VOICES FROM NIHONMONO

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中田英寿 東京の旅 パティスリーAIGRE DOUCE

日本の本物とその声を聴く、VOICES FROM NIHONMONO。
今回からは中田英寿さんの東京の旅の模様をお送りしていきます。

まず訪ねたのは、目白のパティスリー、AIGRE DOUCEです。
中田さんもプライベートで足を運んだり、
友人のバースデーパーティー用のケーキをオーダーしたりと
以前から利用する機会がとても多いという、お気に入りのお店なのだとか。
こちらで腕を振るわれているのが、オーナーシェフの寺井則彦さんです。

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寺井さんは1965年生まれ。
高校卒業後、調理師学校を経てお菓子作りの道に進まれました。
90年代の前半、パリのパティスリーに勤務し、
帰国後の1996年、「オテル・ドゥ・ミクニ」のシェフ・ドゥ・パティシエに就任されました。

パティシエを志したのは、なんと高校2年生の時。
男性の縦社会だったというパティシエの世界に飛び込みました。

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今では耳馴染みのある言葉となった「パティスリー」。
ケーキ、パイ、ビスケット、タルトなど
小麦粉を使った洋菓子の総称で、
販売しているお店のことも「パティスリー」と言います。

本来は、洋菓子やケーキを専門に扱っている「ベーカリー」の一種で、
フランスやベルギーでは、「パティシエ」の資格をもつ職人がいる店だけが
この名称を使用することが許されているということです。

レストランの場合は、料理のシェフが組織のトップでパティシエは下の立場。
近年、シェフの名前を冠した有名店が街中に登場するほど、
日本におけるフランス菓子文化が根付き、
そのクオリティが挙がっているといいます。

また、フランスではお菓子作り職人の仕事が明確に分類されて、
それぞれが専門職になっていますが、
その技術を集結してチームを編成し、国別で技術を競うコンクール、
「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」が
2年に一回、フランスのリオンで開催されています。

この「パティシエのワールドカップ」とも言える世界大会で
2003年、寺井さんは総合第2位 銀賞を獲得しました。

繊細な感覚と技術が求められるお菓子作りの世界。

日本人の手先の器用さと、モノづくりに対するこだわりがあって、
一つのことを掘り下げる国民性がお菓子作りに向いていて
評価してもらえるクオリティを作れるのだと思う、そう寺井さんは語ります。

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AIGRE DOUCEは2004年、目白にオープン。創業16年になります。

その昔は、お菓子屋さんが勉強のために食べに来るほど、
お菓子屋さんが集まっていたという目白。
お店のオープン当時はお菓子屋さんも無くなってしまったそうですが、
そんな町の素地と山手線の駅を降りてすぐに住宅地が広がるという
落ち着いた雰囲気に惹かれ、目白を選んだのだとか。
今や東京で指折りの人気店で、
地元以外から訪れるお客さんもたくさんいらっしゃっています。

お店の名前「AIGRE DOUCE」はフランス語で“甘酸っぱい”という意味。
お砂糖のようにただ甘いのではなく、
寺井さんが思う“お菓子の一番美味しい味”が由来になっています。

そんなお店には常に150種類ものお菓子が並びます。
お菓子に共通しているのは、
寺井さんがパティシエとして表現したいものと、
お客さんが食べたいと思うのもののバランスが取れていること。

複雑な風味、食感を組み合わせるのではなく、
例えばショートケーキなら、
生クリーム、スポンジ、イチゴというシンプルな材料を組み合わせて
どのように"美味しさ"を表現していくのかを追求されています。
また、昔からある伝統のもの、例えばマカロンやエクレアに
少しだけ変化させて新しい形で出す、というチャレンジもされています。

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お客さんの中には日本で生活されているフランス人の方や、
寺井さんの技術を学ぶことを目的に来日し、お店に就職したフランス人の方も。
現在、厨房では10数名の若手スタッフが働いています。

一方でパティシエを目指す方は年々、減っているのだとか。

そんな状況でもお菓子作りを志し、
お店の門を叩くスタッフの皆さんへの想いを寺井さんはこう語ります。

信頼関係をもって、何を学ぶために店にいるか、何を教えてあげようか。
それがあって初めて職人としての良い師弟関係があるのかな。
この先の人生に繋がることの意味として、うちの店で働くことがあるので、
そこを一番考えないといけないかなと。

お菓子作りと人づくり。
どちらもこだわりを持って取り組まれる寺井さんのお菓子。
是非、味わってみてください。

▼AIGRE DOUCE
 東京都新宿区下落合3-22-13
 JR山手線「目白駅」から徒歩約10分
 お店の営業につきましてはお店にお問い合わせください。

   
  

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