TDK VOICES FROM NIHONMONO

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中田英寿 岐阜の旅 鵜匠 足立陽一郎さん

日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。

今回は岐阜県のにほんもの
岐阜県関市の小瀬という地区で鵜飼いをおこなう「鵜匠」の足立陽一郎さんを
ヒデさんが訪ねた模様をお送りしました。

足立さんの家は代々「宮内庁式部職」という職を継いでおり、皇室に鮎をおさめる仕事としても鵜飼いをされてきました。
鵜飼いはいつどういう経緯で始まったかは定かではないのですが、1300年近く 書物に
「鵜飼い」の文字があることから長い時代続けられていることが分かります。

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鮎釣りというと網で獲るイメージがありますが、釣りだと1匹ずつしか釣れなくて効率悪い、
網はまとまってかかるけど全部外さなければいけないなど時間と手間がかかってしまいます。
鵜は喉がゴムの様に弾力性があってびよんと伸びる。
小魚は入る程度に紐で締めていて、鮎を飲み込まずに喉のところに溜めて鮎を収獲することが出来るんです。

さらに鵜のくちばしは鋭いので、鵜が獲った鮎は切り傷がつく。
噛んだ後に焼く場合、体液がじわーっと出てきて焼き上がりが全然違い、足立さん曰く煮ても焼いても鵜がとる鮎が最適と。

美味しい鮎がとれるから 昔から尾張藩だったり徳川家などの方に献上され、今も宮内庁式部職として
皇室に鮎をおさめられているんですね。

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鵜飼いがおこなわれるのは夜。
何艘かの船で かがり火を焚いて上流から下流へ移動しながら漁をする。
かがり火で驚かせて、それを鵜が狙う手法です。

長良川は非常に水がきれいで昔から鮎が多いことから、足立さんも長良川の鮎は最高の鮎とおっしゃられていました。
日本の真ん中で東にも西にも鮎を送りやすいのも長良川の良いところ。
ちなみに長い瀬と深い淵があって、場所によって鮎のスタイルも変わるそうです。

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足立さんが鵜飼いの鵜を飼われている場所、それは築300年の立派な日本家屋。
現在は、旅館「鵜の家 足立」として鵜飼いを見学した方が宿泊できるようになっているんですが、
同じ場所に鵜も暮らしています。

鵜飼いは期間が決まっており、5月11日から10月15日まで。
ヒデさんによると、長良川の花火と合わせて鵜飼いを見学するのがおすすめとのこと。その期間にぜひお出かけください。
そして旅館「鵜の家 足立」では鵜飼いを見れるだけでなく、鮎のフルコースをいただいて宿泊もできます。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

▼鵜の家 足立
http://www.ccn2.aitai.ne.jp/~akane/

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毎週、アーティストや著名人の皆さんににほんものを伺うコーナー「私のにほんもの」。
今週はミュージシャン、坂本美雨さんにお話を伺いました。
坂本さんが紹介してくれた“にほんもの”は、滋賀県で栽培される「WABARA」。

滋賀県守山市にある「Rose Farm KEIJI」で栽培されるバラで、
園主の國枝啓司さんが日本の文化、そして美意識を反映した「草花のようなばら」を目指し
「和ばら」をシリーズ化しました。

自分用にはもちろん、贈り物として頻繁にオーダーされるという坂本さん。
こちらでは、バラのブレンドティーなども販売されているので、「バラの可能性を気づかせてくれた」とも、
お話されていました。
これからのギフトシーズンに、「WABARA」是非いかがでしょうか。

▼「WABARA」
https://www.wabararose.com/


素敵な”にほんもの”を紹介していただいた坂本美雨さん、
先月 ソロ名義では、およそ6年半ぶりとなるニューアルバム『birds fly』をリリースされました。

西池袋の自由学園明日館でライブ収録された、全6曲となっています。
詳しくはオフィシャルサイトをチェックしてください。

▼ オフィシャルサイト
https://www.miuskmt.com



中田英寿さんが注目する工芸展、美術展、
さらに、実際に工芸が体験できる場所をご紹介するコーナー、
「行ける ニホンモノ」。

今週は、東京国立近代美術館で開催中の、
「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」をご紹介します。

柳宗悦さんは、”普通の暮らしの中にこそ美しいものがあるべき”という民藝運動をリードした方で、
今年はお亡くなりになってから60年。
そして「民藝」という言葉が生まれて およそ100年となります。

実は柳宗悦さん東京国立近代美術館には因縁があり、「東京」「国立」「近代」「美術」すべて
柳が対抗してきたもので、開館した1958年のころ 柳宗悦さんに批判されたと言います。
そんな民藝の展覧会に、今あえてチャレンジしたのが今回の展覧会。
どんな展示になっているのか、みなさんもぜひお出かけください。

「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」
東京国立近代美術館で、来年2月13日までの開催です。

https://www.momat.go.jp/am/exhibition/mingei100/