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2018.06.10
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  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54
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『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで寄せられた
旅にまつわるエピソードと、その旅にまつわる思い出の曲をお届けします。

後半のテーマは「新聞」。
自分の息子世代と言っても差し支えない若いスケーター達と遊んで、
話をして訓市が感じたこととは?
英語が喋れるようになりたいと思っている彼らにアドバイスした
訓市流の「英会話上達法」について語ります。


★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。

リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ 
お待ちしてま〜〜〜す!!!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2018.06.10

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Come With Me / Tania Maria

2

Waati / Donso

3

Thugs Mansion / Nas feat. 2Pac

4

Easy /Commodores

5

カメレオンガール / キリンジ

6

Be Thankful For What You Got / William DeVaughn

7

It Must Be Love / Labi Siffre

8

Me & Mrs. Jones / Billy Paul

9

Whir / Smashing Pumpkins

2018.06.10

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



Kunichi was talking …


★★★★★★★★

最近、若いスケーターの子たちと会う機会が増えてたまに一緒に遊んだりするんですが、そんな彼らを見ていると全員男だらけなので汗臭いはずなのに、どこか甘酸っぱいような気持ちにさせてくれます。それはきっと彼らを見ていると、自分が同じような年齢だった頃のことを思い出すからだと思います。こんな初夏というか、夜が気持ちの良い季節に夜な夜な友達と集まってスケートの技の練習をしたり、こけたりするだけで大笑い。誰かが技をメイクしたら、やんややんやの大歓声。僕が10代だった頃は30年も前のことで、今のスケートの技はとんでもなく進化していて比べることもできませんが、それでもその場の雰囲気というか空気感は今も昔も変わらないなと思います。この間、そのなかの一番若い子と話したら、「訓ちゃん、うちの親よりも歳が上なんだ」って言われてショックでした。自分の子どもでもおかしくない歳の子たちと、外で一緒にだべってる自分は何なんだと。それでも、そんな子たちがスケートしてるのを1人ビールなんかを飲みながら見るのはとても気分のいいものです。「よくそんな若い子たちと一緒にいてお前は話すことがあるな」と同い歳の友達に言われたりもしますが、共通の好きなものがあったりすると結構ダラダラと、その気になったら一晩でも喋れるものでいろんな話をします。例えば、「訓ちゃんたち昔はどこでスケートしてたの?」と聞かれれば、「今はなくなってしまった浄水場のフェンスを乗り越えて、中が空になった貯水槽の中で滑ってたんだぜ」なんていう話をすることもあれば、彼らのような若いアメリカに住むスケーターの話をしたり。それがまたけっこう面白いんです。そうやって話しているうちに、貯水槽の底から見た月も綺麗だったなぁなんて思い出したりします。使ってない貯水槽の壁の一つが斜めになっていたので、そこにもたれかかるように寝転がって友達何人かとずっと月を眺めてはなんだか孤独を感じたり、同時に“俺たちがこの夜を支配してるんだぞ”っていう妙な高揚感を持ったり。きっと、夜中に夢中でスケートの練習している今の若い子たちも、同じような気持ちを持ったりするんじゃないのかなぁなんて思います。そして、今も昔も変わらないのは、皆アメリカに行きたがることです。僕も中学生のときに初めてアメリカに行けるとなったときは、迷わずカリフォルニアに行って、雑誌でしか見たことがない、プロのスケーターたちを見に行ったりしました。今の子たちも、ニューヨークに行って滑りたいとか、ロスであの辺の子たちに会って、友達になりたいなぁなんて話してます。


★★★★★★★★

最近、よく会う子たちと喋っていると、『もうちょっと英語が喋れるようになりてぇな』とか、「どうやって勉強したら喋れるようになるのかな。訓ちゃん、一番の近道はなに?」なんてよく聞かれます。それはなにも若い子だけじゃなくて、大人にも「誰とでも長く英語で喋ってるけど、秘訣はなんだ」と言われます。僕は決して海外の学校に長く通っていたわけではないですし、留学で4年間大学にいたわけでもないので、自己流の英語です。だから、正確な英語を正しく流暢に話せるわけではありませんし、英語が喋れる人たちの中には僕よりうまい人の方が多いと思います。ただ、語学力というのはそんなに完璧ではないですが、誰とでも喋れるというところに関しては、喋れる方なのかなと思います。それは、もともと雑学趣味なので単語をたくさん知っているからだと思います。この単語というのは、受験のときに使うような単語ではなくて、名刺が多いです。例えば、もしこの番組を聞いている方の中で若いスケート好きのリスナーの方がいたとします。スケーターとしていろんな人が出ているビデオのタイトルとかそういうことを知っていなければ、アメリカに行ってスケーターと友達になろうと思っても、話すことはできないと思うんです。でも、それだけ知っていれば足りるのかというとそうではなくて、それ以外のこともたくさん知らないと、話すことって実はそんなにないんです。スケーター同士、一日中ずっとスケートのことを話すわけにもいかないというか、それこそアメリカ好きだったら、野球チームの名前を全部覚えたり、行った街の博物館とか場所、映画のタイトルやそれに出てる俳優は誰だったとか。そういう言葉というのは本当にただの単語というか名刺ですけが、それを知っているとだいたいどんな人と会っても必ず一緒に話せるトピックが出てきて、「あぁ、あれか」となって楽しく話すことができます。そして一番手っ取り早いのが、やっぱり新聞を読むことだと思います。そこに書いてある人名とか事件というものを英語版で照らし合わせてみたりしていると、偶然会った人と『昨日、あんなことがあったね』とか、『あの事件についてどう思う?』と聞かれたとき、難しい英語は分からなくてもその事件の名前だけで、「あれはひどいね」とか、「僕はこう思う」ということを簡単に話すことができます。だから、英語だけを勉強するのではだめで、たぶん人間としてどれだけいろんな人と話せるようになるかっていうことの方が大事なのかなと。例えば、日本人としてじいさんから子供まで、どんな日本人とでも話せるか。話せる人はたぶん、英語を少し覚えただけで、やっぱり同じようにいろんな人と話せて、それが英語をうまくしてくれる秘訣になるのかなと思います。なので、秘訣はなんだと聞かれて、「新聞を読め!」という話をしたんですけど、翌日に「コンビニにきたけど、どの新聞を買えばいい?」というメールが来たとき、僕はすごく嬉しかったです。行動力があるっていうのが若さの特権だなって本当に思いました。