今も世界中の人々の心に残っている人物。今年9月、エリザベス女王の崩御により、イギリス国王に即位したチャールズ国王の最初の妻、ダイアナ元皇太子妃。
彼女を一人の人として、一人の女性として描いた作品がこの『スペンサー ダイアナの決意』です。ダイアナ元皇太子妃は英国名門貴族スペンサー家の令嬢として、1961年に誕生。二十歳でチャールズ皇太子と結婚しますが、夫婦関係の変化、パパラッチの執拗な追いかけや王室のしきたりにより、摂食障害を患ってしまいます。この作品は、この頃の「知られざるダイアナの決意」を 描き出しています。
ダイアナを演じたのは『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワート。この作品で初めて、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。監督はパブロ・ラライン。ケネディ大統領のファーストレディを描いた監督作『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』では、 主演のナタリー・ポートマンがアカデミー賞にノミネートされました。『スペンサー ダイアナの決意』、どんな作品なのでしょうか?
時は1991年のクリスマス。
イギリス・ロイヤル・ファミリーの人々はエリザベス女王お気に入りの邸宅、サンドリンガム・ハウスに集まっています。ロイヤルファミリーにとって、ここでクリスマスを過ごすのはお決まり、なんです。
しかし、今年はいつもと違う空気が流れています。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の仲はすっかり冷え切ってしまい、二人を取り巻く人間関係に様々な噂が流れ、世界中が注目。どこでパパラッチが狙っているのかわからない。そんな状況の中、王室もピリピリしています。
そんな、ダイアナ妃とチャールズ皇太子の間には子どもが2人。愛する子どもと過ごす時間は、ダイアナにとって何よりも幸せな時間です。しかし、どこに行っても追いかけ回されたり、細かすぎる王室のしきたりに神経が削られていくダイアナは、心が壊れる寸前。
『もう、放っておいて!!!』
サンドリンガム・ハウスがあるのはダイアナが幼い頃を過ごした場所でもあるノーフォーク州。故郷で過ごすこの3日間で、ダイアナは人生を変える大きな決断をします。
そんな映画『スペンサー ダイアナの決意』
この作品はドキュメンタリーではありません。史実から大きく脱落はしませんが、ダイアナ妃が置かれていたであろう環境をベースに一種、ホラーに近い色を付け、心の内側を押し測る演出を効果的に展開します。キリストの誕生を祝い、家族愛が最も高まるクリスマス前後の3日間なのにダイアナ妃は孤独を極めている。オスカー候補に相応しい演技でクリステンは苦悩するダイアナ妃を演じ切ります。
ぜひ女王とダイアナ妃の間で交わされる会話にも注目ください。先走って失礼しますが、スクリーンで見た後にいずれリリースされるDVD/Blu-rayで何度も見直したくなるシーンの一つ一つ、ディテール溢れる作品です。映画『スペンサー ダイアナの決意』は、現在、公開中です。
