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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 1日平均10,000歩 ---
テーマは「散歩」
ここ最近は一日当たりの平均歩数が
10,000を記録している訓市...
東京の各所で飲んだ後、自宅まで歩いて帰る途中に
見かけた“意外な施設”とは?
都内で最も好きな場所「外苑」界隈を
歩きながら考えてしまうこと
実はこの日で番組は12年前に突入!
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
そして、旅の話だけでなく、仕事、進路、
人間関係から恋愛、夫婦・親子関係まで
全ジャンル、全テーマにご対応!
曲のリクエスト、選曲オーダーにもお応えします。
番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Brand New Day (Cornelius Remix) / Sting
Men In Black / Will Smith
Lives In You / Kaye Marie
Surf Club / eejebee feat. FKJ & Paloma Monnappa
Summerend / Beat Crusaders
Goodbye Stranger / Supertramp
Open Up Your Door / Richard Hawley
One Day In The Sun / Colin Stetson
The Field / Blood Orange feat. Drutti Column
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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よく歩く話をしますが、最近は特によく歩いています。iPhoneに「ヘルス」というアプリが最初からついているのを知っていますか?あれには万歩計が入っているんですよ。だいたい夏前からの1日の平均歩数が1万歩を超えていて、通年で見ても9,000を超えるようになりました。まぁだいたい1時間ちょっととか1時間半ぐらい歩いてるという感じでしょうか。飛行機に乗っている時間など移動も多いので、わりとそういう時以外は歩いてこの数字になりました。「いつ歩いてるの?」ってよく聞かれるんですけども一番歩くのは酒を飲んでからです。夏は夜でもとんでもなく暑くて汗でびしょびしょになっていましたが、それでも昼より気持ちがいいので歩いてました。まあ普段歩いたら10分くらいの距離でも酔ってますからね、倍ぐらいかかったりもするんですが、それは気持ちのいいものです。AirPodsで今日はこれにしようという音楽を決めながらフラフラと歩道を歩く。ああ、こんな所に新しい店ができてる。あれ、あったはずの店がなくなってる。昼間の仕事で急いで移動する時には気づかない変化というのを夜の散歩は教えてくれます。例えば代々木の上原あたりで飲む時はそのまま「代々木公園」を歩いたり。どんな時間にも走ってる人がいるんですよ、あそこ。果たしてこの時間に走ることが健康にいいのか?と疑問に思ったりもします。でも、夜の代々木は本当にいいですよ。空が高いですし、自分が今東京にいるのか、それともどこか山にいるのか分からなくなります。それを言うと「明治神宮」の方がさらに素晴らしいのですけれど、夜が入れないのが残念です。そもそも、散歩の為にある訳ではないのでダメでしょうけども、あそこの中の木の匂いっていうのは23区内だとは思えない素晴らしいものがあります。あと、「新宿御苑」。あそこも夜閉まってしまうのがなんとも残念なんですけども・・・友達で「これからもうちょっと郊外に住んで、都心と違って自然が豊かな所に引っ越したけど良い」なんて言われたりしますが、それなら新宿の御苑あたりに住んだ方が家賃は上がってしまうかもしれませんが、はるかに自然を感じられるような気がします。先日は中目黒で飲んでいて新宿の方に次呼ばれたので、夜中歩いて行ったんですよ。山手通り沿いを。そしたら色んな発見がありました。夏ですから歩道に出てきてしゃべってる酔っ払いが結構いるんですけども、そこで知り合いと会って色んな話をしたりと面白かったんですが、途中で山手通りに、こんな所にお寺と墓地があったっけっていうのがあったんですよ。