ON AIR DATE
2020.07.12
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

「人種は存在しない、あるのはレイシズムだ」という重要な考え方

★★★★★★★★★★


TUDOR logo

Theme is... BLACK LIVES MATTER


『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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--- 各々が学んで、自分の意見を持ち、発言する ---

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。

後半のテーマは「ブラック・ライヴズ・マター」。
アフリカ系アメリカ人のコミュニティーに端を発し、
黒人への暴力や人種差別に対する不満を訴えるデモ活動を目にする中、
今、訓市が感じている思いについて熱く語る。
自身も留学やバッカパッカー時代に実感した差別とは?


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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2020.07.12

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Ain't No Fun (If The Homies Can't Have None) / Snoop Doggy Dog

2

Thinking Of You / Maureen Walsh

3

Slow / 落日飛車

4

Travels / Charlie Haden feat. Michael Brecker

5

Windy Summer / 杏里

6

Why Can't We Be Friends? / War

7

It's Not Easy / Ofege

8

Black Narcissus / Joe Henderson & Flora Purim

9

It AIn't Over 'Til It's Over (Dub Extended version) / Lenny Kravitz

2020.07.12

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



Kunichi was talking …


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僕も音楽番組をやらさせていただいてる以上、この問題を避けて通るわけにはいかないんですけど… アメリカで人種差別、特にその中でも黒人の人種差別の問題が大きくなり、それが世界中に広がっています。ニュースで取り上げられているのは暴動的なものや、店の略奪といった目に付きやすいものばかりですが、各地で若者を中心とした静かなデモが繰り広げられています。時間はかかりますが、デモをして変えていこうというのはアメリカの一種国の伝統なんですけど、それがかつてないほどの広がりを見せました。もうニュースで少し前より取り上げられなくなったり、日本から見て飽きたっていう人たちもきっと多いと思うんですけど… いろいろな知り合いと話すと、「差別というのが馴染みがない」「黒人の知り合いがいないから分からない」「いろいろな芸能人とかが一斉にSNSとかでアップしているので、なんだか流行りみたいで一緒に見られたくない」。色んな話を聞きました。人種差別というのはもちろん日本にもありますけど、移民国家のアメリカやヨーロッパと比べてはるかに目に付きにくいというか、分かりづらいものなのかもしれません。では、日本に差別が無いかというとそんなことはなくて、たくさん差別があります。例えば在日差別とかは昔からありますけど、パッと見て肌の色が違うところから始まるアメリカとは大きく違うのかもしれません。もちろん自分たちの周りには、いわゆるハーフと呼ばれる、顔立ちが一般的な日本人とは違う見かけだけで学校でいじめられたり、ひどい目にあった人はたくさんいると思いますけど、それを自分のこととして見られる人が多いかといえば、きっと多くないと思います。なぜかというと差別というのは大体が少数派に対して行われるもので、多数派側にいるとその辛さも分からなければ、自分がその気がなく発した言葉に相手が傷ついたとしてもそれすら分からないからです。僕もアメリカに住んだり、長くヨーロッパにいたりしたので「これが差別か…」と感じることを何度も経験はしました。あからさまな差別用語を投げかけられたり、アジア人としての特徴をジェスチャーして笑われたり、露骨に店で相手にされないということもありました。「僕も人種差別をされたから差別に反対だ!」「僕はそれを理解している!」と、ここで言うつもりは全くありません。もちろんその時に言い返したり言い合いをしたこともありますし、憤っていましたけど、僕は結局余よそ者でしたし、そこで生まれ育ったわけでも、その場所で仕事を見つけたり骨を埋めようとしていた訳でもないただの滞在者か通りすがりの旅行者だったわけです。良い気もしませんし、なんで自分の出身地だけで冷たくされたり笑われたりするのかと怒りもしましたが、まぁ海外というのはこういうもんなんだろうとどこか冷めた感情というか、日常のこととして捉えられない自分がいました。


