J-me CINEMA CIRCLEの部員のみなさんと一緒に創るシネマプログラム

CINEMA CIRCLE

Dec. 09 2016

ジャズが聞こえてくる映画

「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」

年賀状書きましたか?大掃除はしましたか?私は諦めています。仕事場にしている自宅の書斎は手のつけようがない、山が3つも4つもある中、CDがあって、写真があって、その間に狭い通路があって、で、その通路を通ってようやくデスクにつくのですが、そうするともう出られない!このままだと来年は部屋に入れない!誰か本を置かせてくれるところないですかね?というちょっとお願いをしてみました。年賀状はささっと準備完了しています。

今週のテーマは・・・「ジャズが聞こえてくる映画」です。

●あいぼーさんからは「ストックホルムでワルツを」
「『スウェーデンのジャズ・シンガー、モニカ・ゼタールンドの人生を描いた作品。英語で歌った曲を酷評され、母国語で歌うことを思いつくのですが・・・ジャズに疎い私でも知っている曲が結構流れてました。主演のエッダ・マグナソンは本物のジャズ・シンガーなんですね♪』ということです。そうなんです!私、この映画を観て、モニカ・ゼタールンドとエッダ・マグナソン、両方のCDを買っちゃいました。そのくらい良かったですね。」(部長)

●あしべさんからは「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
「『音楽映画ではありません。でも全編、特に主人公の視点で動きまわるカメラワークと共にジャズドラムが、落ち目になり、才能ある若手にいろいろ取って代わられようとする主人公の苛立ち、不安、怒り、悲哀を伝えます。セリフではなく、そのジャズドラムの音が印象に残る作品。演奏はアントニオ・サンチェスという気鋭のジャズ・ドラマーだそうです』ということです。一昨年のアカデミー賞、作品賞受賞作ですね。その通り!あしべさん、ドラムですよ。『こんなサントラなんてあんのかよ!』って思った。ずっとドラムやっていましたね。あれ、びっくりしました。ドラムの表情があるです。素晴らしい演奏でした。」(部長)

●ヤマカオさん、美味しい生活さん他からは「セッション」
●事務長さん、ginpoさん、SAKURAさん、cowboy heroさん他からは「死刑台のエレベーター」

その他、今週もたくさんのご参加ありがとうございました!

そして、今回部長が選んだ映画は、「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」です。

「マイルス・デイヴィスは、1991年に亡くなっている。ですから、この間紹介した映画『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』のチェット・ベイカーと同世代です。ジャズを語るとなると、マイルスを外して説明できるか、それぐらいの方です。実はこの映画は、通常あるミュージシャンの伝記映画とは違う。だいたい、下積みから苦労して、成功をつかんで、それから・・・っていう映画が多いじゃないですか、ところがこれは違う。マイルスは1970年代後半あたりから、空白の5年間がある。まったく演奏活動ができなかった、またはしなかったのか、その辺りは若干曖昧なところがあるのですが、その5年間を中心に描いています。その5年間、実際に何があったのかは、詳細がわかっていないので、ここのところは虚実入り混じっている。 この映画、実は、制作費が全然足らなくて『俺が作る!』って言ったのがドン・チードルです。すぐ顔出てきますか?『ホテル・ルワンダ』で、客を守ろう、避難民を守ろうと必死に頑張ってきたあのドン・チードルです。優しい顔をしたドン・チードルがマイルスを演じている。サングラスを外すとドン・チードルじゃん、マイルスえっ!って最初は思うんですよ。でも慣れてくるとドン・チードルがマイルスに見えてくる。ドン・チードルは、制作資金をクラウドファンディングで募る。本人が制作、脚本、監督、主演全部やっています。そこに『俺もでるぞ!』と言ってくれたのが、ユアン・マクレガーです。すごく需要な役で出てきます。これはなるほど、どこまでが本当でどこまでがウソかわからないのですが、そういうことがあったんだろうな、あったのかもしれないと思わせる、納得できる映画です。この5年間をある程度理解してこそ、マイルスがわかると言っても過言ではない。実は、ドン・チードルは、昔サックスを吹いていたらしいんですね。この映画をやるにあたって、トランペットを必死に習ったらいいんです。舞台でバン!と演奏する場面があるので、本当に吹いているのって思って調べたら、本当に吹いていた。ただ、音はマイルスの音に差し替えられています。」(部長)

映画「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」は、12月23日(祝・金)から公開です。

そして、この番組と連動した映画のコラムも毎週アップしていきます。今回は、今月デジタルリマスターで復活します。1995年公開の映画「スモーク」について書いています。20年以上前の作品です。クリスマスも近いので、これを観てちょっとハッピーになって欲しいなと思います。

では、来週のテーマを発表! テーマは・・・
「希望をいだかせてくれる映画」です。
みなさんのご参加、書き込みお待ちしています!

MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間

1970年代後半、音楽活動を休止したジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスは、自宅ですさんだ生活を送っていた。そんなマイルスのもとに音楽雑誌に記者がおしかけてくる。まったく合わない2人。しかし、自宅にあったマイルスの最曲のテープが盗まれ、それを取り戻すため仲間になるのだが・・・ ドン・チードルがマイルスを演じ、監督、共同脚本、製作もつとめている。また、レポーター役をユアン・マクレガーが演じる。

公開日:12月23日(祝・金)より TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
監督・主演・脚本・製作:ドン・チードル(アカデミー賞®ノミネート『ホテル・ルワンダ』)
出演:ユアン・マクレガー、エマヤツィ・コーリナルデイ
音楽:ロバート・グラスパー
原題:Miles Ahead/2015年 アメリカ映画/上映時間:101分/カラー/スコープサイズ
字幕翻訳:寺尾次郎/字幕監修:小川隆夫 PG-12
公式サイト:http://www.miles-ahead.jp/

大倉眞一郎 おおくらしんいちろう

1957年熊本生まれ。80年慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。大学では印度哲学を独学。同年、広告代理店電通に就職。88年J-WAVE開局に関与。その後97年までロンドン駐在の後、電通退社。同年10月からアジア各地をカメラ片手に旅して回る。その後、広告会社「タイノス」を設立。ユニクロのすべての広告活動を手がける。2007年9月タイノスを解散。再びアジアをプラプラすることになる。ヨーロッパ勤務中に身につけた世界市民的視野に期待。2003年09月に木楽舎より写真旅行記「漂漂」を出版。怒れるオヤジと称されるが、その語り口はソフトで定評がある。

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