しかも看板が出ていて、「樹木葬をやってます」みたいな。最近は墓仕舞いをする人が増えてるっていう話を事務所でもしていたんですよ。1人っ子が増えて、結婚すると奥さんの方のお墓を継ぐ人がいないとか、出身の田舎にはもう帰ることがない以上お墓を処分しなきゃとか、子供もいないし自分が死んだらお墓を守る人がいないということで「樹木葬」にする、そういう人が多いらしいんですね。僕は輪廻転生を信じてます。と言っても、また人間に生まれ変わるとかではなくて、地球上にあるあらゆる物質っていうのは何かまた別の物質としてぐるぐる循環するというものです。だから樹木葬というのは土の栄養になるわけだから、いいなあと酔っ払いながら思いました。それが池尻あたりでいいのかっていう疑問もあったんですけども。
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それから最近は四谷の「荒木町」辺りに呼ばれて飲むことがあったので、その辺りを歩き回りました。四谷3丁目とかあの辺りって大通りは賑やかなんですけども、道を一本奥に入ると古い住宅街なんですよ。人ひとりしか通れないような路地があったり。そういう所を歩いて、「お、古い家がある。改造したら面白そうだな」とか、「これはこのまんまいけんじゃないのか」とか、別に新しい店を作りたいとか予定も何にもないんですけども、そういう物件を見て想像するのがすごく楽しいんですよ。そのうち外苑西通りに出て、それなら外苑までテクテク歩いて行こうかなんて歩いていると、ちょっとした空き地というか茂みのような所があって、縦看板があったんですよ。僕、ああいう看板とかがあると全部読みたくなるんですよね。で、読んだら「新選組の沖田総司が亡くなった場所」と書いてあったり・・・。そういえば昔、子母澤寛の本かなんかで「千駄ケ谷の植木屋の軒先で、離れで死んだ」っていうのを読んだことがあったんですが、まさかこんな所に。もう一気に酔いが冷めて、急に新選組のことを調べたりして。楽しいんですよ、歩くっていうのは。先日は友達が歌舞伎町でパーティーをやるから、大きいクライアントなので是非、顔を出してほしいと言われて歩いて行ったんですよ。まず新宿のその辺は行かないんですが、酔っ払った若い子とかホストクラブが乱立する様子を見ていると何となく気分が落ちていくというか。何ですかね、どうも若い子が食い物にされている感っていうのが少しあるじゃないですか、あの辺って。しばらくはこの辺の散歩はいいかなって思いました。下北から渋谷まで歩いたり、ラジオの収録後に1杯飲んで六本木から渋谷まで歩いたり。まあそんなことをやっていると1日に1時間くらいは余裕で歩くようになるわけです。そんな中やっぱり一番好きなのは外苑ですけども、どこかへ向かう途中に外苑を通るということになると、あーやっぱりここは都会のオアシスだなって思います。何もなくて空が低い。そういえば一時期話題になった外苑の再開発の話はニュースにもならないことが増えてきましたが、どうなってるんでしょうか。天皇陛下から我々の生活の憩いの場として明治神宮管理となった外苑。手入れや維持にお金がかかるから民間と再開発してその費用を賄うというのが、確か外苑再開発の大義名分だったと思いますが・・・だったら、新宿御苑のように入場料を取ったり通行料を取ればいいのにって思うんですよ、僕は。東京から葉山まで車で行くと横横の高速を降りるとすぐ逗葉新道というのがあって、距離にしたら2キロとかもっと短いんじゃないんですかね。100円取られるんですよ。しかもETCじゃなくて人に渡すんですが、現金で払う。でもそこを通らなければならないということで文句言う人はいません。ということはですよ、外苑だって、あそこを通る車から100円取ればいいんですよ。文句言う人いないと思うんですよね。そうしたら何もないままの外苑が、樹齢100年になろうとしてる木が守れるんじゃないのかと思いました。8月に行ったニューヨークのセントラルパーク。確かに周りは高層ビルばかりですが公園の中に建物はありません。銀杏並木の隣に神宮球場を立て直すそうですが、並木側に外野席ができるんですよ。高さ50メートルですよ。根っこが大丈夫なのかっていう議論になってましたが、それ以前に日は当たるんでしょうか。並木道の左と右では紅葉の進み具合が違って、どっかのパンクスの頭みたいなツートーンになったら嫌だな。そんなことを毎回思いながら外苑を歩いています。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。


