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CHOYA NATURAL BEAUTY

Dec. 08 2017

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編み物の楽しみ

今日は、空気が冷たくなってくるとやってみたいな…と思う人も増えるのではないでしょうか。“編み物の楽しみ”についてご紹介します。
お話を伺うのは、文化出版局から発売されている『日々のあみもの』の著者で、あみもの作家の那須早苗さんです。
那須さんは、お母さまが編み物をしていたこときっかけに5歳くらいの時に、鍵編みを覚えました。

そんな那須さんに、まずは、好きな編み方についてお話を聞きました。

「しいて言えば、ガーター編み、メリヤス編み、ゴム編み、かのこ編みなどのシンプルな編み方が好きです。ガーター編みはいくすじものうねが凪い水面のように美しく見える瞬間があったり、地厚になる分、頑固なところもあります。メリヤス編みは端がまるまっちゃうところがかわいくて、それぞれの編地のキャラクターがはっきりしていて、融通のきかないところが妙に人間臭くて好きです。やはり人間の手が編むというところがいいですね。緊張しながら編むと網目が固くなりやすいですし、リラックスしている時はおおらかな編み目になります。人柄や気持ちはちゃんと網目に現れるんです。編んだものにもその人の雰囲気が漂っていて、着ると自然とその人に似合うモノになります。そういうものを着ていると編んだ喜びが内面からにじみ出てきて、その人が輝いているようにも見えますよね。」

那須さんが編み物をする時に大切にしている思いを教えてくれました。

「編み物に対して、自分の想いを押し付けすぎないようにしています。編地が一番美しくいられる表情を探して、それに沿ったデザインをしていく。だから、素材である糸もあまり人の都合に寄りすぎない自然なままの糸の方が生命力を感じられる分、美しいなって。編んだ編地に対して、もっとこうなってほしいと思って技術的にそれが解決できる方法があっても、使い続けているうちにもとに戻ってしまうんです。例えば、バッグの持ち手とかも使っていると伸びてきたりするんですが、その伸びた表情が美しかったりもするので、バッグの持ち手に関しては裏に布を貼ることで伸びを解消することができるんですが、網目が伸びた表情もまた美しいと思いますので、それを大事にしたいなって思っています。」

初めて編み物をする人は、どんな毛糸を選んだり、編み方をするといいのか、そのコツを聞きました。

「やっぱりマフラーがいいかなと思います。寸法を気にせずに編むことができますので。用意するものは、毛糸と棒針、それからとじ針もあるといいですね。練習用には太目で明るい色の毛糸をおススメしていますが、ぜひ好きな糸、好きな色で編んでみてください。この糸編みたい!色が好き!という気持ちが大事。20目くらいの作り目で、編み方はメリヤス編みでもガーター編みでも。実際に首に巻いたりしながら、好きな長さに編んで目を留めます。はじめのうちは、目が揃わなかったり、いつのまにか目が減ってしまったりすることもよくあるんですが、それよりも、みなさん、ひと目、ひと目を一生懸命編んでいて、それが編み目にも出る。不揃いかもしれないけど、ハグしたくるようなステキな編み目になりますので、編むこと自体を楽しんでくださいね。」

編み物は自分のためでもいいし、この時期は、誰かのために編むのもいいですよね

「誰かにプレゼントしてあげたいなという時には、その人のことだけを考えて編んでいます。それは、その人と接している中でこの人がこういういう事に興味があるんだなとか、こういうものが好きなんだなというのをさりげなくストックしておいて、それに沿うようなものを考えて編んでいます。編んでもらったものを着る人も自分のために使ってくれた労力や時間を考えらた嬉しい気持ちになれたり、その編んだもの自体がその人を支えてくれるようなものになる気がします。体も温かくなるし、人の想いが心をあたためてくれるといったことが編む魅力かなと思います。クリスマスに大切な人にプレゼントを贈りたいと考えているのであれば、手編みならミニマフラーなら今からでも間に合うかなと思います。太目の糸で20目くらいの作り目で、毎日編む時間を作って編んでみてください。」

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