ON AIR DATE
2025.09.07
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  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。

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TUDOR logo

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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

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--- 都会のオアシス in NEW YORK ---

テーマは「ニューヨーク再び」

6月末以来、今年2度目のニューヨーク訪問を果たした訓市...
今回の旅の目的とは?

約40年前に足を運んだ場所を再訪して
感じたこと、思ったこと

ニューヨーカーにとって最大のオアシスで何をしたのか?


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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!

そして、旅の話だけでなく、仕事、進路、
人間関係から恋愛、夫婦・親子関係まで
全ジャンル、全テーマにご対応!
曲のリクエスト、選曲オーダーにもお応えします。

番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。

2025.09.07

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Fallin' For You / Colbie Caillat

2

Be That Easy / Sade

3

Roses / Lynda Dawn

4

Summer's Over / Dennis Harte

5

Saturdays Vibrations / FNCY & 9m88

6

Vibin' Out / FKJ

7

Nightrider / Tom Misch & Yussef Dayes

8

Key To Love (Is Understanding) / Badbadnotgood feat. Jonah Yano

9

20201203 / Mac DeMarco

2025.09.07

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。


KUNICHI was talking

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まあ、8月が終わり、夏が終わり。その前のお盆も仕事で何もできなかったんですが、ちょうどその前に再びニューヨークに行ってました。6月末にも行きましたから、ほぼ1ヶ月ちょっとの間に3回もアメリカ本土に行ったことになります。さすがに毎回10時間以上機内で過ごすというので結構体にガタがきました。ま、と言うか向こう行って酒飲んでるからだって言われてしまうんですけども・・・。今回、夕方の羽田便で出発して同日の夕方ニューヨークに着いて、翌朝の早くから撮影というタイトなスケジュールだったんですが、フジロックも行っていまして仕事を溜め込んでいて、羽田に向かうのが4時に着けばいいから、それまで打ち合わせとか色々できるなと予定を入れていたら、朝に航空会社から携帯にテキストが。結構頻繁に来るんです。「チェックインはお済みですか」とか「飛行場がどうだ」っていう。それかなと思ってちらっと見たら、「あなたのフライトがキャンセルになりました。払い戻し手続きか、他の便への振替作業をしてください」という文面が。理由も書いて無いっていうか、え?っていう。慌ててその振替便っていうのをサジェスト、アプリがしてくれるんで見ると全部乗り換えで、もう20何時間で向こうに夜中に着こうが、これは行くしかないんですよ。行かないと仕事になんないんで。ところがですね、選んでみると要はアメリカ本土で嵐かなんかがあって全てが狂ってるんですよ、スケジュールが。なので、出発時間が確定していないから今すぐ空港に来てスタンバイしろっていうメッセージが出るんですよ。そりゃマズイってなって、結局電話をしたところ、「まぁ野村さん、あなたはものすごく飛行機に乗るお客様なので、特別な電話デスクに回します」って言ってくれて、結局、日系の他の航空会社に振り替えてくれたんですよね。その系列でもない。それですごい助かったんですけども、アメリカ系の航空会社を使う場合、日本が晴れていてもアメリカで嵐とかハリケーンが来ると色んな辻褄が合わなくなって遅れたりキャンセルになったりするんですよ。なので、必ず乗る前にアメリカの天気予報とかっていうのをちょっと気にした方がいいと思います。同じ時間の飛行機に乗り換えたので、予定通りに1ヶ月ぶりのニューヨークに着きました。6月末は最終的に最高気温が36度だ38度だと東京のように暑く蒸していて、今回の仕事がファッションブランドの秋冬物の撮影をロケでやらなければならないということで地獄のような撮影になるんじゃないかと備えていたんですが、僕のフライトをキャンセルさせた嵐のせいで着いた日から気温が10度以上下がり、しかも曇っていたので最高の秋冬物の撮影日和となりました。ニューヨークらしい場所で撮るというお題があったんですが、だいたいそこに場所代として高い料金が発生するのですが、こういう時に普段から飲み屋でせっせとお金を落としていたり奢っていたりすると助かるんですよ。「前回もすごい使ってくれたよな。撮影ぐらいタダにしてやるぜ」とか「バーの中に入って撮ってもいいよ」とか、1円もお金がかかりませんでした。この円高時代にドルで払うものが無いっていうのがどれほど有り難いか。人の繋がりってこういう時に助かるんだなと本当に感謝しました。こちらは10人くらいの大所帯だったんですけども夕飯を食べに行ったら半額にしてくれたり、お酒をサービスしてくれたり、オーナーが出てきて料理や酒を奢ってくれたり、安くしてくれることってのがまあよくあるんですけども、気にしているのはサーブしてくれている人たちやバーテンさんとはそれは関係がなく、彼らはチップを頼りにしてるわけですからチップをそのままあげる。例えばオーナーがそこのバーにいるバーテンに「一晩、クンには好きな酒を出してやってくれ」と言ってくれたとしても、夜の終わりにはそのバーテンさんに作ったお酒の総額分のチップは払う。もしくは時には1杯奢ったり。持ちつ持たれつ、そうやってみんな楽しく時を過ごす。「親切は受け取るだけじゃなくて、ちゃんと返さないとな」といつも思っています。

