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中田英寿 広島の旅 牡蠣

日本のほんものの声を聴く中田英寿さんの旅。
今回から広島を巡った模様をお送りしました。

第一弾は「牡蠣」。
広島県の江田島市で牡蠣の養殖を営む、「かなわ水産」を訪ねた模様をお送りしました。
江田島は瀬戸内海で4番目に大きな島。
広島湾に位置し、広島市からフェリーで30分、
呉市から車で1時間ほどの場所です。

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かなわ水産の三保弘太郎さん、息子さんの源一郎さんの船に乗せていただき、
漁場としている 無人島=大黒神島の東側の海へ。
真っ青な空のもと、穏やな海に浮かぶ牡蠣筏を眺めながらお話を伺いました。

訪問したのは7月中旬。
牡蠣と言えば冬、というイメージが強い方も多いかもしれませんが、
三保さんによると実は季節によって味わいは変わるものの、1年中いただけるのだとか。
特に夏は産卵を控えた岩牡蠣がクリーミーになり、良く出回るのだそうです。

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年間およそ2万トン生産され、
全国シェア60%で第1位を誇る広島の牡蠣。

全体的にみて、広島の牡蠣は水分が少ない分タンパク質が多く
アミノ酸が多いのが特徴なのだとか。
牡蠣は海水を濾過してエサを食べるフィルターのような生物。
汚染された海だと体に取り込んでしまいますが、
広島県内の山々から注ぐミネラルたっぷりの水が、
プランクトンを育て、牡蠣にとっていい環境を育みます。

そんな牡蠣の養殖を難しくしているのが、エサ不足。
全国的にも都市の下水処理の性能があがり、
牡蠣のエサとなる陸上から有機物が流れてこないのだとか。

かなわ水産が漁場としている海域は都市部から30キロ離れていて、
ほとんど流れてこないため、牡蠣の成長が遅いといいます。
同じ広島でも宮島では20グラムになる牡蠣が、10グラムになるほど。
その代わり、漁場近くの大黒神島は無人島だから、
生活排水や畑からでる農薬もなく、
海から上げてすぐに食べられるほどきれいな身が育つのだそうです。
だからこそ、かなわ水産は「生食用」の牡蠣を販売できるのです。

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そんな、かなわ水産の牡蠣。
六本木のスタジオにも取り寄せて、
レイチェル・チャンが試食させていただきました。

鮮度が良く、殻を開けるときに傷がついていないため
海から上げてすぐ水洗いされずに出荷される牡蠣は旨味たっぷり。
三保さんがおススメするように、何もつけずとも濃厚な味が楽しめます。

この牡蠣に日本酒を合わせるなら…
レイチェルのおススメは、同じ広島にある今田酒造の“海風土(しーふーど)”。
柑橘のような酸味が爽やかなお酒は白ワインのような感覚でペアリングが楽しめます。

創業は江戸時代末期の1867年という かなわ水産。
いま、未来を見据えたチャレンジとして
世界初の、ゴミを出さない牡蠣筏実証実験を始めています。

使われるのはポリエチレン製のパイプ。
マグロのいけすを参考に作られた新型の筏は
波の影響を受けにくく、波がきても揺れないので、
中の牡蠣ものびのびと育ちます。

4?5年しかもたず、役目を終えると焼かなければいけない伝統的な竹の筏と
プラスチックゴミの問題、その双方を解決するサステナブルな牡蠣筏。
未来につないでいくんだという。そんな強い想いが感じられます。


最後に、牡蠣の可能性について、
こんなことをお話くださいました。 
      
『牡蠣自体、世界が注目しているんです。
 石油や石炭は掘り尽くしたら終わりだけれど、
 海があるかぎり、食料はあがってくる。
 
 それに、アサリやハマグリは砂浜を平面でしか使えないけど
 牡蠣は立体的に海を利用できるから、産業になりやすい。
 牡蠣は南方系の2枚貝だから生息域が広がっている。

 だから世界が注目しているんです』

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今回伺ったかなわ水産の牡蠣は
オフィシャルサイトから購入できます。

▼かなわ水産 オンラインショップ<https://www.kanawa-oyster.com/"_blank">https://www.kanawa-oyster.com/



さらに、かなわ水産の牡蠣を食べられるお店が東京にも。

▼銀座かなわ
住所:東京都中央区銀座6丁目7-7 第三岩月ビル地下一階
営業:平日 11:30から14:30/17:00?22:30(L.O.21:30)
   土・日・祝11:30から15:00/17:00?21:00(L.O.20:00)
定休日:年末年始 
公式ホームページ<https://www.kanawa.co.jp/ginzakanawa"_blank">https://www.kanawa.co.jp/ginzakanawa


▼ヴィノーブル
住所:東京都港区赤坂2丁目11−13 コモン 赤坂
定休日:日曜、祝日
公式ホームページ<https://www.vinoble.jp/"_blank">https://www.vinoble.jp/

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