●映画 「博士と狂人」 

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「マッドマックス」「リーサル・ウェポン」のメル・ギブソンと「ミルク」「アイ・アム・サム」のショーン・ペン。俳優としてはもちろん、映画監督としても数々の作品を残しているこの2人。初の共演作です。そして、この映画は、世界最高峰と称される「オックスフォード英語大辞典」ができるまでの実話を元に作られた作品です。

ストーリーをご紹介しましょう。  

時は19世紀、イギリス。オックスフォード大学は20年に渡り英語辞典の出版を目指していましたが、「日々変化する言葉」、「時代によって変わる言葉」の意味を定義づけるのが難しく、足踏み状態が続いていました。

そこに新たな編纂担当候補として呼ばれたのがジェームズ・マレー。(メル・ギブソンが演じています。)マレーはそれまで独学でやってきたため、 博士号を持っておらず、理事会は難色を示します。しかし、理事会の1人、フレデリックが後押しをし、マレーは編纂の責任者になります。

でも、辞典の編纂を身内だけでまとめるのは、難しい。

そんな時、ウィリアム・チェスター・マイナーという人物から「協力したい」、という手紙と、大量の資料が送られてきます。(このマイナーをショーン・ペンが演じています。)困難を極めていた編纂の道に一筋の光がさします。

しかし。実は、、、

マイナーは殺人の罪を犯し、精神病院に収監されているアメリカ人。なぜ、マイナーはマレーたちに協力するのか??そして、マイナーは、なぜ人を あやめてしまったのか??果たして、マレーたちは辞書を完成させることができるのか。

そんな映画 『博士と狂人』。辞書編纂の過程を取りまとめ、マレーを支えたフレデリック・ファーニバルを演じたスティーヴ・クーガンのコメントが届きました。

(登場人物の関係性が)ドラマ性を与え、事実の広がりが、人の心を掴む物語を、とても人間味のある物語を紡ぎだすのです。物語が進むにつれ、心を揺さぶる展開になります。ショーン・ペンとメル・ギブソンが演じる二人の男の友情です。英語のすべての言葉が載った辞書を作ろうとするなんて、なんて途方もなく膨大な任務だろうと感じます。現代のデータ化と比較するならば、ヒトの全遺伝子情報を解読するようなスケールの課題であり、これに従事した師たちは、とても勇敢で大胆であったと思います。

男の友情も素晴らしいですが、実はロマンスもあったり、、、作り始めてから、初版発行までに70年もの歳月を費やした「オックスフォード英語大辞典」。途方もないこの辞典の編纂に携わった彼らの真実の物語、ぜひ見届けてください。