ON AIR DATE
2025.08.10
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。

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TUDOR logo

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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

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--- やっぱり、ロスもイイなぁ〜 ---

約3ヶ月ぶり、今年2度目のロサンゼル...
空港に到着後、チェックインよりも前に
足を運んだ所とは?

今回の旅の目的は「スケバン」。
会場を埋め尽くしたアニオタ達が見守る中、
訓市のパフォーマンスはいかに?

若いスケーター達と過ごしたリラックスタイム...
その時に訓市が思ったこと、
感じたことについて語る。

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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!

そして、旅の話だけでなく、仕事、進路、
人間関係から恋愛、夫婦・親子関係まで
全ジャンル、全テーマにご対応!
曲のリクエスト、選曲オーダーにもお応えします。

番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。

2025.08.10

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Brother / Needtobreathe

2

I Can Se Clearly Now / Ray Charles

3

Young, Wild & Free / Snoop Dogg & Wiz Khalifa

4

Feminina / Joyce

5

The Theme From Big Wave / 山下達郎

6

Sending My Love / Zhane

7

I Just Wanna Stop / Gino Vannelli

8

Sea Gets Hotter / Durand Jones & The Indications

9

Sunshine Sometime / Paul McCartney

2025.08.10

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。


KUNICHI was talking

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先日、まあ7月なんですけどもロサンゼルスに行きました。4月に「コーチェラ」に行った以来ですから3ヶ月ぶりということでしょうか。その前の6月に行ったニューヨークが地獄のように暑かったのでロスはどうかと心配していたんですけども、そこはほぼ砂漠気候のロス。日中はもちろん暑いんですけども湿気が無いので、日陰にいれば大丈夫という感じで助かりました。今回は久しぶりに日本女子プロレスラーを集めた独自の大会「スケバン」の試合が「アニコン」というアニメフェスの会場内で行われることとなり、またまたリングアナとして登場するためでした。本当は前日入りしたかったのですが色々と予定が重なり、当日の昼に到着して、その日の夜の7時から本番という大変大変ハードなスケジュールとなりました。ロスに住む友達が空港まで迎えに来てくれて、二日酔いのまま寝不足で到着した僕を恒例の空港のすぐ近くにある「イン・アンド・アウトバーガー」に連れて行ってくれました。ここは本当に空港の滑走路のすぐ近くにあって、ありえないくらい近いんですよ。外で食べていると着陸する飛行機が頭上から落ちてくるんじゃないかっていうぐらいの距離でバーガーにありつける大変有難いロケーション。ロスに日中に着く、レンタカーを借りたらすぐに「イン・アンド・アウト」を食べたい・・・そんな肉食トラベラーにはお勧めのお店です。バーガーを食べ、ロスで「スケバン」が開催される時は何故かここ!と決まっている「サンセットマーキー」というホテルにチェックイン。ここはロスの中でも1番ぐらい騒がしいサンセットストリップというエリアから1本入った所にある老舗のホテル。ロックバンドのメンバーに長らく愛されてきたという3階建ての建物には、ここで滞在したことのある数々のバンドマンの写真が無数に飾られています。ロック好きという人たちにはかなりお勧めのホテルです。そこでシャワーを浴びてからスーツを片手に、いざアニコンへ。会場はダウンタウン近くの「コンベンションセンター」で、もうとんでもない数のコスプレをした来場者で埋め尽くされていました。何万人いたのか分かりませんが凄い熱気で、アニメの底力って本当にすごいなと思い知らされました。そして、そこにいるコスプレイヤーたちの日本アニメの着用率ときたら…。選挙の話をした時に「今後の日本は何で稼いでいくのか?」という話をしましたが、アニメは本当に国策として、ちゃんとバックアップしたらいいんじゃないかと改めて思いました。アニメーターの給料を上げるだけじゃなくて、産業として国がバックアップして売り込んで行く。アニメっていうのは大抵、原作の漫画があって、そこから連続ものの放送になったり、映画になったりゲームになったり、1つのコンテンツが当たれば、そこから無限に広がっていくことの出来るものです。ちゃんとしなきゃなって、そのぐらい凄いんですよ。みんな物も買いまくってますし。そんなことを考えているうちに試合の準備の時間が。会場内にある特設野外ステージ。観客もまずアニコンの入場券を買ってから、さらにスケバンの試合のチケットを買わなければならないというシステム。とう言うことはお客さんはほぼアニコンに来ている人たちなんですよ。「アニメ好きに日本の女子プロはウケるのか?」「もの静かな人たちが多いという中で、何を言ってもスベるのではないか?」、試合前に関係者たちがそんな話ばかりするので、時差ボケと戦う僕はだんだんとロスの青空とは裏腹に憂鬱な気分となっていきました。

