの日に起きたハプニング

トーク後半では、ドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』のテーマ曲『Progress』を演奏するために結成したバンド・kokuaとの(最新アルバム収録曲)『黄昏ギター』のレコーディングにまつわる裏話も。多忙なメンバーを集められたのはたったの1日、そんな朝に起きたハプニングを語りました。

スガ:シャワーを浴びていたんですよ。頭とか洗っていて、そうしたらめちゃくちゃイメージが湧いてきて、歌詞が降りてきたんです。「やべえ、歌詞が降りてきたぞ」と、全裸のまま外に飛び出してメモをとったんです。頭はシャンプーでぐちゃぐちゃなので流しに行くと、どんどん言葉のイメージが湧いてくるんです。それでシャワーを出て書きなぐって「最後まで書き上げられるぞ」と思ったけど出発の時間なんです。

1日しかないレコーディングの時間と降りてきた歌詞を天秤にかけ、悩んだ末にスガさんは歌詞をとりました。

スガ:みんなに連絡して「今、歌詞が降りてきちゃったんで、書き上げてからそっちに行きます。遅刻しますけどすみません」みたいなメールをして3時間で書き上げたんです。その歌詞を持って3時間遅刻して、1日しかないレコーディングに合流したんですけど、その場で俺が歌ってその歌に合わせながらプレーをしたんです。ギターのソロとかベースの駆け上がりとかも、たぶん歌詞に触発されてインスピレーションで弾いたのがギュッと凝縮されたテイクになっていると思います。

スガさんは、最新アルバムを引っさげた全国ホールツアー『SUGA SHIKAO TOUR 2019 〜労働なんかしないで 光合成だけで生きたい〜』を4月末からスタートします。日程は公式サイトをチェックしてください。

この記事の放送回をradikoで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『SEIKO SOUND STORAGE』
放送日時:毎週金曜 24時−24時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/soundstorage/
Recommended by

News Ranking

Archive