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肌の色が違うということとかは自分の努力では変えられないもの。そういうものによる差別が僕のように旅行中の一時とかではなくて、一生だったとしたら、自分が変えることのできない環境で仕方ないと諦めることはできません。今問題になっている黒人の人種問題というのはその最たるものだと思います。これは変えていかなければいけない。それをきっかけとしてでもいいです、あらゆる人種差別に対しても…。きっとこの番組を聴いているリスナーの皆さんは「訓ちゃんはアメリカ文化が好きね〜。アメリカが1番だと思ってるの?」と考える人もいるかもしれませんが、最初にいろいろなカルチャーを知って憧れたのがアメリカだったからそうなんですけど、僕がアメリカの文化を知った時っていうのはその世界っていうのは真っ白でした。白人ばかりが出ている映画、白人ばかりのスケーター、そしてミュージシャン… そういうのが当たり前の時代でした。でも、今は違います。アフリカ系のスーパースターやK-POPのグループが音楽チャートで1位になったり、そういう時代です。昔アメリカ人と想像したら白人の人を想像する人がきっと多かったと思うんですけど、今では特定の人種ではなくて、いろいろな人であるべきだと思います。そもそも人種とか国籍とかそういうものを分けるのは何か? それは育った文化や言語であって、肌の色でいう人種というので区別するのはおかしいんじゃないのかなと思います。もちろんこの世にはいろいろな人がいて、自分が仲良くなる人、ならない人などいますけど、その好き嫌いを肌の色や国籍、性別といったもので最初に枠を作るべきではないんじゃないのかと思います。例えば、僕は中国政府の今の政策っていうのが全く好きじゃないです。チベットやウイグル人に対しての扱いというのは酷いと思います。何が正しい情報か分かりにくいのがそもそも問題なんですけど、インバウンドの人が多い時に中国の人のマナーが悪いとかって話題になったこともありました。もちろん僕もそういう人を見たことがあります。けれども、それ以上に仲の良い中国の友達がたくさんいます。僕は日本人で、家系を遡れば確か何百年もいける江戸っ子です。日本の文化も大好きですし、1番友達が多いのも国籍は日本です。けれども、じゃあ日本人の全てが良い人か、例えば政府が立派で誇れるものかといえばそうじゃない。良いとこもあれば悪いとこもあります。世界はきっとそういうものなんだと思います。枠で閉め出す考えを決して持たないようにするべきだと僕はとても思います。そして、その中で自分たちの意見を持って、発言していくことが大事なんじゃないかと。今は発言した人をすぐ叩いたり、政治的なことを話しやがってみたいなことがありますが、それは反論とも呼べないと思うんですよね。反論するなら勉強して、自分の意見を言う。人の意見を聞いて考えが変わるのも大いに結構だと思います。ただそうやって話しながら人種差別についても政治についても、ある一定の人たちだけに任せるのでなくて、皆が等しくそれぞれの意見を持って、自由に話せるっていうのが大事なんじゃないのかなと。コロナの自粛が終わって本当にいろいろな人たちと会った時に、自然にこの問題とか政治の話になりました… 初めて。今、僕たちは発声練習の段階にあるんじゃないかと思います。突然声を出して歌おうとしても歌が出ないじゃないですか? いざとなると。だから温めてすぐ歌えるようにする。政治でも世界の問題でも常に自分たちの意見を互いにフランクに話せるようになっていれば、何かあった時にいろんな議論が出来るんじゃないのかなと思います。今回の「Black Lives Matter」っていうのはとにかく正直に言えば、日本でなんでこんなに騒いでる人がいるの?とかそういうことを言ってる人がたくさんいますけど、ぜひ自分の身になって考えてみてください。僕たちにとって日本に海外から来た人たちは外人=“外から来た人”と書きますけど、自分たちも外に行ったら自分が“外人”になるっていうことを忘れないでください。