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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 青年よ、外に出よう ---
テーマは「春休み」
短いようで実は比較的長い「春休み」...
ボーっとして過ごさず、
外に目を向けて、今こそ飛び出そう
特に卒業や進学を控えた
若いリスナーの皆さんに向けて、
訓市がメッセージ!
皆さんからの“お便り”も紹介します
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Can't Find My Way Home / Nathan East
I Only Said / My Bloody Valentine
Leaving / David Binney
Better Be Home Soon / Crowded House
One Two Three / Mr. Children
El Invento / Jose Gonzalez
Here Comes The Sun / SYML
Where Is My Mind? / Matt White
When Sunday Comes Around / Marlon Funaki
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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学生時代の“キング・オブ・お休み”と言えば夏休みだったと思います。何と言っても長いですし、北半球にいれば基本的にどこに行っても夏ですからね。浮かれ気分で色んなところへ行って、それまでにしたことのないことにチャレンジしたりするのは夏休みが一番だと思うんですけども、だから僕の周りにはそのためにずっとバイトをしてお金を貯めている人も多かったです。けれどトラップなのはですね、夏って僕ら日本の学生だけではなくて世界中の人にとっても夏休みだったりバケーションタイムですから安くはないですし、希望の所に行ったらものすごく混んでいたりする。そう言うと、ちょっと短いですけど、この春のお休みの間にどこかへ行くというのはすごくありな気がするわけです。ヨーロッパやアメリカに行ってみたいっていって出かけるとまだ寒かったりしますけど、その方がちょっと上着とかを着て、現地の人の格好に紛れておしゃれをした気分で歩き回ったりできる。それがすごく良いんじゃないかと思うんですけどね。例えば夏にパリに行っても結局、現地の人はほとんどバカンスに出かけていなかったりして、地元に人気のカフェやレストランに行っても隣にいるのは皆、自分と同じ観光客。本物のパリジャンたちはどこにいる?って言ったら南仏とかバカンス先に行っちゃってるわけですよ。なので春休みにバイト代の前借りをしてでもどこかへ行くというのはとても良いと思います。僕も大学に入って最初の春にはふらふらしていました。格安航空券、あの時はロスまで5万円とかでもあったような気がしますけど、まずロスへ行き、そこからかつて住んでいたテキサスのホストファミリーを訪ね、それからニューヨークへ渡り、そこで一番安いチケットを買ってヨーロッパまで。そういえばその戻ったテキサスでは自分がその地を去ってから2年も経っていないのに、ずいぶんと雰囲気が変わっていて驚いたものです。変わったっていうのはそこに住んでいた同級生たちは皆、卒業して、その街からいなくなっていたということです。そこで生まれ育った若い人たちは高校卒業すると同時に散り散りになっていきます。なんだか、かつて見たアメリカの青春映画をその時思い出しました。もしかしたら日本中の小さな街で同じようなことが起きているのかもしれませんが、東京で生まれ育った僕にとって、それはある意味ショッキングな光景でした。故郷にやっと帰って来たのに友達が誰もいないのかと。春休みで部活をやってる子しかいない母校に帰った時の懐かしくて行ったんですが、もう遠い存在になってしまったような感じ。自分が使っていたロッカーに行ってみたり、教室に行ってみたり、下級生だったうろ覚えの顔の子たちと廊下で挨拶したり。時の流れというのは一方通行で、決して戻ることがないんだなと強く実感した瞬間でした。まあ感傷的な気分に浸ったのはこのテキサスだけで、それ以外の旅先っていうのは本当に楽しかったです。地下鉄の駅というか線路を改造して作ったニューヨークのクラブや僕が高校生の時にもあった教会を改造したディスコ、今はなくなってしまいましたがパンクの聖地と言われたライブハウスのCBGBもバリバリやっていましたし、90年代初頭のまだ本当に危ない街であったニューヨークを1人でふらふら歩くというのは最高に楽しいものでした。
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ニューヨークから海を越えて渡ったヨーロッパも楽しかったです。考えてみれば、その時が初めてのヨーロッパ大陸に足を踏み入れるということで、パリに行ったんですが本当に浮かれてしまいましたね。なんて綺麗な街なんだと。最初は本当にただ歩くだけで感動したり、昔読んだ作家たちがかつて住んだ建物やお墓といったところを見て回り、想像上の人物じゃなくて本当にかつて存在していたんだと妙に納得したり、カフェで知らない人たちと友達になったり、そこから一緒に遊びに行ったり。友達と待ち合わせの時間まで異常に時間が余ってしまって、カバンを枕に公園のベンチで寝たり。考えてみると、この春の旅がすごく1人で回ったのが楽しくて、まぁそのまんまバックパッカー生活を始めるきっかけになってしまったんですが・・・。夏の旅って友達と一緒に行って色んなことをするのに適してると思うんですよ。例えば皆んなでキャンプしたりトレイルに出かけたり。複数いれば一緒にできることがたくさんあるような気がします。けれど、まだちょっと寒い春の旅というのは街を自分のペースで1人歩いたりするのに最適な気がするわけです。イヤホンを付けて好きな音楽を聴きながら歩けば1日10キロだって余裕で歩けます。なので遠くでも近くでもいいから、この番組を聴いている若いリスナーの皆さんにはこの春にどこか海外に行ってみてほしいです。そして、外から日本を見てみてほしい。「いや、英語喋れないし、友達と一緒に住んでいる日本にいる方が楽しいし」「欲しいものがあるから無駄遣いしたくない」とか色んな理由があると思います。けれど、今一番大事なのは自分の目で見て感じたり考えたりして経験を買うということだと思います。それはいつの時代でも変わらない。僕は先日の選挙結果にがっかりしている1人です。というのは何か大きな勢いでサクッと決まってしまった気がして。もちろん僕も悩みました。悩んだ理由っていうのは入れたい党が1つも無かったからです。そこに絶望したんですけども、日本という国を中からしかほぼ見てない人たちが海外勢と揉まれながら国の舵取りをできるのかっていう疑問です。僕も日本の文化を守りたいですし、「日本に住む人ファースト」です。保守と言われる人たち、もしくはそれを自認する人たちも思いはきっと同じだと思うんですけども、保守という人こそ、実は外から日本を見るべきだと思うのです。1人で異国を歩いて色々と感じてみるということが一番大事だと思うんですよ。それは例えば電車に乗って、実は下だと思っていた国の電車の方が新しくって全自動じゃないか!とか、空港のシステムがこんなになってるの!とか、着いた瞬間に行ってみて初めて知ることってたくさんあります。日本は綺麗で、人は親切で、犯罪が少ない素晴らしい国だ。僕もそう思いますが、それだけで今後100年やっていけるんでしょうか。何が足りてなくて、どう変わっていくべきなのか。それは外国に行ってみて初めて気づくことだと思います。人間というのは比較の生き物です。比較するものがなければ物事をよく理解することすらできませんし、何より自分が分かんなくなります。辛いことがあって初めて、「今日幸せだな、昨日に比べたら」って思えたりとか、選択肢があるからこそ自分が何がその中で一番好きなのかを比較して知ることができます。パスポートを持つ日本人の率って今6人に1人だそうです。まずは皆んなパスポートを取って外の世界を見に行ってみませんか。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。


