今月は毎週、今年度アカデミー賞ノミネート作品をご紹介します。

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第93回アカデミー賞のノミネーションで作品賞、脚本賞、助演男優賞などを含む6部門でノミネートされている注目の作品。「シカゴ7裁判」

オールスター・キャストです!アカデミー賞にゆかりのある「ファンタスティック・ビースト」シリーズのエディ・レッドメイン、「インセプション」のジョセフ・ゴードン=レヴィット、「ボラット」シリーズのサシャ・バロン・コーエン、バットマン演じたマイケル・キートンなど!

監督・脚本を務めたのは「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞 脚色賞を受賞したこともあるアーロン・ソーキン。これは実際、1969年にアメリカで起こった出来事を描いた作品で、現在、Netflix独占配信中です。

ストーリーをご紹介しましょう。

1968年、アメリカは混沌の中にありました。ベトナム戦争で若者が次々に徴兵され、犠牲者の数が ふくれ上がります。抗議デモや反戦デモが激化する中、シカゴで開催される民主党大会に様々な団体の活動家が集結。 平和的に反戦をアピールするはずでしたが、結局、デモに集まった群衆と 警察、州兵が激突。催涙弾も使われました。

翌、1969年、民主社会学生同盟のトム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)とレニー・デイヴィス、カウンターカルチャーの活動同盟イッピー、(スタンドアップコメディアンの)アビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)とジェリー・ルービン、ヴェトナム戦争終結運動(The MOBE)のオーガナイザー、デヴィッド・デリンジャー、ジョン・フロイネス、リー・ワイナー、そして、ブラックパンサー党のボビー・シール議長、合計8人の活動家がシカゴでの暴動を扇動したとして、逮捕、そして起訴されます。のちにボビー・シールは裁判から外されたため、『セブン』となっています。

多くの反戦活動家に罪を着せ、彼らの活動を力でねじ伏せ、沈黙させようとする共和党の新政権。7人の被告人たちが立ち向かう中、彼らを守るために立ち上がったのは人権弁護士であるウィリアム・クンスラー~演じるはマーク・ライランス~スピルバーグのブリッジオブスパイで助演男優賞!演技、効いています!!

アメリカの歴史の中でも、最も奇妙な裁判の一つを描き出しています。そんな映画 『シカゴ7裁判』。この出来事が映画化されるきっかけはどんなことだったのでしょうか?宣伝ご担当、アンリミテッドの田口直子さんが教えてくれました。

13年前脚本監督のアーロン・ソーキンが伝説の監督スピルバーグの家に招かれ、直々に「ソーキンに書かせたいと考えていた。」と、話を持ちかけられたところから始まりました。あのときのことについて監督がこうおっしゃっています。

「スティーブンが1969年にシカゴで起こったクレイジーな共謀裁判について映画化したいと言ってきたので、ずっと前から、1969年にシカゴで起こった共謀裁判についての映画脚本書きたいと思っていました。私もぜひ仲間に入れてくださいと答えました。」

法廷では、戦争に反対する活動家たちが、政治とつながっている司法に立ち向かいます。司法は独立していなくてはならないのに、戦争を進める政治と密接な関係にあり、活動家たちを追い詰めていくんです。

アメリカが、世界が見守ったこの歴史に残る裁判。歴史的背景を知っているとより、楽しめますが、知らなくても大丈夫。映画の一番最初に、その背景をテンポよく描いてくれているので、この作品だけでわかるようになっています。

Netflix映画『シカゴ7裁判』独占配信中です。