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POPEYE元副編集長「大事なのは迷子になること」

POPEYE元副編集長「大事なのは迷子になること」

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「WITH」(ナビゲーター:武藤将胤)。11月11日(金)のオンエアでは、武藤とは、大学の先輩後輩の関係だという北原徹さんをゲストにお迎えしました。元『POPEYE』の副編集長で、雑誌のより自由な可能性を信じて、今年、新雑誌『PLEASE』を創刊しました。マガジンハウスへの入社時には、こんなエピソードがあったそうです。

「今でも、マガジンハウスで一番中途採用の試験を受けた回数多い記録もってんじゃないかな? アホやねって言われたもん。大体2回も落ちれば、この会社とは縁がないんだなって思うだろうにって(笑)」と、ざっくばらんに語る北原さんですが、まったく気にもとめず、計6回も中途採用試験を受けたのだとか(笑)。

そんな北原さんが「雑誌って素晴らしい!」と思った原体験として挙げるのは、『POPEYE』を読んだ中学生時代だったそうです。

北原:僕の中ではね、今でも『POPEYE』の4号。「history of WARU」っていうページがあってその中で、岩城滉一さんが全体的にはワルを出しているんですけど、赤いスウィングトップに、白いTシャツ、下はデニムでLevi's 501っていう格好だったわけですよ。これは何かって言ったら、ジェームズ・ディーンだと。
武藤:ああ、ジェームズ・ディーンさん。
北原:もうそれで僕は、新宿と中野に行って。親から1万円もらって。そのときに、BARACUTAのスウィングトップが出てたと思うんだけど、BARACUTAのスウィングトップでも、全然1万円じゃ買えないんで、偽物を買いに行くわけですよ。でも、偽物を買いに行くってすごく重要で。スタイルを自分で作るわけだから。
武藤:そこまで、北原さんを突き動かす雑誌、誌面。すごいパワーですよね。
北原:そう。だから、今の人たちにそういうパワーのあるものが身近にあるか? ってことを考えると、それがないんじゃないかな? って思うから、自分が突き動かされたものを自分も表現してみたいってことなのかなって思うんだよね。それには、外圧とかバイアスがあったりするよりは、自分で自由にやっていく…一人でやっていくことの意味っていうのは多分にあるなあと思って。

インターネットが普及し、サイト内の情報で解決してしまいがちな時代ですが、北原さんは雑誌には廃れることのないパワーがあると考えているようです。そのために、新雑誌『PLEASE』に日々奮闘する中で、雑誌の自由さに対して心がけていることがあるのだとか。

武藤:『PLEASE』を今やっているわけですが、自由にあること、自分らしくあることに対して、北原さんが心がけていることはありますか?
北原:自分らしくっていうのはね、ないんですよ。結局、何をやっていても自分は自分なんだもの。自分探しとかっていうけども、僕は一番大事なのは迷子になることかもしれないって思っていて。僕は迷子になると、また別のものを見つけてきちゃう。『PLEASE』の行き当たりバッタリ感っていうのは、そういうところもちょっとあって、たまたま歩いたところに「こんなお店があった!」っていうのを見つけて、ちょっと入ってみたら「すごい店じゃん!」ってなって、それを「共有したい!」ってなる。とにかく迷子になっていると発見はめちゃくちゃ多いね。そして、キョロキョロする。
武藤:発見も出会いもありますもんね、そこには。僕も高校の頃に初めて高円寺とか訪れたときに、当然どこにどんな店があるかわからないので、迷子になるんですよね。だけど、迷子になって出会った服屋の方とか、そこで見た洋服って、僕にとって「ものすごい刺激的な出会いだったな」と思っていて。おっしゃることは、僕も実体験としてそう思いますね。
北原:あんま損することないね、迷子で。

北原さんの雑誌への熱い想いのこもった『PLEASE』。一度手にとって、街で「迷子」になってみてはいかがでしょうか? 思いがけない出会いがあるかもしれません。

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【番組情報】
番組名:「WITH」
放送日時:毎週金曜 深夜2時30分―3時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/dc4/

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