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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- Viva! ITALIA!! ---
テーマは「イタリア」
訓市の体験史上初となる「一泊」のイタリア旅...
その道程は?
超強行スケジュールにも関わらずイタリアを訪れた目的
仕事の合間、移動時間に感じたこと、思ったこと、
心に決めたこと
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
The Bed's Too Big Without You / The Police
Sea Diver / Mott The People
Somebody Loving You / Lemon Twigs
Say You Love Me / Patti Austin
今日は休みだ feat. 田我流 / Evisbeats
Memory Of Our Love / Donny Hathaway
Everlasting Love / Rufus feat. Chaka Khan
Suzanne / Mark Ronson feat. Raye
Mrs. Magic / Strawberry Guy
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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先日、イタリアに行ってきました。イタリアに行くのはコロナ禍の明けすぐ。まだ飛行機に乗る時にPCR検査が必要な頃で、もう5年前になると思います。それ以来でミラノに向かったのですが、ミラノとなるともう10年ぶり以上のことです。しかも滞在1泊という、この僕でも今までに1度もやったこともないような強行スケジュール。と言うのも急に取材が決まり、尚且つその滞在の後すぐ韓国に行くことが随分前に決まっていたからです。月曜日の夜便に乗ってまずパリに飛び、早朝に着くとすぐにミラノ行きの飛行機に乗り換えてミラノに行き、そこで取材をした後、今度は車で3時間かけてモデナへ行き夕食会をして、翌日の朝から夕方の5時まで30分置きの取材をやり、終わるとまた3時間かけてミラノに戻り、その日の夜便で韓国のソウルへ向かうというものでした。つまり、機中泊が2回、ホテルに泊まるのは1泊という、今こうして話していても気分が悪くなるようなスケジュール。ここまで行く前から乗り気がしない旅も珍しかったですね。そして持っていく鞄も悩みました。割とバゲッジロストが多いことで有名な航空会社だったからです。パリに着いてからミラノ行きまでの時間が1時間40分しかありません。それでもスーツを持ってかなきゃいけないし預けたいなと思っていたところ、登場前日に同じ航空会社で、「一昨日、パリ経由でドイツに行った知り合いの鞄がやはり乗り継ぎ時にバゲッジロストした」と聞いて、全部ハンドキャリーで持っていくことにしました。ターミナル間の移動が面倒臭くなるとはいえロストするよりマシです。夜、飛行機に乗り込むと長い1日が始まりました。昔は11時間かそこらで着いたパリ。今ではたっぷり映画が7本見られるような時間があります。全く頭に入ってこない映画を見てもちっとも眠くならない。そりゃそうっすよね、普段は酒を飲んでいる時間ですから。やっと寝られたと思ったら、「もうパリですよ」と起こされました。降りて荷物を抱えながら急いで入国手続きをするとトラムに乗って急いでターミナルを移動。ミラノには朝の8時半くらいに到着して、すぐにホテルにチェックイン。レイトチェックアウトで午後の3時にはチェックアウトという何とも贅沢な使い方で、1晩ぐらい寝たいなと本気で思いました。そしてミラノに着いてから、その時がデザインウィーク、ミラノの「サローネ」開催中だったということに気がつきました。サローネとは世界中からプロダクトや家具のデザイナーたちが集まるデザインフェスで、僕も2000年代の頭、「sputnik」という名前で家具やプロダクトを作るプロジェクトで参加したことがありました。みんな寝袋でミラノのプレス窓口になっていた会社の倉庫かなんかで転がって寝る、文化祭のノリで過ごしながら設営をして展示会場を作ったりしていました。もうあれから25年も経ってしまったのかと考えに浸ってしまいました。25年前という以上にその記憶が鮮明すぎたからです。そんなことを考えていると友達でスピーカーを「OJAS」の名前で作っているデヴォンもミラノにいることが分かり、さっそく連絡を取って一緒にコーヒーを飲むことにしました。ホテルを出ると、すぐ目の前にあの有名な「ドゥオモ」、大聖堂の姿が見えました。
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昔見た時はすごく大きく見えたんですけどね、「ドゥオモ」が。大人になってしまったんでしょうか、昔より少し小さく見えました。デヴォンと古いカフェに入りコーヒーを飲みながら色んな話をしたあと散歩をしました。デヴォンの友達がちょうどミラノにいるっていうことで、そのスタジオまで歩いて行きました。ヨーロッパの街を歩くって、なんかこうすごくウキウキするんですけども何でしょうかね。古い建物や風になびく街路樹。物語の一部になったような気分になります。午後はイベントに出て、それからデザイナーのマーク・ニューソンと同じ車に乗ってモデナに片道3時間の車旅。マーク・ニューソンは家具から時計、飛行機に船と何でもデザインする人で、アップルのデザインチームでも働いた、言わばデザイン界のスーパースターですが、25年前のサローネにも一緒に行った古い友人であり共通の友達もたくさんいるのですけど、こうして2人きりで後部座席に座ってお酒抜きで長い時間を過ごすのはものすごく久しぶりで色んな話をしました。マークが90年代の東京に来てデザイナーとしてのキャリアを積みながら毎晩遊んでいた当時の話からここ最近のこと・・・窓を開け日が暮れようとしているイタリアの田園風景を眺めながら、この25年間に起きたことを話すのはとても楽しかったですけども何かちょっとしんみりもしてしまいました。モデナで5時間の実にイタリアらしい夕飯を食べ、翌朝は隣町のマラネッロへと向かいました。そこに本社を置くフェラーリの工場を訪れるためです。もちろん僕がフェラーリを買ったりオーダーをしに行ったわけではなく、ちなみに運転したことも無いんですけども取材のためです。それはもうすぐ出る『BRUTUS』で特集となりますので、「フェラーリいいね!」という方はぜひ買ってください。工場見学とそれに伴う色んな方にインタビューをしたのですが面白かったです。特に川を扱う工場はほぼ働く人たちが肝っ玉の座ってそうな女性ばかりで、なんだか「紅の豚」を思い出しました。すごくよく笑うし、なのにものすごいスピードで正確に革を切ったり塗ったりしているからです。朝の9時から夕方の5時まで仕事をして、それからまた3時間かけてミラノの空港にとんぼ帰り。それは夜便で韓国はソウルに行くためです。こうして僕のイタリア1泊旅行は終わりました。帰りの車は僕1人、窓を開けてずっと外を眺めていました。社内に入り込んでくる空気にはなぜか独特な匂いがあるような気がしました。それがイタリアの糸杉の匂いなのか牧草なのか小麦なのか、僕には分かりませんでしたが、乾いた土と植物の混じった匂いがしました。それを嗅いで「ああ、これは僕がかつて嗅いだイタリアの匂いだ」とそう思いました。土地には土地特有の匂いがあります。久しぶりに嗅いだイタリアの匂いはまた近く絶対に帰ってこようと思わせる、そんな素敵な匂いでした。ビバ!イタリア
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。


