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STORY

2024.04.20

作家の柚木麻子さん

++ Introduction ++

数々の小説やエッセイを執筆してきた作家の柚木麻子さん、
先月、最新刊『あいにくあんたのためじゃない』が出版されました。

全6話の短編集、それぞれ別のテーマで書かれていましたが
短編集となる時に、1つに貫けるタイトルとして
柚木さんが大ファンでもある
モーニング娘。'23さんの楽曲「Wake‐up Call〜目覚めるとき〜」の
歌詞から取り、名付けられたそう。
全体的に自分の居場所を奪われた人たちが、
それを取り返すというような内容になっているとのこと。

コロナ禍での外食ができないから、ご飯を作ったり
外の世界との繋がりのためSNSを始めたりなど
この本ではそんなコロナ禍での柚木さんの生活が反映されているとのこと。

コロナ禍で4ヶ月間、ご自宅でラーメンを作り続けていたのが
この本の最初の短編「めんや 評論家おことわり」につながっているそう。

当時、ラーメン評論家さんとのトラブルにより
ラーメン屋さんが炎上することが多かったそう。
そんな事件を見て、
「なんでみんなラーメンが好きで、美味しいのに、
こういった事件が起こりやすいのかな」と思い、
ラーメン屋さんの気持ちになるため、ラーメン作りを始められたそう。

『寸胴鍋を買って、スープを作って、チャーシューを作って、麺も打って、
最終的には作務衣を着ていて。
ママ友や新潮社さんとか、いろんなところで振る舞うようになっていて。
写真とかでラーメン屋さんって腕を組んでいるじゃないですか、
あの腕組んでいるのって威圧的で嫌だなと思っていたんですが、
そしたら、気がついたら本当に腕を組んでいたんですよ!
みんなから「美味しい」と言われると
どんどんと得意になってきて、
スープ飲んでいる時にずっと見ちゃいますよね。
そうすると、うんちくを言ってしまう方や、
威圧的になってしまう方の気持ちも、すごくわかるし。
ラーメンを研究すればするほど、今はそういう人ばかりではないし
子連れでも優しいお店もいっぱいあるし、
偏見だったなと反省しています。』



++ Until now ++

これまでの過去を振り返って
柚木さんが「一番元気がなかった時」は
お子さんの保育園が40個ほど落ちた頃。

柚木さんがお住まいの地域は保育園激戦区で
なかなか保育園に入れることができず
子育てしながら、執筆活動はできるのかと悩んでいた時期で
元気がなかったとお話ししてくださいました。

それまで社会のことをあまり考えてこなかったそうですが、
出産し、保育園のことや、社会のこと、
次の世代に何ができるのかを考えるようになったそう。

さらに、保育園が見つかっても
コロナ禍ということもあり、通園を見合わせ
ワンオペ育児を行なっていました。
そんな時に柚木さんの支えとなったのが、
瞬間的に流行した、音声SNS「Clubhouse」。
会話を楽しむためのアプリですが
作家仲間から誘われ、始めてみると、
すでに流行は過ぎており、会話ではなく
1人で話しをしていたそう。
ですが、このSNSを通じて世界中に友達ができたとか。

現在では、数々の作品を執筆されていらっしゃいますが
作家になったターニングポイントは
「ランチのアッコちゃん」のモデルになっているS先輩との出会い。
新卒で入った会社で、そのS先輩と出会い、
当時、あまり仕事ができなかった柚木さんに、
小説家の道を進めてくれたのがS先輩だったとか。

『Sさんはプランナーとして優秀で、その人が流行ると言ったものって
絶対に流行るんですよ。
そのS先輩に「小説家になるといいんじゃないかな」と言われたんですよ。
だからなったんです。それがターニングポイントです。
小説家にはなりたかったんですけど、なれると思っていなかったので
S先輩のおかげかなと思っています。』

S先輩とは今でも仲が良し。
毎日8駅くらい歩きトレンドを探しており
街の動きとかに敏感な方だとか。

S先輩の後押しがあり小説家となった柚木さん。
デビューされてから14年となりますが、
これまで「女性こわい、どろどろ」的な評価を受けることが多かったそう。
ですが、小説「BUTTER」がドイツ、アメリカ、イギリスで出た際の
キャッチコピーが、日本では「女の人と喋るのが怖くなる」だったところが
海外では「フェミニストとマーガリンは嫌いなの」と書かれており
かっこいいなと感銘を受けたそう。

『何をやっても女の人同士はめちゃくちゃ仲が良くない限り
怖いって書かれちゃうなというのは
14年やっていて悩みだったんですけど、
そう言われない地域があるんだなと思ったことは、
自分の中で目から鱗で、結構人生観が変わったというか。
だから読者の方も、今、自分が抱えている悩みとかって
意外と場所が変わったら、なくなる可能性があるっていうことは
いつも感じていてほしいと思います。』

++ From now on ++

最新刊『あいにくあんたのためじゃない』が出版されたばかりですが、
年内にエッセイと、対談本が出る予定とのこと。

今後も執筆を続ける作家、柚木麻子さんが
その中で伝えていきたいメッセージとは・・・

『私としては、読み終わった後に
疎遠になっている誰かに、
連絡を取ってみたいなという気持ちになってくれたら
嬉しいなと思って、いつも書いています。
特にコロナ禍で、全然仲違いしたわけではないけど
会わなくなっちゃった人って大勢いるじゃないですか。
会いたいとは思っているけど、きっかけがない。
きっかけってなかなか起きないから、
自分の本がきっかけになるといいなと思っているところはあります。』

お仕事以外では
最近はボイストレーニングに通われているという柚木さん、
「笑顔YESヌード」を歌えるようになるために通われているそうです。
歌うのが難しい楽曲なんだそうですが
ボイトレに通い始め、息を吸う、吐くを意識しただけで
全然、歌い方に違いが出てきているそうです。

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