「年収700万円」を超えると、幸福度が減っていく!? その理由は…

2019年01月30日

J-WAVEで放送中の番組『TOPPAN FUTURISM』(ナビゲーター:小川和也・南沢奈央)。今月はお金についてクローズアップ。1月27日(日)のオンエアでは、「お金は人を幸せにするのか?」をテーマにお届けしました。


■ある程度まで年収が高くなると、幸福度がアップしなくなる

お金と幸せの関係について、脳科学とエコノミストの視点から考えてみましょう。

まず、脳科学者の中野信子さんのお話を紹介します。ある程度まで年収が上がると、それ以上は幸福度が変わらないことが研究でわかっているのだそうです。

中野:幸福度の指標は「不安を感じない」「自分の日々に満足している」などさまざまですが、どの指標で測っても、だいたい年収が関わってきます。ある程度のところまで年収が上がると、それ以上は幸福度が増えないんです。その「ある程度」は国によって異なり、アメリカだと約7万5千ドル(約800万円)、日本だと約1500万円までは、稼げば稼ぐほど幸せになっていきます。それ以上だと、稼いでも必ずしも幸せ度が上がるとは限りません。日本の場合、1500万円から2,000万円くらいまでは幸せ度が下がっていきます。それ以降はサンプル数が少ないため、十分に研究が進んでいません。

1500万円を超えると「所得額」より、自分が基準にしている準拠集団内において自分がどこに位置するかという「所得順位」が重要になると中野さん。

中野:生々しいですが、例えば年収3億円を稼いでいても、隣の家の人が10億円稼いでいれば「不幸」と感じてしまう。この「所得順位」のワナから抜け出すためには、それぞれの基準を持つことが最も重要です。

一方、エコノミストの飯田泰之さんは「700万円」がひとつのボーダーになると述べました。

飯田:これは十分な研究蓄積があります。700万円までは年収と幸せはほぼ直結で、お金が増えるとより幸せになります。一方で、年収が700万円から1500万円までは、その関係が少し鈍ってきます。そしてだいたい1500万円から2000万円の間のどこかで、お金が増えても幸福度が上がらなくなります。そのため、世帯年収で700万円くらいまでは、ある程度「お金が重要だ」という行動をした方がよく、700万円を超えると「そんなにお金ばかりじゃないよ」と考えるべきです。1500万円を超えると、あまりお金を追い求めない方が、実は幸せになるかもしれません。これが世帯と幸福度に関するだいたい共通している統計的な見解です。


■家族に巨額の遺産相続があると知ったら…

番組では、白石一文さんの小説『一億円のさようなら』(徳間書店)を題材に、「お金と幸せ」について紐解きました。この本は、主人公の妻が48億円もの遺産を相続しながら、20年間隠していたことが判明する、という内容です。

小川:主人公は、子どもの教育費や自身の母親が病気などで、日々お金に苦労しています。そんななか、妻が遺産を隠していたことを知って、「あんなにお金に困っていたときに、なんでお金を持っていることを言ってくれなかったんだ」と信頼関係が崩れてしまう。ずっと仲良く暮らし、苦労を共にして生活してきた夫婦、そして家族が、遺産があるとわかった瞬間からギクシャクするんです。

妻は妻で、「48億円もの大金が夫婦の間に存在していたら、果たして今の夫婦関係のようにいられたのか」と悩むシーンがあります。

小川:48億円の遺産を手にしたとして、「俺は変わらないよ」と言っていても、「本当にそうなの?」と思ってしまいますよね。そうなってみないとわからない。最初から48億円の遺産があると知っていたら、はじめは上手くいったかもしれないけど、最後は夫婦の絆が戻らないという結果になるかもしれない。
南沢:夫婦にとって、自分にとって、「お金とは何なのか?」を考えさせられる一冊ですね。

もしも自分だったら……と考えると、お金への価値観を捉え直すことができるかもしれません。気になった方は、ぜひ手にとってみてください。

『TOPPAN FUTURISM』


■お金も「フィクション」のひとつ

最後に小川は「お金とはフィクションである」といい、全ては人間の脳が虚構を作りあげているものだと話します。

小川:世界的ベストセラーとなったユヴァル・ノア・ハラリ氏の1冊『サピエンス全史』でも、「人類の繁栄とは虚構の上にある」とあります。実は社会も家族も国家もお金も人間の脳が虚構を作りあげて、「いいもの・悪いもの」「幸せ・不幸せ」ということを生みだしている。でも、その虚構を共有し合えているから人間は社会を作れているわけですよね。「幸せと思い込んでいるものって、そもそも何なの?」って思わないですか? それは全部、脳の中の虚構なんです。

さらにお金との付き合い方に言及します。

小川:この世界はノンフィクションであり、作り物ではないと言いますけど、お金こそ最たる作り物であり、脳が作り上げている虚構であるからこそ、それに振り回されないように冷静に付き合っていく必要があると思います。

「お金があれば幸せになる」と考えがちな脳を、多方面の視点から柔軟にしてくれるオンエアとなりました。

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【番組情報】
番組名:『TOPPAN FUTURISM』
放送日時:毎週日曜 21時−21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/futurism/
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