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やっと日が傾き、スーツを着るのに丁度いい温度になってきた頃、いよいよ試合開始の時間がやって来ました。日本から連れて来たOKAMOTO'Sのドラマー、オカモトレイジくんとDJの石井ちゃんが今回は試合中もずっとDJをして観客を煽ることになっていました。客の反応が悪くとも無音になることは無いので、まぁなんとかなるかと思いつつ、マイクを握って入場曲に選んだ坂本九の「上を向いて歩こう」、アメリカでいう「テリヤキソング」をかけて入場すると、えらい歓声が!何てノリの良いアニオタたちなんだ!今まで数回やっているんですけども、その中でも最高級の盛り上がりでした。こうなると後は本当に楽で、リングに毎試合前に上がってアナウンスをする度に歓声が大きくなり最高の試合となりました。ただ、「僕はいつまでこのリングアナを続ければいいのか?」という素朴な疑問が残る試合となりました。「次は9月か12月よ」って言われたんですけど、これ毎回俺がやるの?っていう。はい。翌日はホテルのプールで1日のんびりすることにしました。思えば4月ぐらいから怒涛の日々で、1日移動せず何もしないという日が無かったからです。友達を呼んでプールに飛び込んではサンベッドに横たわり、他愛もない話をしながらサンミゲル、ビールを飲む午後。「必要だったものはこれか!」という気づきの午後となりました。そして夜はアジア人の血が入っているプロスケーター達がそれぞれのアジア料理を持ち込んで皆で食べる会というのに呼んでくれました。エコパークに住むローワンというスケーターの家にお邪魔したんですけども、普段は皆んなもう滅茶苦茶なんですけども、それぞれがルーツである国の料理をちゃんと作れることに腰が抜けるほどビックリしました。ジェリー・スーが作るヴェトナム料理、ローワンが作るフィリピン料理、そして大柄でヒスパニックだと思っていた友達が実はフィリピンの血が流れていて、彼の地の有名なスープを作ってくれたり。屋根の上に座りビールを飲みながら、椰子の木越しの夕日を眺めた後に皆で食べる夕飯は本当に美味しかったです。ニューヨークにいるとひたすら外といいますか店に溜まりますが、ロスではやはり友達の家に集まることが多い気がします。基本的にどんなに小さくても1軒家に住んでいる人が多いからです。何をするにもいちいち車移動で、あっという間に1日が終わってしまうロスですが、こうやってのんびりと友達と過ごして一緒に夕日を見たりするとロスもいいなぁと思いました。まあ、人の家だけにいたわけじゃなくて、もちろん色んなお店で集まって飲みました。2時には全ての店が閉まるので、「翌日を無駄にしないのがロスの良いところだ」とロスっ子の友人は胸を張って言っていましたが・・・。とは言え、他の日には「パンクナイトをやっているパブに行こう!」と言ってパンクを聞いて大騒ぎしたり、ビリヤード場に大人数で行って玉突きをして大騒ぎをしたり。それだけじゃなくって今回は映画監督のガス・ヴァン・サントに友達のスケーターがどうしても会ってみたいというので連絡したら「みんな連れておいで」と言ってくれて、ランチを奢ってくれました。リバー・フェニックスと『マイ・オウン・プライベート・アイダホ』を撮った時の裏話とか、どうやって映画『キッズ』のプロデューサーになったかなんて、イタリアンレストランの外の席でワインを飲みながら3時間。なんかこういうゆっくりとした時間を過ごすと、ニューヨークもいいけれど、やっぱりロスもいいなぁと感じる旅になりました。