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今回、撮影で色んなニューヨークらしい所で撮りたいということで普段なかなか行かない所に久しぶりに行きました。以前ラジオでビル・マーレーの話をした時に彼の行きつけであると話した「カーライルホテル」。かつての東京のオークラみたいな感じですけどもそこにも行きましたし、晴れた朝、「セントラルパーク」にも行きました。まずは、かつてジョン・レノンが住んでいたダコタハウスあたりにロケバスを停め、みんなそれで大喜びでしたけどね。ここがジョン・レノンのっていう。そこからセントラルパークの中を歩きました。「本当に大都会のど真ん中なのかここは」というくらい開けて緑に溢れた場所です。そこにいる人たちは皆、芝生に寝転んでうとうとしていたり読書をしていたり。都会のオアシスってよく公園のことを言いますが本当に大事だなと思いました。セントラルパークって大したもの置いてないんですよ。ただただ自然を生かした地形で緑と大きな木たちが生えています。なんだか夏の間で初めて胸いっぱいに夏の匂いを嗅いだような気がしました。それから「グランドセントラルステーション」にも行きました。グランドセントラルはニューヨークにおける東京駅のようなそんな駅です。ずいぶんと訪れていなかったので行った瞬間に、「ああ、ここ昔よく来たな」と思い出しました。僕が初めてニューヨークを訪れたのはもう40年近く前だと思いますが、ここから電車に乗って東海岸の街に行ったことを思い出して歳を取ったなと再び実感もしました。最近は仕事で行くとだいたいダウンタウンにしかいないものですから、そっから出ないんですよね。なので色んな場所を転々と移動できて見れたのは僕にとってのニューヨーク再発見のようで、とても楽しかったです。そういえば普段は全部歩いてしまうんで、久しぶりに地下鉄にも乗って美術館とかに行ったんですけども運賃が一律だからできるのかもしれませんが、地下鉄もですね、もうチケットとかメトロカード買わないでクイックペイで払えて乗れちゃうんですよね。めちゃくちゃ便利じゃないこれって思うと同時にメトロカードを持ってニューヨークを歩いていると何か地下鉄を乗りこなして通だねって言われて誇らしげな気分になったものですが、それももうなくなってしまったのかとちょっと悲しくなりました。それから昔よく行ったハンバーガー屋さんに行ったり、10年以上前、朝になるとわざわざ30分歩いて食べに行っていたベーカリーとか古いダイナーとか。気づいてみるとたぶん2010年ぐらいからですから、15年以上行ってない場所っていうのがたくさんあってフレッシュな気分になりました。初めてニューヨークに来るっていうのがその撮影スタッフの中にいたんですけども、そういう人と一緒にいると、こちらもいろいろ見せようとやる気が出るじゃないですか。それで色んなとこに行けたのがすごく良かったなと。その中でも個人的なハイライトはですね、撮影が早く終わって見に行くことができたYussef DayesとFKJのライブ。ニューヨークに行く前日にたまたま日本にいたFKJのドラマーをやっていた人と飲み屋で知り合いまして、彼が音楽をかけていたらすごい気持ちいいジャジーな曲をかけるんですよ。それで「君、いいね」みたいな声をかけたら仲良くなって、彼が「FKJがニューヨークのセントラルパークでユセフとライブをやるから、行きたいならゲストをとってあげるよ」と連絡が来たんです。なので撮影スタッフみんなで行きました。セントラルパークのちょうど真ん中ぐらいですかね、野外ステージがあるんですよ。感じで言うとほんと日比谷公園の野外音楽堂のような。ただ、席があるとかじゃなくて人工芝が敷かれていて、そこで寝転がりながらビールを飲んだりしながら音楽が聴ける。明るい青空を眺めながら僕も寝っころがると、ゆるーいジャジーな音がステージから流れてくる。時差ボケと撮影疲れと、そしてあまりに音が優しいので久しぶりにライブ中に寝落ちしてしまったんですけども、それがめちゃくちゃ気持ちよかったんですよね。起きて見なきゃと思いつつも、もう体が動かないっていうか。そのうち寝てしまって、気づいたらほぼ終わりだったんですけども、最高の昼寝となりました。日本でも代々木公園とか砧公園とかの芝生でライブとかできないんですかね。1年に1回とか2回でもいいんで。みんな寝転んで音楽を聴く、そんなことができたら夏最高の思い出になると思います。