
Spiber株式会社 取締役兼執行役
慶應義塾大学大学院に在学中の2007年、「Spiber株式会社」を共同で創業。
山形県鶴岡市に本社を構えるこのベンチャーが、世界から注目を集めています。
主な原料を石油に頼らず、植物由来の資源を使用して微生物発酵によって生産されるタンパク質素材の開発に取り組んでいます。
また、「素材革命」だけではなく「働き方革命」も推進する「スパイバー」。
従業員が、「自分の時給は自分で決める」、という前例のない「給与制度」を導入していることでも知られます。

環境省によれば、日本人は、一年間に、ひとりあたり、18枚の衣服を購入しています。
それに対して、手放す服は12枚。
購入したものの、着る機会もなくクローゼットに眠っているままの服もあるはずです。
近年、ファッション産業が環境に悪いと言われている理由は、商品が生まれる生産背景だけの問題ではなく、私たちひとりひとりの、ファッションとの向き合い方も大きく関わっています。
「衣服が、簡単に捨てられないためにはどうしたらいいか」。
そんな問題の解決を目指して立ち上がったのが、デンマークのファッションブランド、「Samsøe Samsøe」です。
今年の5月に誕生したばかりのこのブランド。
一着一着の衣服には、QRコードがプリントされた「リセールタグ」がついています、。
このQRコードを使うことで、服を手放したい時に、簡単に、次の方に売れることを目指しています。
というのも、このQRコードは、InstagramやFacebookなどと連携していて、読み込むだけで、商品の画像やサイズ、色や素材などの細かい情報が、すぐに出てくるようになっています。
値段を入力するだけで、簡単に、商品を出品することができるという仕組みです。
日本でも、個人が、不要な衣服を販売できるプラットフォームはたくさんあります。
代表的なものが「メルカリ」ですが、写真を撮って、情報を記載して、、、という手間が発生します。
そういった手間を省き、それどころか、「商品の行く末」まで考えているQRコード付きの衣類。
今後、日本でも、そういったファッションブランドの姿が当たり前になるかもしれません。
デンマークのファッションブランドが、購入者の「転売」を支援する理由
地球は今、人による自然資源の消費が地球生産力を超過する現実に直面しています。
目の前に突き付けられている現実は「解決した方が良い問題」ではなく、「解決しなければ後がない問題」です。
コンセプトは「3年先の生き方を探るエシカルな60分」です。