ON AIR DATE
2026.05.31
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。

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TUDOR logo

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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

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--- 自虐的な気持ちになったバンコクの夜 ---

先日、訪れた「バンコク」について語る

旅の目的は内装を手がけた物件の引き渡しと
現地での映像撮影の話

海外出張が続いて疲れ切っている訓市が
今、欲している音楽とは?

少しでも時間を置いて訪れると
目まぐるしい変化と発展を遂げている
バンコクの街を歩いて感じた「日本の未来」「行く末」...

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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!

番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。

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2026.05.31

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

透明雑誌 FOREVER / 透明雑誌

2

Long Shot Penny / Monkey Majik

3

Saturday / Sparklehorse

4

Love. / Wave To Earth

5

雨上がり / ににんがし

6

Dusk / Okonski

7

Too Young To Go Steady / Sam Wilkes, Craig Weinrib & Dylan Day

8

Human Nature -Ambient- / Stayunseen

9

Espelhos d'Agua / Patricia Marx feat. Seu Jorge

2026.05.31

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。


KUNICHI was talking

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先日お話ししたイタリア1泊旅行の後に韓国に2泊して、東京に帰って1週間経たずにに今度はタイのバンコクに行ってきました。普通であれば「バンコク!やったー!」っていう風になるんですが、どうもこう飛行機ばかりに乗っていると全く気分が上がらないっていうことになりました。また深夜便で羽田に向かいバンコクに到着するのがものすごい早朝。アーリーチェックインを頼んでいたのですが、それでも数時間待つことになりました。空港到着予定が午前5時で、しかも何故かこういう時に限って早く到着するんですよ。4時20分ぐらいに着いたのかな。けれど、人気のない朝の空港も渋滞の全くないバンコクの街を走り抜けるのもとても気持ちが良く、ホテルに着いた後はそこの中庭にあった池を眺めながらタバコをぷかぷか、遠くの空を眺めながら贅沢な時間を過ごすことができました。今回はバンコクの友人のオフィスを作ったので、その引き渡しをしたり、バンコクのブランドの撮影をするのが目的でした。まず初日にオフィスの引き渡し現場に向かいました。そこは東京で言えば行ったことはないんですが「麻布台ヒルズ」のような巨大な商業施設。オフィス、ホテルからなる新築の建物だったんですけども、そのスケール感にびっくりしてしまいました。設計を手掛けているのがオランダの世界的建築家であるレム・コールハースのもの。天高もものすごくあれば、使用されている資材も何もかもお金がかかったもので僕は唸ってしまいました。そもそもタイ、特にバンコクでは財閥系と呼ばれる色々な一族が巨額なお金を持っていて再開発を競って行っています。ここがレム・コールハースを設計に使えば隣のライバル財閥がイギリスの例えばアップルの本社を作ったフォスター卿を使って巨大なビルを建てたりと、バンコクは世界的建築家の見本市のようになっています。僕は日本において安易な再開発に常に反対しています。街の色がどんどんと無くなって行くからなんですけども、それだけじゃなくて雑居ビルをなぎ倒した後に作られる再開発のビルはどれもこれも似たようなものばかりの安普請だからです。テナントにどこも同じような海外ブランドの店舗や飲食店を入れたとしてもどれも安っぽい。インバウンド客を狙うとして、もし彼らが旅先でブランド品を買うとしたら東京でわざわざ買うでしょうか。僕がもしそんな富裕層のインバウンド客だったとしたら絶対に買わないと思います。アジアの他所の国や中東の方がはるかに高級なビルを立てていて自尊心を満たしてくれそうだからです。日本の政治家はよく視察と言って大名旅行のような旅に出かけていますが、ちゃんとそういうところまで見ているのでしょうか。日本のデベロッパーは今の開発の仕方でこれから先の10年、20年を本気で戦えると思っているのでしょうか。僕にはどうもそう思えなくて、初日から頭の中が悶々としていました。まあそれにしても、そう考えさせるぐらい変わってしまった街がバックパッカー時代に僕が過ごしたバンコクだと、同じ街だと、どうしても信じられなくて本当に圧倒されっぱなしでした。

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撮影となると久しぶりにパタヤに行きました。はずれにあるビーチを借りて撮影したのですが、その時だけはどこかかつてのタイに戻ったような気分でホッとしました。ビーチで撮影をしていたので死ぬほど暑かったんですけども、毎日起こる夕方の豪雨前になんとか撮り終えることができました。バンコクって夏が実は3月、4月で、一番暑いと言われていて、本格的な雨季が6月と言われているんですけども、今年は雨の降り出しが早いと現地の友達も言っていて、毎日夕方には「バケツをひっくり返す」っていう言葉通りぐらいの雨が降っていました。僕はそういうのって興奮するタイプで、ワイパー越しに前が見えない雨をですね、必ずどこにいても中村あゆみの歌を歌いながら喜んでしまうんですけども、運転する友達はものすごく大変そうで、「いいよな、お前は呑気で」と文句を言っていました。本当に見えなくて事故渋滞がすごかったですからね、この豪雨の時に。そして夜は夜で毎晩、友達が美味しいというタイ料理屋だけでなくイタリアンやフレンチなど今までバンコクで行かなかったような店に連れて行ってくれたのですが、まあ内装もすごくレベルが上がってますし料理もすごく美味しかったです。ちょっと前までオシャレなとこに連れてくって言われると「ん?」っていう料理が出てきたり、しょうがないよなっていうことが結構あったんですけども、急激にレベルって本当に上がるものなんですね。そして上がったのは料理のレベルだけじゃなくて値段も。タイの通貨バーツに対しても日本円は大いに円安になってしまいました。それで仕方ないにしてもえらく高いんですよ。友達が連れて行ったお店は高級店だとは思うんですけども、それでもチラッと見た支払い額が東京の高いお店と変わらないっていう。この番組でずっと同じことを言い続けていますが僕らの周りの国の成長率や物価、賃金の上昇率っていうのは日本をはるかに上回っているわけです。初心者のスキーヤーが滑るなだらか斜面のような角度の日本と中級者向けのような斜面の角度で成長していく諸外国。「何も成長するだけが脳じゃないでしょ。日本はいまだに世界3位、4位の経済大国なんだからガタガタ言うな」。そういう人たちが結構いますが、かつての貯金を食いつぶしながら順位を抜かれたら抜き返す術が無さそうな日本。本当に政治制度を根本的に変えなければマズいと思う今日この頃。リスナーの皆さんはどう思いますか?何がマズいかなって思うかって言うと、今の日本の政治のスピードでこのAI社会の怒涛の変化について行ける訳は無いと思うんですよ。巨大企業の雇用体系が海外ではものすごいスピードで変わってきてます。もうホワイトカラーっていうのがマイノリティーになると。そしてその上に立つ行政・国としては同じようなスピード感で対処できなければあっという間に置いてきぼりになるわけです。無理だよなぁ、自虐的な気分で食べるカオマンガイの鶏肉が飲み込みづらかったのは調理方法ではなく、その時の僕の気分がそうさせたんだと思います。